キャンパスノート

キャンパスノートの死体!
ピンク色のキャンパスノートのだらしなく垂れる手足!
枯れ木のように痩せ細って、偶然と全能感を道連れに朽ち果てゆく手足!
そこに群がる4匹の野良犬!
彼らは終わりを知らず、始まりを嫌う
炎天下のアスファルトの上で踊り続け、やがて彼らも死に至る

キャンパスノートの死体!
水色のキャンパスノートが情けなく露わにする性器!
それは少し勃起したまま雨に打たれ、ふやけていく
水風船のように膨らみ、やがて割れる
少年が近づいてきて、そこに出来た水たまりをすする

キャンパスノートの死体!
黄緑色のキャンパスノートのいやらしくはみ出たはらわた!
私はそこに香典を投げつける
燃え盛る血と肉とカフス
耳の中で走り回る詩
空が無くなるまで落下し続ける

キャンパスノートの死体
殴り書きのタイトル
意味を持たない文字の羅列
DNAの螺旋のように繋がる
一本の綱を象が渡る
太鼓の音は鳴り止まず
結局名前を忘れる



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