4話

私は今馬車の中でパレス町で出会い一緒に学院に通うことになった少女と話している。
「お名前はなんていうの?私はレスティア。好きに呼んでね」
「はい。私はレムといいます。その、昨日は助けてくれてありがとうございます。一生貴方様について行きます」
「そういうのはもうやらなくていいといってるでしょ?あなたは自由になったのだから」
「分かりました。それで私もティアさんと一緒に学院に通うというのは本当なんですか?」
「えぇ、本当よ!それがどうかした?」
「いえ、私は平民なので魔力があまりなくて」
「それをいうなら私は人間じゃないわ」
「ーーはい!?今なんて言いました?」
「あら、聞こえなかったの?ならもう一度言うわよ。私は人間じゃなくて、吸血姫なのよ」
「吸血姫って吸血鬼の希少種じゃないですか。なんでそんな凄い人が私なんかと一緒にいるんですか」
「レム、自分を卑下するのはやめなさいな。それに私はあなたのこと気に入ってるのよ」
「気に入られてるのは嬉しいですけどーー」
「ほら、王都が見えて来たわよ!」
「本当だ!王都って結構広いですね」
「当たり前じゃない」
「レム、着いたよ」それにしても無人馬車は会話を聞かれる心配がないからいいな。お金の代わりに馬にはにんじんをあげるだけでいいし。
「試験は午後からだから時間になるまでギルドで依頼でも受けてようか」
「そうですね」そう言って私達はギルムへと入っていった。
「いらっしゃいませ!ようこそ王都冒険者ギルドへ。旅の方ですか?」
「違いますよ!午後から魔術学院の試験を受けるのでそれまで依頼を受けたいんですけどなにかいいのありますか?」
「分かりました。その前に冒険者ランクを教えて貰えますか?」
「マスターランクです」
「あの今なんて言いましたか?」
「マスターランクですよ」
「あはは、ですよね」
「ギルドマスターを呼ぶので少々お待ちください」
「お前がマスターランクの冒険者か、それでどこで冒険者登録した?」
「パレス町ですが。それがどうかしましたか?」
「パレス町だって!?なら大丈夫だな。あそこは俺の師匠がやってるギルドなんだよ」
「そうなんですね」
「それで依頼だっけか。何にする?」
「受けるつもりだったのですがこれから学院の試験があるので依頼はまた今度受けようと思います」
「そうかい!ちなみにMランクに上がるための試験はなんだった?」
「聖女様の護衛ですよ」
「なるほどな!今度似たような依頼捜しとくよ」
「本当ですか!ありがとうございます」
「おう!だから魔術学院の試験頑張ってきな」
「はい!行ってきます」
「レム、おまたせ!試験受けに行こうか!」
「うん!」そして私とレムは魔術学院へとやってきた。

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