6話

同じクラスになった私とティア。
「やったね!ティアと同じクラスだ」そう言ってレムは嬉しそうに話しかけてきた。
「そうだねレム」
「早く教室に行こうよティア!」
「分かったわよ!だから落ち着いて」
「はーい!」反省しているのか不明だがレムは明るく返事をしてきた。
「ティア!授業楽しみだね」
「そうだね」そんな他愛もない話をしていると後ろから男子生徒が近ずいてきた。
「おい、お前らそこをどけ!」大きい声で後ろから男の声が聞こえた。
「なんですか!そして誰ですか、あなた」
「貴様、俺のことを知らないのか」
「はい!まったく知りません」そうレムは言った。
「そうか、なら教えてやろう!」そう言って自己紹介を始めた。
「俺はドルミネス・ユーファ。ドルミネス家の次男だ」
「そうですか、教えてくれてありがとうございます」私はレムが話そうとしたのを止め、教室に入るようにレムに言ったが聞き入れる様子がないーー。その時、担任の先生が来た。
「おまえらいつまでも廊下に居ないで教室に入れ!」先生はちょっと怒ってるように見えた。それはそうか、ホームルーム前にも関わらず着席していない人がほとんどなのは問題だ。
「今日からお前たちの担任となるノムレットだ!来年はどうなるか分からんが今年の1年間は俺がお前たちの担任だ」そう言って次の話を切り出した。
「お前たちはこの学院に来てまだ日も浅いだろうから軽く説明しておこう」
この学院は1学期から3学期までの3学期制だ。ただ他の学校とは違うところもある。それは筆記試験がないことにある。ここは魔術学院、実技の成績で全てが決まる。
「筆記試験ないのかー」
「俺は実技上手くやれるかな」
「ねぇティア実技ないみたいだよ」
「レム、無いのは実技じゃなくて筆記試験だよ」
「静まれ、話が出来ん」筆記試験がないと言ったが授業はあるので勘違いしないように。
「先生質問があります!」するとある女子生徒が挙手した。
「筆記試験がないなら、どうやって成績が付けられるんですか」
「それは日々の提出物だ。全員が期限を守って早めに提出するように心掛けろ」
「先生俺も質問!」
「なんだ!」
「自己紹介みたいなのはいつするの」
「おぉ、忘れるとこだった」
「では、君から」
「はい!俺はマルク・アスラン、剣術が得意です」
「私はレスティア、甘いものが好きです」こんなんで良かったのだろうか、魔物狩りや吸血など特技は色々あるのだが、なんか言ってはいけないような気がした。
「俺はアーシャー・ユリフォン、特技は魔法だ。正直このクラスの生徒に負けるとは思っていない」
「私はレムっていいます!趣味はアニメを見ることです」
「お前、アニメってなんだ」先生は不思議そうに聞いてきた。
「アニメっていうのは、画面の向こう側で男女が色んなことをするものです!」
「そうなのかよく分からんがわかった」
「今日は時間が無いためここまでにするが、それぞれ他のクラスメイトとも仲良くするように!」
「それでは解散!」
「ティア!一緒に帰ろ!」
「帰りましょううか」帰路に着いた私たち。
「私たちの部屋って一緒かな」
「どうだろうね」私はレムが他の人と同じ部屋になることを心配していたがそれは杞憂だったようだ。
「部屋は個室みたいだね」
「個室かぁ!ティアと一緒が良かったな」
「私もレムと同じ部屋が良かったけど規則なんだから仕方ないよ」
「そうだね」
「明日も早いから今日はゆっくり休みな」私がそう言うとレムは頷いた。
翌朝、4月6日の朝。
『皆さんおはようございます!今日も1日しっかり頑張りましょう』放送委員の挨拶と共に起床を知らせるチャイムが寮内に鳴り響いた。
「おはようティア」
「おはようレム」お互いが挨拶を交わし教室へと向かう。
朝は忙しく食事をする時間が無いため朝食は取らない。
「しばらくすると先生が教室に来て話し始めた」
「静かに!これからホームルームを始める!」
「はい!」こうして私達の学院生活が幕を開けた。

あとがき
皆様、いつも転生吸血姫ヘスティアを読んでくれてありがとうございます。なかなか案が浮かばなかったため5話の投稿からだいぶ間隔が空いたしまいました。すみません。さて、6話ですがいよいよティアとレムの学院生活が始まりましたね。これから色々なことを盛り込もうと思っているので7話以降も楽しみにしていてください!
出来る限り早めに7話を投稿したいと思っています。それではまたどこかでお会いしましょう👋

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