読者電車旅

 ある日、いつものようにTwitterを見ていたとき、18きっぷで読書旅をするのがいいと書いてありました。それを見た瞬間にイメージが浮かび、確かに読書が捗りそうだと思いました。なので僕もやってみることにしたのです。
 近いうちに友達が東京に来る予定があると知らせてきました。そこで僕は18きっぷで来て欲しい、残りの分は買い取るからと頼みました。すると友達は快諾してくれて、無事18きっぷを入手することができました。
 朝5時、空がぼんやりと明るくなってきたころに家を出ました。少しだけ涼しくなってきたかな?そう思いながらイヤホンをつけて、Cap'n Jazzを聴きながら駅まで歩いて行きました。ボーカルの少し掠れた少年の声がなんとも情緒的で、ぼんやり抱いていた旅への不安が温かいものに変わっていきました。
 駅に着きました。旅に備えて腹を満たしに行きます。この時間だと駅前は松のやしか空いてません。ですが、松のやは美味しいので、全然大丈夫です。
 ロースカツ定食を注文しました。ご飯と味噌汁を1回ずつおかわりしてお腹いっぱいです。ですが失敗しました。これでは眠くなってしまいます。案の定、乗車後すぐに眠くなってしまい少し寝てしまいました。今回の読書旅は3割くらいは寝てたと思います。
 松のやを出ると、ちょうど電車が来る10分前になっていたので、駅に向かいました。僕の駅は始発から駅員さんがいる駅だったようで、18きっぷにハンコを押してもらうことができました。ここで押してもらえないと、仕事中の車掌さんの手を煩わせてしまうことになるのでよかったです。
 朝日に照らされるホームは名状し難い美しさがありました。そんな光景に見惚れているとホームに電車が入ってきたので、名残惜しいですがお別れです。
 電車に乗って壁側の席に座りました。壁際はもたれかかることができるので楽です。そして電車が動き出し、僕を北へと運んでいきます。建物の隙間を走る電車はなんだか窮屈に感じました。
 バッグからKindleを取り出し、電子書籍を読み始めました。松永K三蔵さんの「バリ山行」という本です。バリというのはバリエーションルートの略で、登山道からはずれ、オリジナルのルートで登山するということだそうです。これだけでもこの本のテーマ性がなんとなくわかり、読みたくなるのではないでしょうか? 素晴らしい話でした。
 うとうとしながら読み終わり、読後感を噛み締めているとあっという間に仙台駅でした。せっかく仙台に来たのだからあれを食べようと思いました。そう、紐を引っ張ると温かくなる牛タン弁当!!

すっごくないですか!?

 購入に手こずってしまい、10分で食べました。美味しかったです。
 電車に乗り小牛田に向かいます。次に読んだ本は宮島未奈「成瀬は天下を取りに行く」です。久々のエンタメ小説、眠くなることもなくさくさく読めました。成瀬が本当にいいキャラをしていて、読めば読むほど成瀬が好きになっていきました。特に好きだった話はレッツゴーミシガンですね。あれは好きになってしまいますよ。いやもうね、よかった。語彙力笑
 本を読んでる途中で小牛田で乗り換え、一ノ関から花巻につきました。流石に疲れましたね。あと2時間がんばろうと思っていると、アクシデントが発生します。
 釜石線に乗り換えるために電光掲示板を見に行きます。すると、釜石線は大雨の影響で運休しますと書いてありました。
 終わったわ

つづく

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