2つのニムロッド

 めちゃくちゃな記事です。言語化するのは難しくて、でもなんとか知って欲しくて書きました。散文とも呼べませんが目を通していただいていただけたら幸いです。

 ニムロッドという本を読みました。するとある日友人から、その小説の元になった曲があると教えられてすぐに聞きました。People in the boxというバンドの曲でした。
 初めて聴いたとき、文字とモノクロのイメージだけだった世界に色彩が宿ったような気がして鳥肌が立ちました。
 小説のニムロッドのラスト、2人がいなくなった後に空を見上げた主人公のシーンが脳裏で再生されて、涙を流しました。
 小説のニムロッドをざっと説明すると、主人公中本哲史にかつて同僚であり夢に敗れた小説家荷室から「ダメな飛行機コレクション」というタイトルの文章が定期的に送られてきていました。ですが中本はその文章に一体どんな意味が込められているのか分からなかった。そこに中本の愛人の「染色体異常の子供」を堕胎したトラウマをもつ田久保紀子がダメな飛行機コレクションに興味を持ち、荷室にあってみたいと言い出します。

 最終的にニムロッドと田久保紀子が中本の前から姿を消します。どうなったかは描かれてません。2人で自殺したのか、共通項があった2人で幸せに暮らしているのか、ご想像にお任せしますというのがなんとも純文学らしいと思いました。

ママ あの高みへと連れてって 聖なる頂へと
眺めを見てみたくて 
でもどうせ見せてはくれないよね 
突然の風雨やらって 
ほら 誰かが引きずり落ちた痕跡があるでしょ
科学はいい線までいった 
愛と迷信をスポンサーにして ルール履き違えたまま 

音楽のニムロッドの歌詞なのですが、本の方に照らし合わせると、子宮の中で殺された子供の視点で描かれたとしか思えません。この曲丸ごとが子供の視点だと解釈できます。とにかく切ない。胸が痛い。


足を滑らせたらパラシュートは開かない

ここでいつも泣きそうになります。理不尽な世界への叫びに聞こえます。


この曲も小説も世界観が唯一無二です。ずっと頭から離れません。ほんとに誰かと語り合いたい気分です。とにかく読んで聴いてほしい。すごいです。語彙力がない自分を恨みます。

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