記事一覧
『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』トッド・カシュダン、ロバート・ビスワス=ディーナー著/高橋由紀子訳
人間の文明の歴史は「不快」を「快」にする事であった、とも捉えられる。 百年、千年前を想像するまでもなく、自分の子ども時代と比べてみても生活はずいぶんと快適になった。 風呂は自動でたまってくれる、道に迷うこともなくなった、どこにいても電話をかけることができる・・・。 便利だ、快適だ・・・。
しかし、快適さが私たちを覆えば覆うほど、私たちは不快に耐える耐性が弱くなっているのではないか? 電車が数
「裏金問題」はそろそろ次のステージへ
国会による野党の追及、メディアによる自民党批判は確かに必要だろうが、そろそろ「新たな仕組み作り」という次のステージを模索すべき時だと思う。
政治資金をガラス張りにできない政治では日本の統治を担えない(牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授) -マル激 (videonews.com)
泉房穂氏(元明石市長)などは、政党助成金ですべてまかなえる!とおっしゃっていたが、上記のマル激では、透
石川良子、林恭子、斉藤環著『「ひきこもり」の30年を振り返る
岩波ブックレット。引きこもり問題の現在地を知りたくて購入、早速読んでみた。
このブックレットは引きこもりに関する公開シンポジウムの記録だが、読んで一番驚いたのは、この3人の対等性だ。 高名な精神科医である斎藤環さんの意見が結論化することなく、後の二人が何なら斎藤氏を批判するという構図。 引きこもり、という病気ではなく事象がテーマなのだから、当然といえば当然なんだが、とはいえ、かなり新鮮だった.
菊地栄治、池田賢市他『能力2040 AI時代に人間する』
2016年の「やまゆり園事件」、学校の始業式の日に子どもの自殺が最多となる「九月一日問題」を契機として集まった能力論研究委員会の面々によるアンソロジー。
人種、性別などによる差別は問題視されるが、なぜか「能力(学力)」による差別は日々当たり前に行われ疑問にも思われない、むしろ学校という場では奨励さえされている(能力別クラス、特別支援学級など)のはなぜなのか?背景にある我々が常識としているもの
⑭金間大介著『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』
2022年刊。
目立つのが嫌い、競争が嫌い、横並び主義、・・・行儀よく性格も穏やかで人当たりもよい、一見、良い子である(大人からしたら扱いやすい様に思える)現代っ子達の生態に切り込む。 金間さんは大学の先生で観察対象は大学生。 僕が日々相手をしているのは高校生なのだけれど、合点がいくところが多々あった。
最近の子達との付き合いで日々感じるのは、それなりにコミュニケーションはとれる、何な
⑬志水宏吉著『学力格差を克服する』
ちくま新書、2020年刊。
学力の差を縮めるのではなく、学力の低い層を引き上げる「学力保障」を掲げる教育社会学者の著作。 その考え方、研究成果には説得力がある。
それぞれの子どもを一本の木に見立てる「学力の樹」の発想はとても共感できるものだ。葉は子どもが学び取る知識、幹は子ども自身の思考力や判断力、根はそれらを支える意欲・関心・態度。知識(葉っぱ)一つ一つは取るに足らないものだが、それが