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アルバイトの思い出

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古本屋などでもアルバイトの思い出。
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エッセイ#35『古本屋の思い出-中篇-』

きっと本は生きている 1年程アルバイトを続けてわかったこと、それは「本は独りでに動く」ということだ。  皆さんも書店や古本屋で経験したことがあるのではないだろうか。本棚に並べられた本の上部の隙間に、その売場とは関係のない本が横たわっていたり。平積みされた本の上に、数ブロック隣の本が置かれていたり。それはきっと、本が勝手に動いたことが原因だろう。  一度、私はこんなことを考えた。お客さんが一度手に取った本を、やっぱりいらないからと別のコーナーの本棚に置いたのではないか、と。しか