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VRChat初心者向けガイドライン(後編)

皆様ごきげんよう、今回の記事は前回からの続きとなります。
タイトルにある通り、主に脱初心者へ向けた私なりの楽しみ方や考案記事となります。
VRChatは自由度は高いものの、それ故に何をすべきかで迷う方が多いという話を聞きます、そういった人へのヒントになるような内容を綴っていきたいと思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。

コミュニケーションが基本

チュートリアルを終えて、さて何をしようで迷う方が多い印象を受けます。
ここでヒントになるのはVRChatはSNSである、という点です。
個人的にVRChatの主流な楽しみ方は他のSNSがそうであるように、会話を始めとしたコミュニケーションである、と私は思っています。
とはいえ始めの内は既に形成されているコミュニティに入るのは難しい事ですし、なかなか勇気が必要な事でもあります。

早い話が既に何人か会話をしている中に混じるにはどうすればいいのか、といった事に悩む人が多い印象を受けます。

まずは挨拶が基本です、その次に何の話をしているのか、どういった事をしているのかを聞くと良いかと私は思っております。
強引な手段に思えるかもしれませんがこれ位で構いません、変に遠慮して何もできないよりかは余程良いと思います。

重要なのは無理やり話を合わせる必要は無いという事です。
分からない事は分からないですし、興味の無い事を話している事も多いでしょう。
そんな時はスッと立ち去ってもいいですし、なんなら別のワールドに行っても構いません。

話題のみならず、相手と気が合うかどうかというのも重要な点です。
人にはどうしても好き嫌いがあります、仕事ではないのですし、何も気の合わない人と無理に付き合う必要はどこにもありません。
まずは楽しむのを第一に考える事が重要です。

既存の集団に入る難しさ

既に構成されているグループ、クラスターに入るのが難しいという意見を多く聞きます。
これは確かに難しい事です、自分がその集団に身を置いていいものか、そういった所へ接触するにはどうすればいいか、色々悩みはあると思います。

これに関しては自ら能動的に動くのが一番手っ取り早い解決策です。
例えば、VRChat内には様々な団体や定期開催されているイベント等のポスターが掲示してありますが、それらを見てTwitter等で連絡を取ってみたり、参加をしてみたりするのが良いでしょう。
VRChatイベントカレンダーも要確認です、参加できそうなイベントがあれば積極的に参加する事をオススメします。

イベントや団体によっては規定があったりドレスコード等があったりもしますが、見学だけでもしたいという事であればそこまで邪険にされることは滅多にありません。
まずは動いてみて、イベントや団体が自分に合うかどうか見極めていくと良いかと思います。

モデリング、アップロード、改変ついて

UnityやBlenderを介したモデリングやモデル改変は慣れてくると楽しい作業ですが、これがなかなか難しいものがあります。
アバター改変にしても難しい事は後回しにして、まずは簡単な事から始めて行くと良いと個人的には思っています、ローマは一日にして成らずです。

勿論、アバター改変やモデリングは必須という訳ではなく、販売モデルをそのまま使ったり、ペデスタルアバターや公式アバターを使用して楽しむというのも大いにアリです。

アバターの購入についてはBoothというサイトで「3Dモデル」のタグで検索をすると沢山出てきます。
VRChat向けに作られているものはタグにVRChatと表示されているので分かりやすいと思います。
何を購入するかといった事はひとまず置いておき、ハオランラドドール
といった無料のアバターでアップロードの練習、もしくは改変の参考にすると良いと思います。

改変と一口に言っても、服を着せ替えたりアクセサリを付けたり、様々なものがあります。
まず手を出しやすいのが色を変える事、テクスチャ編集になります。
下記ブログ内では有料ソフトウェアのCLIP STUDIO PAINTが用いられていますが、PSDファイルが開けるソフトであれば好みのもので問題ありません。
私は無料のGIMPを主に使っています。

モデリングについては、人型のモデルであればVRoid Studioというモデリングソフトを使えばゲームのキャラクリエイト感覚でオリジナルアバターを作る事も可能です。
VRoidの凄い所はソフト内で作ったアバターの著作権やその他権利は創造者に帰属するという点で、早い話がVRoid製モデルやテクスチャは販売しても問題ないのです。

また、難易度は一気に上がりますがBlenderを触れてとりあえずアバターを作ってみるというのもひとつの手段ではあります。
Unityと違いBlenderは直感的な操作が難しくはありますが、日本語対応している上にUnityよりも動作が軽くバックアップも取ってくれるので、人によってはUnityを弄る方が難しい、なんて方もいます。

とりあえずBlenderを使えるようになりたい人向けの講座

二歩踏み込んで、キャラクターモデリングの基本を網羅している講座

Blenderは最終的にアバター等のモデリングを行わないにせよ、ポリゴンの編集や消去等使えるだけでも相当便利になります。

以下一例として、主に使っているアバターの遍歴をあげておきます(一部鏡越しに撮影しており、左右反転しています)

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VRChat開始からしばらくの写真、アバターワールドにあったPictomanを気に入りこの姿で遊ぶ。

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10日程経ちUnityで色改変を覚える、グリーンバックで消えてしまったり近づくと色が明るすぎるとの事で眼に優しい緑色へ改変。
同じ時期にVRoidβ版を使って自作アバターを作ってみようと思うも断念、当時の私には難しすぎました。

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自作アバターを断念、boothにて気に入ったW02(ウォズ)を購入(写真右側です)
一旦はそのままアップロードをして使う。

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改変開始、まずは色改変から。
今回はUnityではなくGIMPを使った色改変、Pictomanの面影を残すために緑色のメッシュを入れました。

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開始から3週間程、Unityにて丸眼鏡を搭載、ついでに眼鏡の色も変える。
同じ頃に表情設定も弄り始める。

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Unityでポーズを付けたPictomanを頭に乗せる、あぐらをかかせるのは結構大変な作業でした。
同時期にPictomanをまつざきしげるいろ一色に改変して褐色肌集会へ殴り込む、定期イベント以外で初めてのイベント参加でした。

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開始1ヵ月程で現在のアバターの雛形が完成、Pictomanを頭に搭載した事により緑メッシュを削除、髪色はモノトーンカラーに改変。

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時は流れVRChat開始から3ヵ月半程、ふとミーシェちゃんでも今使っているアバターの雰囲気を再現できるのではないかと思い、ヘアピンと一緒に購入。スケール設定やボーン設定、表情設定をフル活用して改変。
この恰好は全てUnityとGIMPのみで作業を行っています。

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4ヵ月半程経過、調子付いてLuaちゃんでも雰囲気を再現できるのか実験、思いのほか上手くいきました。
眼のテクスチャも改変、全てのアバターの眼を共通の物に変更
同じ頃にシェーダーを少し勉強、透過処理なんかを使い始める。
エモートスイッチも覚える、手に持っている瓢箪はエモートで出しています。
下駄はミーシェちゃん用の服装を流用、Blenderを使い始める(ポリゴン消去にのみ使用)

Luaちゃんの服装をミーシェちゃんへ逆輸入、写真は良いものが無かったので割愛。

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5ヵ月程経過、ミーシェちゃん用のコートが発売され、改造すれば白衣にできるのではないかと思い立ち改変。
眼鏡を変更シェーダーも入れ替える
アホ毛をBlenderで3本消去。

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アニメーションオーバーライドを覚え眼鏡を光らせる事に成功。
元々使っていたウォズへ近づけるためにLuaちゃんの耳をBlenderを駆使して移植。

執筆時近影の姿、VRoid Studio製の白衣に着替えBlenderで微調整、更にシェーダーを変更、PhysBoneを設定する。

他にも色々寄り道していたりしますが、メインアバターはこんな具合です。
その他改変の方法については下記リンクをご参考までに。

上記改変方法はあくまでも一例になります、改変に正解という物は存在せず、情報も常に更新されているので新たに主流となる方法がその内出てくるかもしれません。

分からない事があればTwitterで質問してみたり、VRChat内で直接聞くと良いかと思います。

VRでプレイすべきか?

デスクトップモードでプレイしている方は特に悩む点かと思います。
あくまでも個人的な意見ですが、VRでプレイ、もっと言えばフルトラッキングでVRChatをプレイしてもらいたいと思っています。
デスクトップモードにも利点はあり、私もデスクトップモードでINする事はありますが、可能であればVRでプレイをする事をオススメしています。

以下デスクトップモード、3点トラッキングVRモード、フルトラッキングVRモード、Quest2を用いたスタンドアロンVRモードの利点と欠点を挙げていきたいと思います、ご参考までに。

【デスクトップモード】

利点
・最も手軽に始められる
・作業と併用ができる
・VRモードより比較的画質が良い
・現実世界で手足を自由に使える
・大がかりなマイク等、外部機器を手軽に使える

欠点
・VR内で手足、指を動かせない
・VRChat内のカメラ機能が使えない
・表情変更が比較的難しい
・没入感は大きく劣る

【3点トラッキング】

利点
・手と指が動く
・没入感が大きく向上する

欠点
・初期投資が高い
・コントローラーのバッテリー管理に気を使う必要がある
・現実世界が見えなくなるので、ある程度やる事が限られる

【フルトラッキング】

利点
・腰、脚が動く
・没入感が更に向上する
・座る、寝る、お辞儀をする等、様々なポーズをとる事が可能

欠点
・初期投資がかなり高い
・バッテリー管理に更に気を使う必要がある
・事前準備が3点トラッキングに比べて面倒

【スタンドアロン】

利点
・現状最も安価でVRモードを始められる
・wifi回線があればどこでもVR可能
・完全ワイヤレスで動く事が可能

欠点
・コントローラーに加え、本体のバッテリー管理に気を使う必要がある
・スペックの関係上できる事が限られる


ポイントとなる点は没入感の向上です、VRに最も求められているものかと思います。
兎に角、一度やってみないとVRの良さは分かり難いです。

合う合わないもある

やはりというべきか、VRChatは向き不向きはあるかと思います。
なんでもできるが故に、何をしていいのか分からない。
Minecraftやskyrimをやった事がある人には覚えがあるかもしれません、一応の目標設定はあるものの自由度が高すぎるが故に何をするべきなのか分からなくなり、そのまま辞めてしまうというのは本当によく聞く話です。

また、SNSであるという都合、会話やコミュニケーションが嫌いだと楽しめないかと思います。
ここでポイントとなるのは苦手ではなく嫌いだという事です、コミュニケーションが嫌いだと楽しみを見出す事は難しいかと思われます。

体験の共有こそが真価

皆さんは誰かと集まってワイワイ楽しく過ごした経験、となると何を思い出すでしょうか?

映画やテレビを見て、互いに感想を語り合う。
酒の席で互いに愚痴を言いあい、健闘を称えあう。
ショッピングをして互いの趣味を語り合い、商品を選び迷う。
DSやらPSPを持ち寄ってポケモンやモンハンで遊ぶ。
何か共通の目標を持ち、努力を重ね結果を得る。

何れにしてもお互い共通の体験を重ねる事により成立しています。

VRは極めて優れた技術であるとは思いますが、現状において体験の質と問われるとVRではないものの方が優れていると思う事があります。
それはVRChatとて同じ事で、革新的で凄い物ではあるものの1週間の非日常も1ヵ月も経てば慣れてしまいます。
実際、仮に1人しか居ない状態でVRChatを延々やり続ける気は起きません。

体験の共有という点においてはMMORPGでも似た事は可能ですが、現状におけるVRChatを始めとしたVRSNSが体験として優れている点は、アバターにせよワールドにせよ、VRの技術にせよ、他者との距離を近づける事に特化している点ではないかと私は結論付けています。

終わりに

前編記事を含め、ここまで読んで頂きありがとうございます。
VRChatはVRコンテンツではあるものの、それ以前にSNSであるという前提で、コミュニケーションを最重要視した話になってしまいましたが、他にも様々な楽しみ方があるのではないかと私は思います。
他の楽しみは、よろしければ各自見つけて頂ければ幸いです。

最後に、METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTYより、ソリッド・スネークの台詞を引用して終わりたいと思います。


「この世に完全なるリアリティなんて存在しない、現実と呼ばれるものの多くはフィクションで成り立っている」

「目で見たものも、脳が現実と感じた『現実』でしかない」


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皆様のVR生活が快適になる事を祈っております


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