憎悪の効果
人を本気で憎んだことがありますか?
私は元来、陽気でひょうきんな性格です。感情は激しく、正義感も激しい。
なので、人を嫌いになることはあっても、時が経つか、物理的に離れればすぐに忘れます。
そんな私が憎んだ人が一人います。
憎むとどうなるか。
本物の憎悪は、時は解決しない。時が経つほどに、激しく燃え上がる。
小説に書かれているように、自分の内側から、自分を焼き尽くすような激しい炎があるのが分かります。文字通り、己を焼き、その苦しさに歯ぎしりをし、嗚咽は漏れ出し、涙はいつまでも涸れず、「憎い憎い憎い」と独り言を繰り返す。
これは『ヴィンランドサガ』のセリフです。
「もう無理だな。
これ以上はもう。。。
怒りに縋りつくのは無理だ。」
言葉通りで、憎しみに縋っていないと、生きていけない。
しかし、自分の性質上、いずれ、憎悪を自分で隠す日がくることは分かっている。それを認めたくない。いつまでも縋っていたい。
であるのに、
憎悪している己を許せない自分がいる。
憎悪する心に負けている自分を許せない。
目標とする人物像とあまりにかけ離れている現状がとてつもなく悲しい。
憎んでいる自分を許せない、これがつらい。
今はゆえあって、かなりマシですが、それでも、この文章を書くだけで、涙がこぼれる。まだ、炎は消えていない。
どれくらいの状態かと言うと、地縛霊の存在を信じます。
「あ、このままいけば、これは幽霊になるわ」と思いました。別でまた書きますが、怨念のような、恨みの塊の、自分のコピーができてる、と言われたこともあります。
そんな状態でも、良いことはあった。
憎悪だけではないと思う。負の感情を大きく経験すると、芸術への感受性が大きく高まる。他人への想像力が段違いに強くなる。
どんな小説、漫画、映画、ドラマを見ても、ほぼ高確率で泣く。たぶん、製作者の意図していない感情を作り出して、己の経験と照らし合わせ、共感してしまう。
絵画にも、音楽にも、風景にも、違う人間になったのかと思うほどに感動を覚える。
こんな状態の時に気づいたこともある。
本を読んで、知識を入れ、概念を知り、現状を表現できる言葉を知ると、痛みは和らぐ。
結局、未知であるから不安を覚える。
浅田次郎『天切り松闇がたり』
は、目標の人物像をしっかりと心に置ける。何度も読んで、何度も踏みとどまった。
「こういう、ほんとうに優しい人なりたい」
アニメ『ユニコーンガンダム』
は、憎悪にまみれたときに見ると、感動が何倍にもなります。ジンネマンのように、マリーダさんのように、それでも強く優しくありたい、と思い、歯をくいしばった。
面白いのが、「マリーダ」と呼び捨てにする人はいないんですよね(笑)創作上の人物とはいえ、呼び方だけでも敬意を払いたい、そんなとこでしょうか。あまりにつらい。
小説も読みましたが、原作よりもアニメの方が名作です。
もう一つ思ったことは、
「これで親友と同じ立ち位置に立てた。」
でした。親友に対して、同じだけの苦悩が無いのは恥ずかしかった。あいつの気持ちをわからないところがある、というのはあったので。
何が言いたいのかも整理つかずに書きました。
うん、思ったときに好きに書ける場所があるのは本当に良い!
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