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エクソシスト(意味が分かると怖い話)

 俺の名前はハンス。エクソシスト協会の正会員だ。若手のエクソシストのエースとして将来が嘱望されているエリートで、甘いマスクで女子からもモテモテだ。

 地域主任から新たな依頼がやってきた。何しろアイゼングリューン辺境伯の愛娘が悪魔に取りつかれ、自我を失っているらしい。辺境伯はもしこの悪魔を祓うことができたら娘を結婚させると言っている。なんとアイゼングリューン辺境伯は王国でも最大の領地を持つ最有力貴族だ。そこに婿入り出来たら一生安泰だ!!

 馬で一日走り、アイゼングリューン城にたどり着いた。早速城内に入ると、辺境伯はやつれた顔で出迎えてくれた。
「ようこそ。ハンスさん。どうか娘に取りついた悪魔を祓ってください成功したら娘を結婚させてあげます」
「わかりました。任せてください!辺境伯は部屋の外でお待ちください」

 俺は娘の寝室に行った。そこには色白の少女がベッドの上に横たわっていた。見た感じ、17歳くらいだろうか。

「こんにちは。ハンスさん。」
少女のつぶらな瞳が俺を見つめる。
 すると少女は全身をけいれんさせ、これまでと全く違う声を出した。

「フヒヒヒヒ、来やがったな」

俺はこの前に見た悪魔と同じタイプだと確信した。別人のように醜悪だ。本当に見ていて嫌悪感を感じる顔だ。こうやって子供に取りついて二重人格のように操るタイプの悪魔だろう。

「悪魔退散!!」
俺は悪魔に聖水をふりかけ、呪文を一通り唱えた。少女はか細い叫びをあげ、静かになった。成功だ。俺はこのレベルの悪魔を退治するのにしくじったことはない。これで100%悪魔は祓われたはずだ。

 俺は辺境伯に答えた。「これで元の娘さんの姿に戻っていますよ」
 辺境伯は嬉しそうに言った。「これで娘と結婚してくれますね!」
 俺は答えた。「はい!喜んで!」

 その時ベッドから娘が起き上がり、言った。

 「フヒヒヒヒ、よろしくな」













答え
 悪魔は祓われて娘は元の姿に戻った。冒頭のつぶらな瞳の人格は実は悪魔で、醜悪な方が本来の娘の姿だったのだ。ハンスはこの娘と結婚する羽目になるのだろうか。

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