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<MBTI基礎解説>SP型・SJ型・NP型・NJ型の違いについて

 前回はSN軸とTF軸の二つに注目して2文字区切りのタイプ分類について考察した。NTやSFといった分類はその人物の興味を示すことが多く、様々なコンテンツをこの4分類法で議論することができるのである。

 今回は前回から少し変えて2番目と4番目に注目して4分類を実行してみよう。SP・SJ・NP・NJの4つの種類のカテゴリに16タイプをまとめるのである。

 この分類法は巷で言われる心理機能と一致している分類法である。SP・SJ・NP・NJはそれぞれSe・Si・Ne・Niに相当する。ただ、私は心理機能をあまり受け入れていないので、これらの心理機能の話はSPやらNJやらといった二文字区切りのタイプの特徴を述べただけと解釈している。

 さて、NTやNFといった分類がその人の興味を表しているとすれば、SPやNJといった分類はその人の振る舞い方を示している。では4つのタイプについて見ていこう。

SP型・・・享楽タイプ

 SP型は圧倒的に数が多い。全人口の半分前後を占めると思われる。SP型は基本的に享楽的だ。難しいことは考えず、今のこの瞬間を楽しんでいる。陽キャやパリピといった人々に必須の要素である。

 日本人から見た外国人のノンエリートの特徴はSP型そのものだろう。金には少しがめついが、楽観的で楽しいことが大好きだ。程よく楽しんで程よいところで人生を終える。哲学的なことは考えない。先のことを考えすぎる人間はしばしば精神を病んでしまうからだ。一言で言うなら「ケ・セラ・セラ」である。

 決して真面目とは言えないSP型だが、会社で見かける範囲内の人間を考えるとそこそこ適応できる人間が多い。S型は現実的で地に足がついている。青春時代はバカなことをしていても、社会人になるとしっかり働くものだと切り替えている人間が多い。ただし、堅物な仕事人間ではないため、仕事が終わるとモードを切り替えて楽しく会話してくれる人ばかりだ。

SJ型・・・堅実タイプ

 SJ型は真面目な堅物だ。特に主張はなく、ただ真面目な人々という感じである。決まった時間に起き、決まった時間に働き、決まった時間に寝る人たちだ。発言内容も極めて常識的で、新規のアイデアとかはない。質問をすれば想定問答のような答えが返ってくる。マシンのようにルーチンワークを実行する人たち、それがSJ型なのである。

 SJ型の社会人適性は極めて高い。ルーチンワークを繰り返してお金をもらって生活するというライフスタイルに極めて親和的だからだ。SJ型はアイデアがないので会社組織の言いなりになる人生にもストレスを感じにくい。note読者の大半にとっては羨ましいと同時に理解不能な人種だろうと思う。

 SJの人間は保守的で権威主義的だ。彼らは自分の経験してきた物事の外には出ようとしない。したがってSJ型の多い集団はムラ社会的であることが多い。ただし、その権威主義は上の人間を言うことを素直に受け入れるという意味での権威主義であり、NTの集団のようなドロドロした雰囲気は少ない。例えるならば自民党の世襲政治家ばかりが勝つ地方の農村選挙区である。

 SJが多い集団の特徴を端的に言うなら「謎ルール」が多いことかもしれない。彼らは細かい慣習が好きだし、それを守るのも好きだ。マインドが共鳴していることよりも行動で示すことを重んじる。したがって、SJ型が支配的な飲み会は無駄にマナーがうるさく、ただの儀式になってしまうことが多い。無駄ルールを廃止しようという発想には決してならないのがSJ型なのである。

NP型・・・自由人タイプ

 NP型は色々なものに興味を持ち、掘り下げるのが好きだ。博識なアイデアマン達であり、ユーモアのセンスもある。話していても無限に話題が湧いてくる人々だ。オタクとか凝り性と言われる人間の大半はNP型だろう。物事への考察を好み、それを表現するのも好きな人たちである。世間をあっと言わせるイノベーションを起こすのはNP型が多い。同様に「教員から外銀トレーダーに」など、人のマネできないようなフリーダムな転身に成功するのもNP型である。

 しかし、NP型は人生で苦労することが多い。というのもNP型の特性はサラリーマンと極めて相性が悪いからだ。クリエイティブな職種に就ける一握りの人間を除き、NP型は普通の会社員として人生を終えることになるだろう。こうなると、つまらない仕事に人生の黄金期を奪われている気分になるに違いない。打開策を探して転職するものもいるが、成功率は低い。

 NP型は自由奔放なので、体育会系組織との相性は非常に悪い。良くも悪しくも常識に囚われないし、組織に言われたことを無条件に実行することに苦痛を覚えるだろう。型にはまるのが極端に苦手な人々である。SP型が不真面目だけど愉快な奴として認識されるのに対し、NP型の好むノリは体育会系組織では許されない事が多い。悪気がなくても生意気と思われてしまうのである。

 SP型やSJ型はステレオタイプにハマる事が多い。10代のS型は10代らしく、50代のS型は50代らしい。この点でNP型はいつまで立っても子供のように自由奔放だ。NPにとっての年齢は肉体の劣化以上の意味は持たないのだ。

NJ型・・・信念タイプ

 NJ型は全タイプの中で一番少ない類型だ。おそらく全人口の一割もいないだろう。NJ型は複雑で自己開示をしないので、解釈が難しいタイプでもある。ただ、NJ型の特徴を言い表すとすれば「理想主義」だろう。

 理想主義という言葉の解釈は難しい。N型は総じて理想主義なのだが、それでもENFPのような人を巻き込むような理想もあれば、INTJのようにシビアで現実的な理想もある。したがって理想主義と言っても内容は様々なのだ。

 ただ、NP型とNJ型では理想に対する捉え方が異なる。NP型にとっての理想はアイデアの延長線上だ。したがってNP型は理想がコロコロ代わったり、一貫性がなかったりする。こうした気分屋的なところはNJから見るといい加減な人間に見えるだろう。NJ型は自分の描いた理想像を真摯に追求する人間であり、構築した自己像の隙間が見えることを非常に嫌がる人々だ。

 NJ型の人間を見ると、しばしば演劇のように見える時がある。自分の作った理想像を完璧に演じようとしているのだ。例えばENTJは能力主義的なので、常に自分の有能さのイメージに沿った行動をする。人前で自分の落ち度を開示することはない。常に完璧で隙のない人間を演じきるのだ。INFJでああれば、独特の人徳を持った理想主義者として振る舞うだろう。常に紳士的で、弱音を吐かず、自分の本心について吐露することはない。NJ型はストックな理想主義者なのだ。有名人で例えるなら羽生結弦である。

 NJの人間は体育会系適性がそこまで高くはない。確かに真面目に組織に従うのだが、人口の大半を占めるS型から見ると鼻に付くようだ。面従腹背に見えたり、中二病に見えたり、自己主張が強く見えたりするらしい。いずれもN型に特有の要素である。

 NJ型が強い組織は強い権威主義的傾向を見せることが多い。SJ型と一見似ているが、遥かに苛烈だ。NJ型は権威には従わないが、振りかざすのは好きだからだ。したがって異論を認めない高圧的な組織になりやすい。SJの集団が余所者嫌いの農村とすれば、NJの集団はソ連共産党や白い巨塔を思い浮かべれば良い。ただし、SJ型と違ってそこまで細かくないのは救いかもしれない。

まとめ

 2番めと4番目の文字に注目した今回の考察は、人間の振る舞い方にフォーカスした分類だろう。SP型は純粋に楽しく暮らしており、SJ型は真面目で堅実、NP型は地に足がつかない夢想家だ。NJ型は数が少ない上に理解が難しい。

 SN軸はおそらく一番価値観に影響を与える項目だが、詳しく考えると思考面と行動面に分けられる。思考面に注目すればN型は抽象的・想像的な興味を持つことが多く、S型は具体的・日常的な興味を持つことが多い。行動面に注目すればN型は革新的な行動が多く、S型は慣習や常識といったものに従う傾向が強い。思考面にフォーカスしたのがNT型やNF型といった分類であり、行動面にフォーカスしたのがNJ型やNP型といった分類とも言える。

 SJ型とNJ型は両方とも権威主義的だが、SJ型が従うのは慣習で、NJ型が従うのは思想だ。慣習は集団内部で共有されている事が多いが、思想は人それぞれである。したがってNJ型の組織は必然的に緊張関係をはらむ。

 SP型とNP型はどちらも自由に生きたい人たちだ。ただし、SP型が単に遊び好きという範囲内なのに対し、NPは既存の慣習や常識を打ち破るような行動を好む。したがってNP型は集団や組織といった存在と極めて相性が悪い。ESFPはどこに行っても人気者だが、ENFPはしばしば空気が読めない人間と扱われるのがいい例だろう。

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