【書評】夜と霧

コミュニティの方々から推し本を紹介して頂き、それらの本を読んでいこうということで、まず1冊目を読み終えた。

本書は、アウシュビッツ収容所での生活を記したものだが、その絶望的な生活を通して変化する人々の精神状態(心理学)に焦点を当てたところが、歴史を学ぶだけではない1冊の書籍としての価値を感じた。
(ちなみに映画などではグロテスクなものは苦手で絶対見たくないのだが、描写に対して読むのが辛いとは思わなかった。むしろ冷静に読むことができた。)

人間は地獄としか言えない、極限の状態を迎えた時、どのような心理状態になるのか。決して自分を重ねることはできなかったが、自分なりの想像の中で、考えを巡らせることができた。1つ挙げるとすると、被収容者はこの絶望的な状況がいつまで続くのか、いつ終わりを迎えるのか、全く先が見えなかった。この苦しみに終わりが見えないことで、生きる希望を見出すことは相当困難であったと思う。

苦しさの比較にもならない自分の話をしてしまうが、陸上競技の練習で、最近、怪我をしてしまった。試合が近づいているにも関わらず、全力で走れず、調子に手ごたえを感じていただけに気持ちが落ちた。怪我には色々あるが、いつ治るか、またはいつ本調子になれるかが分からないときは不安だ。先が見えないときに、いかに希望を見出すことができるか、先が見えなくても「これからどうするか」を考えられるか。これからの人生で、長期的な困難を迎えたとしても、希望を持ち続けて、強く生きていたいと思った。

私の読解力不足で、読み取り切れないところが多々あったが、生きることの本質を考えることができた。恵まれた現代で生活できることに感謝し、最高の人生だったといえるように、全力で生きていこう!

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