7年ぶりの再会

北海道に行った。

7年ぶりに会う友達のところには二人の元気な子供がいて、朝は早ければ6:30から腹の上に乗っかってくる。

優しくも厳しくもない私の子守は、子どもたちの目にどう映ったのか。

まっさらな子供は白紙の画用紙のようで、私は色塗りする前に何を描くか決めなくてはいけない気になっていた。


大人という存在を信じている2人に私が教えた嘘は持ってきたヘッドマッサージャーが女の子だということ。


男の子か女の子かを決めたがる。

どっちのカードが強いのか決めたがる。

何を着るのか決めたがる。

決まりごとは嫌いではないようだ。


祭りの日、私一人で子守は不安だと話すと、彼女のお母さんも登場した。

お母さんは夜、大好きなお酒を飲みながらこっそり私に言った。

孫より可愛いのは自分の娘だ、と。

 

帰路、私の友人は空港で見えなくなるまで見送ってくれた。

もともと、そういうところのある人ではあったのだけど。

お母さんになったんだな、とつくづく思う。

髪の生え際から、爪の先まで、母という細胞になった彼女は同じ人なのに、以前と同じではなくなっていた。

見た目の話ではない。

細胞のその一つ一つが太くなったような、重くなったような、そんな違いを感じた。


何を描くか悩んだまっさらな画用紙には、みんながドタバタ走り回った足跡だけが残っている。


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