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さよならカプセルタワービル②

2022年4月12日からついに中銀カプセルタワービルの解体が始まった。
解体前に行かねばと思いつつも、行くタイミングを逃し続けていた。
解体開始のニュースを見て、4/13に慌てて訪れた。

《前回記事はこちら》

まずは腹ごしらえ。
銀座一丁目駅からほど近い商業ビル銀座ベルビア館のレストランフロアに上がる。
ここは、ランチカレービュッフェの人気店ニルワナムや本場水炊きが食べられる博多 華味鳥など名店ぞろいだ。

そのなかで本日は、博多ほたる 銀座店に入る。
博多ほたるは福岡に数店舗ある居酒屋で、福岡だとそこそこリーズナブルに海鮮が食べられる人気店。
ただ、福岡の他の店が東京進出するときに言えることだが、東京だと高級店に変貌してしまうのがちょっぴり残念なところ。

注文は胡麻カンパチ定食に単品でチキン南蛮2個。
ちなみにチキン南蛮定食にミニ胡麻カンパチを単品で取ることもできるので、どっちをメインにするか、その日の気分で決められるのが嬉しい。

定食の味噌汁が豚汁だと嬉しいですよね。
胡麻カンパチ。幸せな一皿。

福岡名物は胡麻サバですが、アニサキスのせいもあり、東京だと生サバに出会うことは稀。
でも、カンパチでも旨いんです。
醤油誰と胡麻、そこにたっぷりワサビを塗って食べる。
バクバクと御飯が進む。
たまに刺身で白米を食べられないなんて意見を聞きますが、
刺身って白米進みますよね?

甘酢ダレとタルタルソースのマッチングを考えた人はホント天才。

後から遅れて揚げたてアツアツのチキン南蛮が登場。
こちらでもバクバク米が進み、ご飯をおかわり。
大満足なランチとなった。

博多ほたるを後にして、カプセルタワービルに向かう。
銀座一丁目駅は銀座の北端で、カプセルタワービルは南端にあるので、
約1キロ、15分ほど歩く。

首都高の下をくぐる横断歩道を渡り、新橋側のデッキへ行くと最後の姿を一目見ようとする人たちが数人ほどいた。

首都高をくぐるアップダウンがある歩道橋

まだ解体工事二日目ということもあり、足場を組み始めたばかりで、全貌を確認できた。
いくつもの独立したカプセルからなる集合体。この特異な風景が見られなくなるのは残念だ。

ビルの足元に向かうと、こちらにも写真を撮る人たちがひっきりなしに訪れていた。

1,2階部分の足場作業中
save Nakagin
カプセル用送水口という聞きなれない単語も失われる。

既に隣接していた建物は解体が終わっており、繋がっていた低層部分は露わになっていた。

隣のビルと繋がっていたなんて知らなかった。

建物にはどうしても寿命があるし、カプセルタワービルについてはアスベストが使われているなどの問題も抱えていた。
その中で、取り壊しというのは仕方ない側面もある。
幸いにもカプセルタワービルは取り外し可能なカプセルという点が幸いして、一部のカプセルは保存されるという。

戦後建てられた巨大なビルやホールなどは築50年を超えはじめ、保存か活用かという議論が多く出始めている。例えば、前川國男の東京海上日動ビル本館など。
これらの巨大建築は、移築が比較的しやすすかったり、ファザードだけ残すといったことが可能な近代建築とは違って、その形が残されることは難しいかもしれない。
例えば、大手町プレイスのように、元々あった逓信ビル(逓信建築)の意匠を承継したデザインを取り入れるみたいな残し方など、本当に優れたデザインであれば、何とかそれを受け継ぐ方法を検討してくれたらいいなと思う。


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