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2020.9.11~12ぎょうざの満州温泉旅

「3割うまい!!」という意味はピンとこないが、一度聴いたら忘れないキャッチコピー。
「片手に餃子の皿、もう片手を3ピースしている女の子のキャラクター」。

中華チェーン「ぎょうざの満州」を説明するのに必要なのは、この2つである。
東京の西側~埼玉エリアにかけて、電車でいうとJR中央線・西武線・東武東上線沿線には大量にあるが、それ以外の地域にはあまり見かけない。
(最近では関西にも出店するなど拡大傾向。)

なので、見たことも聞いたこともない人は多いかもしれないが、練馬区で生まれ、埼玉県和光市で暮らす自分にとってはなじみ深い中華チェーンだ。
(西武線沿線の中華チェーンといえば「福しん」も忘れてはならないが)

そんなローカル中華チェーンぎょうざの満州、実は群馬県で温泉旅館「東明館」を経営している。
ぎょうざの満州好きが聖地巡礼するからなのか、リーズナブルな価格だからか、予約が取りにくい人気旅館である。
今回、コロナの影響か、運よく予約ができので宿泊してきた。

和光市から比較的近場であるため、ゆっくりめの出発。関越自動車道で、赤城ICで降りる。利根川に沿って国道17号を北上する。昨晩、上流の水上地域が大雨洪水警報が出ていたせいか、水量が多く濁流だ。
昼前に目的地である永井食堂につく。辺鄙な立地でありながら、行列のできるもつ煮込みが人気の食堂だ。
店の外で4名ほど並んでいたが、自分たちが並んだ以降は途切れなく人が訪れ、常に10人以上並んでいる状態だった。


順番が近づくと店内の女将から、メニューを聞かれる。
「もつ煮込み定食の大」と頼むと、ジェスチャー付きでヤマ?タイラ?と聞かれる。
この店ではご飯の量が選べ、茶碗山盛りのヤマか、摺り切りのタイラかを聞かれているのだ(更に少ないレディースも注文可能)。
もちろん注文は「ヤマ」。
前に並んでいた学生と思われる二人組は「朝しっかり食べたからなぁ」と量にビビってか予防線を張っていた。

席に通されると10秒たらずで、もつ煮込み定食が提供される。カウンターのみの狭い店内なので、「お盆は縦向きで」と注意事項が言われる。

もつ煮込み定食は590円、もつ煮大盛りにしてにしても770円とリーズナブル。
モツは普段に入ってご飯と合う。レンゲで汁も飲みながらバランスよく食べ進めたが、それでもご飯のほうが先になくなってしまう。うまい。
(大半のお客がモツ煮込みを頼むが、厚揚げハンバーグを頼む人もいてそちらも気になる)

食後は沼田市街地に向かう。街の中心部には2つの近代建築(現在もう一棟移築中)が建ち並ぶ。
旧沼田貯蓄銀行は、明治時代に建てられた擬洋風建築である。
無料で入れるのだが、受付の人すらいない無人状態。中に入ると画面の前に立つと検温できる最新の体温計が置かれていた。古い建物と最新の機器というアンバランス感が不思議な感じである。

土岐家住宅は、ドイツ風の洒落た洋館。こちらは110円で見学可能で、受付で検温され、緊急時の連絡先を書かされる。
外観とは裏腹に二階は畳の部屋が中心で、ギャップがあった。

中心市街地ではあるが、活気はあまりない。老舗の焼きまんじゅう屋まで歩き、焼きまんじゅうをテイクアウトする。


車に戻ってパックを開けると、味噌の香りが車内に充満する。ふかふかのパンに味噌がたっぷり塗られている感じで、甘じょっぱくてうまい。あんこ入り焼きまんじゅうもあるらしく、今度はそっちもチャレンジしたくなる。

天狗寺として知られる迦葉山弥勒寺に向かう道中、なめこ汁サービスという看板に惹かれ、なめこセンターという物産店に立ち寄る。
店内に入るとお椀でなめこの味噌汁が提供される。紙コップに少し入れてくるのかと想像していたから、太っ腹で驚いた。そして、これがめちゃくちゃうまい。店内には味噌やなめこが売られており、釣られて買いそうになるが、今晩は泊まりなので断念。他にも、舞茸などのキノコや土産物が売られていた。

弥勒寺は山の中腹にあり、曲がりくねった山道を車で登る。
狛犬もいたが、狛天狗が出迎えてくれる。拝殿に入ると大量の天狗面が置かれていて、中には高さ6mはあろうかという巨大な天狗面もあり、異様な光景だ。

こちらの寺では参拝したときに小さな天狗面と置かれている小銭を持ち帰ると、それが元でお金が増えるという。ただし、翌年に参拝したときは持ち帰った小銭の倍は納めよという誰が儲かるのかよく分からないルールがあるそうだ(天狗面は、返納してより大きい天狗面を持ち帰るというのを繰り返すとのこと)。
さらに山奥には奥の院もあるそうだが、気軽に歩いて行ける距離ではなさそうだったので、断念する。

旅館に向かう途中、永井酒造の蔵に併設されたお店で、ひやおろしとお猪口を購入する。
老神温泉は古びた温泉街で、大型旅館は古ぼけた印象を受ける。オレンジ色のつり橋を渡ると、東明館が現れる。
こじんまりとしていて、外観はこちらも古い印象を受けるが、10年ほど前にリニューアルしているようで、建物内はきれいだ。

最初にフロントで会計。1泊朝食付2名で13200円。受付の人にGoToトラベルが適用になりますと言われ、会計は8780円と格安。
フロントで作務衣が渡されるが、ここにもランちゃんのイラストが描かれていてテンションが上がる。
部屋は3階。部屋やトイレもきれいである。窓の外を見ると崖下20mあたりに川が見え、景色もなかなか良い(向かいのホテルはボロいが・・・)。
布団は自分で敷く必要があるが、格安なので仕方がない。

夕食前に大浴場に入りに行くことにする。大浴場のある1階には卓球台もあり、無料で利用可能のようだ。源泉かけ流しの単純硫黄泉で、硫化水素臭がかなり漂う。露天風呂に入るが、なかなか温度が暑いので、ほぼ半身浴状態。切り傷に効くということで、切れかかった唇の端に湯をたくさん擦り込んでおく。

湯上りの夕食は、館内にあるぎょうざの満州。温泉旅館なので和食が食べたくなるが、中華である。
普段ぎょうざの満州に行くと定食ばかりだが、今夜は飲みながらつまむ居酒屋利用。普段はセットの焼き餃子ばかりで、初めて水餃子を頼んでみる。飲み物は地酒の水芭蕉という日本酒。先ほど寄った永井酒造の銘柄だ。この店舗にしかないメニューもあり、その一つぬか漬けを頼むことにした(エビチリも限定メニューである)。締めには期間限定のつけ麺。
会計時にレジ近くにあった、ランちゃんがイラストされた小鉢とぎょうざの満州同人誌を購入する。

食後にもう一度、温泉に入り早めに就寝する(テレビ画面が小さいすぎるのは数少ないマイナスポイント)。

翌朝、食事前に温泉に入ることにする。露天風呂へ行くとなんと湯舟が真っ青である。昨晩は無色透明だったし、脱衣所の成分表も無色透明と書いてあるのに、不思議である。気温など条件が重なると色が変わるのだろうか。

朝食は、温玉や味ノリなどザ旅館の朝食ながら、中華っぽいメニューやみそポテトなどバラエティに富んでいた。ご飯は、白米とお粥以外に、地元産マイタケの炊き込みご飯があり、朝からお代わりをしてしまった。
デザートにニンジン入りキャロットゼリー。これも普段ぎょうざの満州に行って頼むことはないメニューなので、ちょっぴり嬉しい。まあ、味は普通だった。

昨日と違って、この日は曇天で雨が降りそうである。
まずは、吹割の滝に向かう。無料と謳いながらお土産屋で買い物しないと無料にならない駐車場もあるとネットに出てくるなか、完全無料とHPに書かれている伽羅苑さんの駐車場に停める。地下道を抜けて、川のほうへと階段を降りていく。

前夜も多少雨が降っていたので、水量を期待していたのに、予想に反して穏やかな流れだった。
上から眺める観瀑台コースと川沿いを進むコースに分かれていた。観瀑台コースは結構距離がありそうなので、川沿いを選ぶ。吹割の滝に近づけるのは、川沿いのコースである。

滝のギリギリまで進めるようになっているが、水量が少なく思ったほどの迫力はなかった。

流れに沿って、下流方面へと続く遊歩道を進むともう一つの滝(鱒飛の滝)がある。その近くの階段を上って戻るのだが、その途中では朝採れ野菜や土産物を売る年季の入った店が立ち並ぶ。
駐車場に戻り、お土産屋を覗く。地元産リンゴを使ったアップルパイが売りのようで、実家への土産に購入する。レジ近くで賞味期限が近いアップルパイが値引きされていたので、自宅用にも購入。シナモンを使ってないので、リンゴの味がしっかりと効いていた美味しかった。

「道の駅川場田園プラザ」は、関東でも屈指の人気を誇る道の駅だ。11時頃なのに、駐車場にはたくさんの車が停まっていた。群馬県内ナンバー以外にも新潟方面のナンバーも多く見られた。群馬でもここら辺になると、新潟とのつながりが強いようだ。

直売所だけでなく、パン屋やコーヒー屋、複数のレストランなど様々な施設が併設されており、一日遊べる道の駅なんて言われたりもするようだ。
パン屋「田園プラザベーカリー」では、米粉と大和芋を練り込んだふわとろ食パンが人気なようで、そちらを購入。「ミート工房」で、ハムとソーセージの盛り合わせを買って、屋外のテラス席で食べる。ふわとろ食パンは最近はやりの高級食パンよろしく、手でちぎって食べる。ふわっとしていて美味しく、ソーセージとの相性も抜群だ。
他にも「KAWABA CHEESE」では、チーズ三種盛りやを食べたり、帰りの運転用にコーヒー屋をテイクアウトする。直売所で地のモノや野菜を物色する。コンニャクやチーズ、野菜を購入。

キノコなども気になるが昨日のなめこセンターで飲んだなめこ汁を思い出し、再び立ち寄ることにする。
道の駅を出るとちょうど雨が降り出し、なめこセンターにつく頃には土砂降りになっていた。雨宿りがてら立ち寄ったであろう人々で店内は賑わっていた。冷凍可能ということで大量のなめこ(3袋まとめ買いすると安い)と味噌を購入。まだ13時過ぎではあったが、帰路に就いた。

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