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ルチアがルチアとして生まれ変わる瞬間〜死の淵から自分を取り戻すまでのライフストーリー26〜

第26話 ナターシャの救出

長期講座を2回、1年1ヶ月自分を癒すことに専念した。
その集大成とも言える最終日のワークは、過去生とつながるワークだった。
長い瞑想を横になって聴いいていると、鮮やかな景色が浮かんできた。
茶色い土と土埃、荷馬車に乗せられて何処かに連れて行かれる様子。
悲痛な表情で今にも泣き出しそうな若い女性・・・
その後、石造の牢屋のような所に閉じめ込められている景色が浮かんだ。
息苦しくて、背筋が凍るような感覚、絶望と困惑した感じがした。

瞑想が終わり、テキストでは本人がその過去生になって仲間に共感してもらう。筈だった。それが、私の瞑想で見えた景色を話すとくみくみの洞察で仲間に過去生になってもらって私が共感する。ことになった。
私の中では「こんな辛い過去生を他の人に頼むなんて申し訳ない。危険だ。」そんな思いが頭を駆け巡った。だけど、仲間とは半年全てを曝け出して本気でお互い自分と向き合ってきた。そんな仲間を信頼して託した。

仲間にその浮かんできた過去生を手渡す。
その過去生の名は『ナターシャ』27歳くらいの女性だった。何者かに連れ去られて真っ暗でじっとりと湿ったナターシャは、憔悴して絶望していた。何が起こっているのか分からず、恐怖と不安で泣き崩れていた。
最初は、イメージカードを使って共感しながらサポートカードを連れてこようとしたけれど、こちらを恨めしそうに見つめている。何かが違う。これじゃない・・・
その時くみくみが言った。
「ルチア自身がナターシャを助けてあげて。その牢獄から出してあげて。」と・・・
私も同じタイミングで同じことを考えていたので、すかさずナターシャを救出に向かった。
イメージの中で牢屋の鍵を開けて扉を開いた。
腰が向けて動けないナターシャの後ろから抱き上げて引き摺り出した。ナターシャになった仲間は本当に腰が抜けて動けなかった。私自身が助けることでナターシャは解放された。
解放された安堵感からナターシャは大声をあげて泣きじゃくった。それを私はしっかりと抱きしめた。
「もう大丈夫だよ。安心して。」背中をさすりながらしばらくナターシャが泣き止むのを待った。そして、安心したナターシャは天に昇って行った。

月島の会場の1室が3000年くらい前の古城の牢獄に見えた。
私の中でいつも感じていた、孤独感、絶望感、悲壮感、気怠さなどここからきていたことを時間が経つとともに味わっていった。
そして、心の奥で閉じ込められていた何かが解放されていった。

ナターシャになってくれた仲間はぐったりと疲れていた。
後から聞いた話だが、その後1週間くらい体調不良が続いたそうだ。
そのような過酷なワークを引き受けてくれて全身全霊で向き合ってくれた仲間に感謝と信頼、深い愛で満たされて涙が止まらなかった。

まるで、壮大な映画を見ているかのような体験で、あれから2年以上たった今でも鮮明に脳裏に焼きついている。

このナターシャが私に伝えたかったことは何だったのだろう・・・
それが私のこの人生での大きな課題であることは明らかだった。
そのメッセージを受け取って、乗り越えていく必要がある。

                           次回へ続く


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