電気自動車を選ぶということ

半導体不足の渦に見事にはまり、私の電気自動車計画は大きな変更を余儀なくされた。
日産リーフを本命に据えていたが、ちょうどテスラのモデル3大幅値下げが発表された事もあり、その他の電気自動車へも食指が動く。

しかし調べるとモデル3、確かに車両は安いが白以外の色に10万、オートパイロット的な機能に100万近い金額が必要になる事を知ったので諦めた。
この点は自動車メディアにもっと触れてほしい。

次に見つけた電気自動車が、発売間もないプジョーのe208である。
ベースグレードとなるアリュールの価格は車格の違いはあれどリーフより安価であり、電気自動車のみに適用の特別金利と合わせてかなり魅力的なモデルであったので、これはかなり熱心に購入を検討した。
何より評価したいのは、GAFAが放つナビゲーションアプリの前にもはや虫の息の国産カーナビ(笑)がオプションとなっている事だ(結果として購入を決めたリーフにも昭和の香り漂うカーナビが装着されているが、これはオペレーターによる案内を使う為に付いている物だと解釈している)。

正直なところ、この先どんな構造改革が起ころうと国産カーナビが再び覇権を握る事はないので、メーカーはディスプレイオーディオさえ付けてくれればそれでいい。
余談ながら、最近のトヨタのディーラーオプションナビはCarPlayやAndroidオートに対応していないモデルが多いようで衝撃を受けた。

e208、カーナビがオプションなのは素晴らしく評価できる。
しかしその他の装備、特に私が重視する運転支援システムや安全監視システムはどうかと言うと、前車追従式クルーズコントロール以外、現車である5年もののエクストレイルと大差ない。

その事に気づいた時、電気自動車を電気自動車たらしめる物とは何なのか?という哲学的な疑問が湧いた。
私が欲しい電気自動車は電気で走ればそれでいいのか。e208は内燃機関モデルと電動モデルを同一プラットフォームで開発したというが、それは車両価格が130万円高い代わりに維持費が安いだけの車である事を意味する。

テスラが作るモデルは全て最初から電気自動車として開発され、内燃機関の搭載は考慮されていない。
日産リーフも電気自動車専用モデルである。
リーフは専用モデルでありながらそう感じさせない見た目なのは残念だが、内燃機関を搭載できない事は事実だ。

些細なこだわりかも知れないが「電動専用であること」が、私にとって電気自動車を選択する大きな動機となった。

などと大層なことを書きながら、実のところe208を排除した最大の理由は「次男の自転車がラゲッジに乗らない」「日産は自宅電源の工事費を補塡してくれる」である事は内緒にしておきたい。

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