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心震わせる体験、とは何か。

忘れられない試合がある。
ヤンマースタジアム、87分、中村北斗のゴール。意識が飛ぶほどの歓喜。知らぬ者同士で抱き合ったのち、寒々とした冬の夜であることを思い出す。

忘れられないライブがある。
新木場STUDIO COAST、GRAPEVINE。アンコールの「here」。東日本大震災直後というタイミングだからこその特別な一曲に、涙が止まらなかった。


巷ではあまり言われることがないように思うが、「スポーツ観戦好き」と「音楽ライブ好き」に通ずることは多い。

数千人、数万人の一体感。
何が起こるのかというワクワク、ドキドキ。
間近に観る選手やアーティスト。
その息遣い、一挙手一投足。
(ただし、終了後に演者に暴言を飛ばすのはスポーツ特有のものかもしれないが…)

時代は進み、スポーツも音楽もバーチャルで体験出来るようになった。
ただし、本当の意味での"体験"は、現地にいることでしか叶わない。忘れられない試合、忘れられないライブは平面ではなく立体的に記憶に深く刻み込まれる。

ふと、自分はなぜ試合に負けても負けても現地に足を運び声援を送るのか考えることがある。
それはきっと、その場その瞬間でしか感じられないことを五感が欲しているから。

ところで、今日は12月24日。
フジファブリックの志村正彦の命日であり、急逝から10年が経ったことになる。残念ながら、彼の音楽を生で体験することは叶わなかった。逃すべきではないものが、たくさんある。

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