金正日伝

 金正日、字(あざな)は将軍、朝鮮の人なり。独裁を以て名を知らる。数千万に※1領導す。正日は短気なり。曾(かつ)て昼日仮臥(かが)す。人民私(ひそか)に之を嘲りて曰く「金将軍、腹※2便便(べんべん)たり。政治を懶(おこたり)て但(た)だ眠らんと欲す」と。正日潜(ひそ)かに之を聞き、時に応じて対(こた)へて曰く「※3正は母たり、日は父たり。腹の便便(べんべん)たるは、※4防弾の鎧なればなり。但(た)だ眠らんと欲すとは※5母の事を思えばなり。寐(い)ねて正淑と夢に通じ、静(いこ)ひて日成と意を同じうす。※6長にして嘲るべしとは、何(いづ)れの法律に出づるや」と。嘲る者大いに刑せらる。正日之才捷なること、皆此の類なり。

※1領導―統率して指導すること。
※2便便―肥満のさま。当時は飢餓の真っ最中だった。
※3「正日」の名は母の金正淑の「正」と、父の金日成の「日」からとられている。つまり金正日は、自分は由緒正しい家柄なのだと主張している。
※4金正日は暗殺を恐れていた。
※5金正日の母である金正淑は、金正日が七歳の時に亡くなっている。
※6金正日は国防委員長であった。

2008/04/21

コンテンツ等一覧
https://note.com/luadsix/n/ne1c3c74fcf79
Twitterアカウント
https://twitter.com/luadsix

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?