恋愛で人は生まれ変われるのか(ドラマ「星降る夜に」感想)

今回は恋愛ドラマの感想文です。
吉高由里子さんと北村匠海さんの出演です。

吉高由里子さん演じる、大学病院をとある過去で追われたことがある産婦人科医、雪宮鈴(ゆきみやすず)と、明るくて自信満々の遺品整理士、柊一星(ひいらぎいっせい)が、星降る夜に出会い恋に落ちる物語となっています。
ちなみに柊一星は耳が聞こえず、音のない世界を生きています。

鈴と一星の職業からも分かるように、「生と死」をテーマのひとつとしており、キャッチコピーは「恋で人は生まれ変わる」となっています。

まず、このドラマを観てああ、すごい、と思ったのは、「生と死」という重いテーマにしっかり恋愛物語を組み込んでいることです。
産婦人科医・遺品整理士・耳が聞こえない・10歳差、とそれだけでも1つのドラマができそうなくらい設定がありますが、これらが恋愛ドラマを成立させるだけの要素として使われていません。
けれど、しっかり恋愛ドラマのロマンチックさもあります。(ちゃんとキュン!がある!!)
登場人物の名前も、素敵です。鈴、一星、北斗、桜、深夜…など。思わず、手話を覚えたくなります。※詳しくは、公式サイトを参照ください。

印象に残っているシーンがあります。
バレンタインの夜、星を2人で見ながら、一星と鈴が生死観について話すシーンです。
鈴は、産婦人科医として、日々命が生まれる現場に立っているが、一方で壁一枚隔てて死産もある。その狭間で私たち医者は何もできない、と。
それに対して一星は、遺品整理士をやっていると、死は生の延長線上にあるのではないかと答える。大切な人の死で、多くの人が戸惑ってしまうけれども。だからこそ、いつ死んでも後悔しないように、自分は鈴が好きだと伝え続ける、と。

確かに、私たちは気づかないけれども、いつも死はすぐ隣にあって、当たり前のように明日が来るとは限りません。
そこに生きることの尊さと儚さの全てが詰まっているような気がします。だからこそ、大切な人がいるのであれば、まっすぐ思いを伝える。一星らしい、真っ直ぐ心にささる言葉だなと感じました。
星空の下、というのがまたその美しさを際立たせてすごく素敵なシーンになっているんですよね。

また、「恋で人は生まれ変わる」というキャッチコピーですが、話数を進めていくごとに、説得力を増していきます。
一星の生命力というのでしょうか、(本当に北村匠海さんの演技もすごいなと思うのですが、)チャーミングで真っ直ぐで、愛に溢れているキャラクターが、鈴を癒し、救っていきます。
なんというか、とにかく良い。本当観てほしい。


このドラマに出てくる人々は大小関わらず、傷を抱えています。その人々が、少しでも癒されますようにと、祈りが込められたドラマでもあると思います。

誰か大切な人と綺麗な星空を見上げたくなるようなドラマです。

もっと書きたいことがあるのですが、まだ私の文章力では表現しきれず…もどかしい思いです。
まずは3話まで観ていただけると、いいかなと思います。

拙文、読んでいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,558件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?