軽やかで自由な姉ちゃんの哲学(「僕の姉ちゃん」益田ミリ著 感想)

本の紹介です。
今回は、益田ミリさん著、「僕の姉ちゃん」です。

社会人1年目の僕と、ベテランOLの姉ちゃんのほんの束の間の二人暮らしのお話です。

少しで気弱でいわゆる平凡な弟に、姉ちゃんが独自の哲学を語る漫画となっています。

ここで語られる姉ちゃんの哲学は、自由で軽やか、けれど何故だか納得してしまうもので、人生のちょっとしたスパイスのようです。
読んだ後は何故だか少し、人生って案外悪くないのかもなって思えます。

姉ちゃんの好きなセリフの引用を少し。

あたし、思うわけ
自分がどう生きたいかは声高にバシッと言うんじゃかえって弱いの
コツコツ言いつづけるほうが、結局丈夫に育っていくのよ
p71
「無印良品」ってさー
用がなくても入っちゃうんだよね〜
あの店で使ったお金でマンション買えたりして
p77
明日、世界が滅びるとしたら最後に何食べたい?
って質問にご飯とみそ汁って答える男はまだアリだけど
最高にうまいご飯とみそ汁とかいう男とは、付き合いたくない
p49
「姉ちゃんの一番好きな言葉は?」(弟セリフ)
「お土産」?
p19

論理もないし、法則もない。けれど、姉ちゃんの中には姉ちゃんを形づくる何かがあって、それがこの独自の哲学の元なのかもしれない、と弟はなんとなく思って、最後終わります。

例えば洗濯物を干すとき、この人はタオルと洋服は分けそうだな、とかあの人はパーカーの干し方独特そうだなとか、思い浮かべることってあると思います。そう思い浮かべるのって、言葉にはできないなにかがその人を形作っているからなのかなって思ったり。
また、すこし深い話すなると、この人なら自分の繊細な部分を話してもバカにしないだろうなとか思ったり。
その人のなんてことない、一貫性のない行動が、人格を作っているのだと気付きました。

弟は、姉ちゃんの行動や言動を見て、「まっとうさ」を感じます。
「まっとうさ」という言葉が私は刺さりました。
その人をその人たらしめる「まっとうさ」きっとそれぞれあるんだろうなあ…。

そんな独自の姉ちゃんのまっとうさをなんとなく感じると、不思議とわたしも心が軽くなります。
自分では分からないけど、きっと自分独自の「まっとうさ」に基づいて生きてるんじゃないかなと思えるからです。

人生には軽やかさと、自由さと、独自の「まっとうさ」が必要なのかもしれませんね。

この本はシリーズ化しており、さらにドラマ化もしております。
こちらもおすすめです。


ほんのちょっと、人生って悪くないなって思えた本でした。

うーん、好きな本を思ったことを言葉にするって難しい!!

拙文、読んでくださりありがとうございました。

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