コント「訪問者」

(舞台は男子大学生が一人暮らしをしているアパートの部屋。ゲームをしている男子大学生。)

(携帯の通知音)

大学生:「お、けんじもうすぐ着くか。」

(ピンポンが鳴る)

大学生:「空いてるよー。」

(すると、包丁を持った男が入ってくる。)

男:「おい!」

大学生:「えっ?」

(不審に思った大学生は恐る恐る玄関の方に行く。)

男:「この部屋には何人だ!?」

(びくびくしながら玄関の方に進み、男と鉢合わせた。恐怖で声も出せず固まる大学生。)

男:「へっ、バカが。出ちまったな。おいお前、この部屋には何人いるんだ?」

大学生:「…」

男:「何人いるかっつってんだ!?」

大学生:「ぼ、、、ぼく一人です。」

男:「ケッ。一匹かしょうもない。まあいい。どちらにしろここでお前は死ぬんだよ。」

大学生:「ま、、まて!まてよ。誰だ。誰なんだ!」

男:「俺か?俺はこの世に絶望した男さ。俺はな、お前らみたいな、将来があるキラキラした若者が憎いんだよ。」

大学生:「やばい、、あいつが危ない!」

男:「あいつ?この近くにもう一匹ネズミが来るのかな?」

大学生:「いやあ、いいねえ。」

男:「いいね?」

大学生:「いやいいよ。だいぶ腕上げたじゃん。」

男:「は?」

大学生:「あ、ごめん途中で。続けるね。」「あいつだけは見逃してやって…」

男:「待て待て待ておい。」

大学生:「え?」

男:「なんだお前。」

大学生:「なんだって。いつもやってるじゃんけんじ。」

男:「は?けんじ?」

大学生:「お前がいつも家来るときやるだろ?これ」

男:「え、お前友達といつもこんなノリやってんの!?」

大学生:「やってんじゃんって。ほら続きやるよ?」「あいつだけは…」

男:「おい待てって!?」

大学生:「なに?あ、あれ?けんじじゃない?」

男:「今更かよ!」

大学生:「違えのかよ。なんて紛らわしいことしてくんだよ!」

男:「お前らがなんてノリしてんだよ!」

大学生:「見た目もそっくりだし、セリフも動きも全部一緒だったんだぞおまえ。」

男:「恥ずかしいな!なんか。ミラクルすぎるだろなあ。」

大学生:「なんだよ。せっかく昨日より上手くなったと思ったのによ。」

男:「昨日もやってたのかよ。なんだこいつ。」

大学生:「アドリブも効くなあって思ってたしさ。」

男:「全部アドリブだわ俺からしたら。」

大学生:「えっ、そういえば、けんじじゃないってことは、、ま、まさか本物の殺人鬼!?」

男:「へっ、やっと気づいたか。鈍感極みまくってて手間かかったがここがお前の墓場だ。」

(ピンポンが鳴る。)

男:「くっ。誰か来たか。」

大学生:「空いてるよー。」

男:「空いてるよーじゃねえよ。パニくれお前はもうちょっと。」

(包丁を持った坊主の男(けんじ)が入ってくる。)
けんじ:「お、おい、この部屋には何人いるんだー」

男:「おい見た目全然違えじゃねえかよ。こいつけんじ?」

大学生:「はい。」

男:「なんでこれと俺を間違えれたんだよ。」

けんじ:「へっ、バ、バカが。で、で、出ちまったなあ。」

男:「下手だなこいつそんで。」

けんじ:「この部屋には何人いるんだ?」

大学生:「ぼ、、、ぼく一人です。」

男:「なんでこの状況で芝居出来んだお前も。」

けんじ:「ケーーーーッ、一匹かしょうもねえ。」

男:「化け物みたいな声出てたぞ。」

けんじ:「お前にはここで死んでもらう!」

大学生:「ま、、まて!まてよ、お前は誰なんだ!」

男:「ほんとにいつもやってんだなこのノリ。」

けんじ:「俺か?俺はこの世にエルボーした男さ。」

男:「どんな間違え方だよ。なんだこの世にエルボーって。」

けんじ:「おれは、、おれは、なんだっけ?」

男:「忘れてんじゃねえかよ。」

大学生:「すみません、さっき何て言ってましたっけ?」

男:「聞いてくんな!覚えてねえよ。そんなこと。埒あかねえ。とりあえずお前らこれで気絶してろ!」

大学生:「ゲッ、スタンガンか!

大学生&けんじ:「やっ、やめろー!」

(男、両ポケットからスタンガンを取り出す、、と見せかけてコントローラーを2台出す。)

男:「ほらよ。早くゲームしようぜ。」

大学生:「おっけい。毎日やるけど本当飽きねえなこのノリ。」

けんじ:「やっぱこいつんち来たらこれやんねえと落ち着かねえよな!」

(ピンポンが鳴る。)

全員:「空いてるよー」
→終了。

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