新卒で入社した会社の話④

業務も少しずつではあるが、色々とできるようになってきた。

得意先からの電話を受けて、注文をし、配送係へ伝達して持っていってもらう。

そんなある日の夕方だった。

いつも通り、私以外のメンバーが雑談に花を咲かせている時、電話がなった。

私しか出ないんだろうなと思って、電話に出る。
電話で聞いたものを発注し、伝票を作成し、配送係に持っていってもらう。

その発注作業の時に、一瞬戸惑う瞬間があった。
お客さまから言われている、錠剤の数量が100錠入りと言われたが、普段出ているものは50錠。

ここで椎村に確認すればよかったのだろうが、あまりにも盛り上がっていたため、空気を壊すのが怖くて得意先に言われた通りで発注をした。

業務終了10分前、先ほどの得意先から電話。

椎村が電話に出た。

錠剤の数がいつものと違っていたとのこと。。

結構お客さんは怒っている。

あー、空気壊してでも椎村に聞いてみればよかった。

椎村が一応課長にも報告しておくね、と私にいう。はいしか言えない。

そこから椎村の説教が始まる。少しでも違和感を感じたら絶対に確認すること、そしてその電話を切った時に、来客来てたけど、どうして出なかったの?と。

いや、そんなん、自分らが出ればいいやん。特にやることなく話に花咲かせていただけやし、私急ぎでこちらをしなきゃいけなかったんだし。

なんか理不尽すぎる説教に悔しくなり、涙が出そうになった。

この女は、自分の立場をわかっていて自分の都合のいいように場を回している。

でも自分の悪さをバレないように、所長や他のメンツには見せているから評判よく見せている。

人前で泣くのだけは昔から嫌いだったので、その場は耐えた。
でも、鼻だけは我慢できなかった。涙腺が緩くなった分、鼻水が止まらなかった。

帰りの車の中で、一目も憚らず泣いた。
家に帰って、母親に元気がないけどどうした?と聞かれた。恐らく全てバレている。

さっさとこの職場を辞めてやりたい。

その日の夜、転職サイトに登録した。

ただ、あの苦しかった就活をもう一度しなくてはいけない、しかもこんなペーペーに何の経験もないし、何をアピールするものがあるの?

考えた結果、転職でアピールする材料を見つけるために、今の仕事を続けることにした。

今思うと、どんな仕事をしたいのかというのがはっきりしていれば、その対策を打つことができたのにね、って思う。

例えば、次はITスキル身につけれる会社行きたいって思うなら、独学でプログラミング学ぶとか、実家暮らしだしお金の余裕は多少あるから、スクール通ってみるとかそういう対策できたかもしれないのにね。

ただただ求人内容見て、これならできそう、これなら面白そうとかそんな目で見てたからそりゃ就職決まらないよって、、10年前の私にアドバイスする。

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