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【翻訳】ポーカー初心者にとって最も重要な10のコンセプト【セオリー】GTOWブログ.3

この記事で分からない用語があれば、ポーカー用語集を参照すること。


⒈ゲーム理論の力学

基礎知識はポーカーを始める際に最も重要なポイントの一つである。昔ながらのプレイヤーの多くは感覚で学んできたが、このプレイスタイルは今日のポーカー界において、最もソフトなゲーム以外ではほとんど通用しない。

ポットオッズ、スタックトゥポットレシオ(SPR)、エクイティ、EV、ミニマムディフェンスフリークエンシー(MDF)、エクイティリアライゼーションなど、ゲーム理論の数学的な基礎を学ぶことから始めよう。数学者になる必要はないし、テーブルで実際に計算する必要もない。しかし、成功するためには、このゲームの力学が実際にどのように働いているかを理解する必要がある。

どのようなハンドの強さ(ボードテクスチャーに対する相対的な強さ)が、どのようなプレイラインを取るのにふさわしいかを理解する必要がある。SPR20のポットでトップペア、キッカー無しでスタックオフすることはめったに正当化されない。ツーカードストレートが可能だからといってセットをフォールドすることは、SPRが低い状況ではほとんど正しいとは言えない。何が適切かを考える必要がある。その感覚を養うにはどうすればいいのか?まず、閾値について学ぶことから始めよう!

日刊GTOにおいて、基礎についてのトピックを取り上げた。詳しくはこちら

⒉閾値

ポーカーで、それなりにしっかりしたプレイヤーになるための最短の方法の一つは、閾値を研究することである。対面しているシチュエーションでスタックを全て投資するのに十分妥当なハンドクラスはどれか?バリューとしてレイズができるハンドは?そのベットに対してコンティニューする必要のあるハンドクラスは?

初心者はほとんどの場合、中程度の強さのハンドを過大評価することで、これらの閾値を見誤る。なので次にGTOソリューションのレビューをするときは、これらのバリューとコンティニューの閾値を見つけに行こう。レンジ全体を暗記するよりも、単純な一本の線を学ぶ事のほうがずっと簡単である。

レンジのことを考えるとき、閾値はどこなのかと自分自身に問いかけることだ。
何があなたがコールする最も弱いハンドなのか?何がバリューベットをする最も弱いハンドなのか?フォールドする一番強いハンドは何か?

閾値を理解することはあなたの戦略を手助けする。一度閾値の線がどこなのかを知れば、あなたのレンジ全体を構築する新しい考え方が身に付く。次にあなたがハンド解析をするとき、自分自身にその疑問を問いかけ、あなたの答えとソリューションを比べてみよう

⒊ハンドではなくレンジ全体をどのようにプレイするかに注視する

初心者が陥りがちな罠は、個々のハンドの頻度にこだわり過ぎることだ。この方法の問題点は、すべてのスポットのすべての頻度を暗記することは単純に不可能だということだ。これは非効率的なトレーニング方法である。

もっと良い方法は、一歩下がって物事を全体的に見ることである。レンジ全体を見るのだ。あなたのアクションに対して正しい量のブラフハンドとバリューハンドを含めて構築する必要がある。例えあなたの頻度が間違っていたとしても、実際に重要なのはあなたのレンジの全体的な構築なのだ。私たちのYouTubeで、その方法をチェックしよう。

⒋ポットをより多く獲得することと、EVを最大化することは同じではない

人間の心理は、勝ちよりも負けを強く記憶する傾向がある。これはしばしばバイアスを引き起こし、最もEVの高いプレイをする代わりに、すぐ目の前のポットを取ろうと誘惑する。時にベストのプレイは、大きなポットで勝つか、より多くの頻度で小さなポットで負けるか、といったラインを取ることがある。
話をダイスロールに置き換えてみよう。1-5の目が出たら、あなたは私に$10を渡す。6の目が出たら、私はあなたに100ドルを渡すとする。83%の確率であなたは$10を失うが、17%の確率であなたは$100を勝ちとる。

このゲームにおけるあなたの期待値は非常に高い
EV =1/6 x $100 - 5/6 x $10 = +$8.33/roll

おわかりのように、より頻繁に勝つことが必ずしもEVの高いプレーとは限らない。時には、EVが高く、頻度の低いテクニカルなアクションをする必要がある。時には脆弱なメイドハンドをチェックし、相手にドローを完成されてしまう事もある。このバイアスを克服するために、頭を鍛え直そう。

⒌ビッグカードの過大評価をやめる

ほとんどのレクリエーションプレイヤーは、ビッグカードを過大評価している。その結果、トップヘビーなレンジでプレイすることが多くなり、ドミネイトされたペアを沢山作り、リバースインプライドオッズのある状況に陥ることが多くなる。

ポーカーでは、インプライドオッズがすべてであり、特に100bbディープのキャッシュゲームをプレイする場合はそうである。ナッツへのドローがあるという複数ストリートのアグレッションに耐える特性は、ドミネイトされたトップペアで得られる価値をはるかに上回ることが多い。多くの初心者は、GTOが3ベットに対してAJoのような手をフォールドし、その代わりにスーテッドコネクターやポケットペアのようなオッズの高い手を選ぶことに驚く。

典型的なリークはビッグペアのオーバープレーであり、ボードテクスチャーを考えると実際の価値をはるかに超えていることが多い。これは心理的なものでもあるAAは、スタックを全て支払うに「値する」不思議なハンドなのだ。トップペアのグッドキッカーはもうアウトドローされることはない。ツーペアは、相手がリバーをチェックして、全てのドローが完成しているにもかかわらず、フォールすることは無い。このような行動は、初心者がプレイする場合、これらのプレミアムハンドの価値を制限することが多い。結局はワンペアなのだ。

⒍あなたのEVのほとんどはナッツ級のハンドから来るものである

EVの大半はナッツクラスのハンドである。これは、ディープスタックでプレイすればするほど真実味を帯びてくる。実際、大半の手はブレークイーブンに近いので、ナッツ級のハンドを正しくプレイすることを学ぶことが最も重要である。

以下の図からES100bbのキャッシュゲームでBTNまでフォールドされたときのハンドの組み合わせのEVを見ることができる。BTNは42%のハンドをオープンしているが、このスポットでオープンされたハンドの約半数は、長期的には0.1bb以下の利益しか期待できない。

ポストフロップでも同じことが言える。あなたのEVのほとんどは、あなたのレンジにある数少ないナッツ級のハンドによって生み出される。だからこそ、ナッツ級のハンドをうまくプレイする方法を学ぶことがとても重要なのである。

⒎プリフロップの戦略をマスターするところから始める

プリフロップをマスターすることは、成績を飛躍的に向上させる最も手っ取り早く効率的な方法である。プリフロップをうまくプレーすることは、ポストフロップをうまくプレーすることに直結する。すべてはプリフロップを経由するからである。幸運なことに、プリフロップのソリューションは無料で簡単に入手でき、GTOウィザードにはプリフロップのスキルを磨くためのトレーニングモードがいくつか用意されている。

プリフロップ戦略を自動化しよう。そうすることで、自信を持ってより多くのハンドをプレイし、ミスを減らし、後のストリートでより良いプレイができるようになる。

⒏あなたのヒューリスティックスのほとんどは、嘘に基づいている

あなたがこれまでに考え出したほとんどすべてのヒューリスティックスは必然的に、偏った仮定に基づいている。勝つためのプレイに対する認識は、あなたがプレイするメタによって歪められ、リスク回避のような潜在的な要因はあなたの戦略にバイアスをかける。ソルバーを読み解くと、あなたの脳は理論を広げようとするのではなく、自分の世界観に合うように戦略を合理化しようとする。これは非常に人間的なもので、克服するには訓練が必要だ。

ポーカープレイヤーとして真に成長するためには、古い習慣を捨て、視野を広げる必要がある。これは特に、ソルバーやGTOの世界に慣れていない人に当てはまる。自分の思い込みに挑戦してみよう。自分の理論に対する反例を探すのだ。ゴールは、現在の見解を補強することではなく、視野を広げることである。

⒐人間の頭脳が概念化できる以上に、分散は大きい

ギャンブラーの誤謬は、ポーカープレイヤーの間で非常によく見られる。公平なコインをフリップして、6回連続で表が出たとしよう。次に裏が出る確率は?

迷信深い人なら、自分が「借りがあるから」次は裏が出る。というかもしれない。しかし、現実はそうではない。次のフリップの確率も50%/50%である。7回目に表が出る確率は、1回目に表が出た確率と同じだ。

何千回もフリップを繰り返せば、表と裏は均等になると予想される。しかし、それは普遍的なカルマのせいではなく、単なる大数の法則なのだ。1000回コインフリップをして、表が6回多く出ているとしよう。この時点で、表が503回、裏が497回フリップしたことになる。実はこれが、6ポイントリードでスタートした場合の期待値である。この時点では、表50.3%、裏49.7%である。

ここで、10万回めくって同じ6ポイントのリードを保つとしよう。今度は50.0003%の表、49.9997%の裏だ。裏が決して追いつかないにもかかわらず、「運」は均等になるように見える。これが大数の法則である。

同様に、不運に見舞われたからといって、起こってしまった事に「借りがある」わけではない。デッキはあなたに何の借りもない。それぞれのハンドは独立した出来事であり、あなたのAAがどのようにクラックされたかという記憶はない。

逆もまた真なり。運が良かったからといって、不運に見舞われることはない。実際、ポーカーにおける分散は、人間が真に概念化できる範囲をはるかに超えている。ポーカーの分散計算機で遊んだことがある人なら、統計的に有意義なエッジが現れるまでには何万ものハンドが必要なことがわかるだろう。ポーカーの分散計算機については、今後の記事で詳しく説明する。

10.中程度の強さのハンドでオーバープレイをするのをやめる

ウィークアグレッシブプレイヤーによく見られるリークの一つは、中程度の強さのショーダウン・バリュー・レンジを持たないという事である。

このタイプのプレイヤーは常にオーバープレイをして、ドローされることを恐れている。彼らには2つのレンジがある:ギブアップレンジと、それ以外の全てでアクセルを踏む。

ギリギリのハンドでショーダウンで勝つことはない。なぜなら、そのようなハンドはあまりにアグレッシブにベットして相手をフォールドアウトさせるか、狭いレンジに直面してショーダウンに持ち込んで負けているかのどちらかだからである。トラップレンジは持たず、パッシブラインはほとんどいつもドミネイトされる。

中程度のハンドをオーバープレイすることの問題点は、より悪いハンドをフォールドアウトして、より良いハンドにコールされてしまうことである。エクイティを選り分ける方法としては非常に非効率的だ。このスタイルはコーリングステーションに対してのみ有効である。簡単にエクスプロイト出来る。

ドローがあるボードが出たからといって、メイドハンドをすべてベットし続ける必要はない。中程度の強さの、「ショーダウン・バリュー」、「ポットコントロール」レンジを作ることに努めよう。



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