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【翻訳】ポーカーの学習術

2023年5月16日のAndrew BrokosによるGTOWizardブログからの翻訳になります。

https://blog.gtowizard.com/the-art-of-learning-poker/

最近日本のポーカー界隈でも聞くことの多い『The Art of Learning』が提示する学習方法をポーカーに流用するには。
と言うことについて書かれています。

有料記事として投稿してありますが、有料部分には何も書かれていません。
本文は全て無料で読むことが出来ます。


以下本文

チェスとプッシュハンズ(訳者注:いわゆる手押し相撲。人気のあるスポーツ)のチャンピオンであるジョシュ・ウェイツキンは、その著書『The Art of Learning』の中で、「より小さな円を描く」というトレーニングプロセスについて述べている。
武術の文脈では、これは特定の動きの本質を、まず大まかなストロークで、スローモーションでマスターし、次にそれをより細かく洗練させていくことを意味する。

もちろんポーカーテーブルで誰かを殴ることはないだろうが、小さな円を描くというコンセプトは、圧倒的な情報量を含むソルバーのソリューションを紐解くためのフレームワークを提供することができる。重要なのは、よくあるシナリオの全体像の戦略から始めて、基本的なことを把握してから、より詳細な戦略へと移行することである。

この記事では、一般的なCbetスポットを研究する例として取り上げますが、同じフォーマットを使って、他のシチュエーションでのCbetや、Cbetへの対応、ターンにおけるダブルバレルなど、好きなものを研究することが出来る。


ステップ1. 大きな「絵」を描く

①ランダムなフロップのリストを作成するか、プレイするのが難しいと思うフロップをいくつか選ぶ。(訳者注:リンク先にはランダムフロップを生成できるwebサイトがありますが、GTOWを使用してサブセットを利用するのがベターかもしれません)スプレッドシートに各フロップごとに行を作成するのもいい。このステップで必ずしもスプレッドシートが必要になるとは限らないが、詳細を詰めていくうちに便利になってくるかもしれない。

②キャッシュゲームプレイヤーなら100bbのキャッシュ、トーナメント後半が苦手なら20bbのMTTなど、自分に合ったフォーマットとスタックの深さを選ぼう。UTGとBBのシングルレイズドポットは、後ろのポジションのプレイヤーvs BBに比べてレンジが比較的狭く、2人のプレイヤーのレンジの構成が全く異なるため、始めやすいスポットである。

③各フロップについて、UTGのコンティニューベットの頻度が50%以上になるかどうかを予測する。ベットの大きさ、ベットするハンド、正確な頻度については気にしなくてよい。我々はまだ『大きい円』を描いているのだから

④GTOウィザードのフロップレポートやソルバーを使って予測をテストする。常に正しい結果が得られるまで、新しいフロップのセットでこの練習を繰り返す。90%の精度が良いベンチマークとなる。そしてステップ2に進む。

ステップ2.洗練させる

同じフロップのリストと、スプレッドシートの3番目の列(もしあれば)を使って、各フロップでのUTGのCbetの頻度を10%単位で予測してみよう。ここでも、ベットの大きさやベットレンジの構成は気にしなくてよい。今のゴールは、様々なフロップで不自由なくベットすべきかについて直感を磨くことであり、そうすれば、ポーカーテーブルの上で似たような場面に遭遇したときに、どちらの選択肢を取るべきなのかを、よりよく判断出来るようになる。
少なくとも90%の確率で当たるようになるまで、新しいフロップのセットで自分の予測をテストしてみよう。ここでの目的はフロップのテクスチャーからベット頻度を予測する能力を磨くことがであり、特定のフロップのベット頻度を暗記することではない

ステップ3.大きいサイズか小さいサイズか

リストの各フロップについて、UTGがベットする際に最もよく使うサイズが「小」、「中」、「大」のどれになるかを予想しよう。これらの用語は相対的なものであり、ショートスタックの場合の「中」サイズは、ディープスタックのシナリオでは「小」サイズになるかもしれない。この『円』では「小」「中」「大」で十分です。
例えば、以下の画像の100bbのシナリオでは、UTGは小サイズと中サイズを均等に使い分けるが、大サイズを使うことはない。130%ポットとオールインを「ラージ」サイズとしてまとめるのが最も理にかなっている。

ステップ4.ハンド

さて、ここからが本題である。ここでも、私たちが最も注視すべきことは大まかなことです。
どのハンドやハンドクラスがベットやチェックを明らかに好むか?
A6が62%ベットし、A7が21%しかベットしない理由など、細かいことにこだわる必要はありません。知っておく必要があるのは、どちらも僅差の判定であるということだけです。
このステップは前のステップよりもかなり複雑なので、これまで扱ってきたフロップの一部だけ、理想的にはベットとチェックがしっかり混ざっているフロップだけを使うことを考えよう。
ここでの目的は、あるフロップで最も頻繁にCbetをすると予想される手のリストと、最も頻繁にチェックをすると予想される手のリストを、2つの別々の欄に記録することである。前回と同様、ベットサイズは気にしなくてよい。ベットすることで利益があるハンドであると認識するだけで十分である。
ここでは、各カテゴリーにできるだけ多くの種類の手をリストアップすることを徹底したい。モンスターハンド、控えめなメイドハンド、ドロー、完全なエアーも考慮すること。
常に両方のカテゴリーにそれぞれの例があるとは限らないが、そのカテゴリーに属する場合はそれを識別することを目指すべきである。

上記の例、100bbのキャッシュゲームでのA♠️ Q♦️ J♠️のフロップでは、AA, QQ, JJ, KTは事実上純粋なベットであるが、98やペアのないダイアモンドのドローもそうである事を理解しておきたい。
純粋チェックのハンドは無いが、最も頻繁にチェックされるハンドはQx、ローキッカーのAx、スペードのないスモールペアである。
このステップの(90%以上の)スコアを取る事はそれほど簡単ではないが、最後のステップなのでいいだろう。様々なタイプのフロップでのハンド構成の扱い方をマスターしたら、次は別の構成に移ろう。

繰り返す

勉強を最大限に生かすには、異なるシナリオをトレーニングすることだ。
UTG vs BBを勉強したばかりなら、UTG1 vs BBの勉強に時間を費やす必要はない。BTN対BB、UTG対BTN、あるいは3ベットのシナリオの方が得るものが多いだろう。あるいは、同じようなアプローチをターンのダブルバレルのシナリオにも応用できる。
何を重視するにしても、まず『大きい円』に集中するように:
個々のコンボよりも全体の頻度の方が重要であり、個々のコンボが特定のアクションを取る頻度よりも全体の頻度の方が重要なのだ。まず大きな円から始め、次にそれを小さくすることに取り組む。



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