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【翻訳】フロップヒューリスティクス⑤キャッシュゲームにおけるIPのCbet戦略【CASH】GTOWブログ.57

割引あり

お金と名声への果てしない探求は、フロップまで続く。私たちがボタンでオープンすると、ビッグブラインドがコールし、ディーラーは3枚のコミュニティカードを配る。KT3rのボードが開かれ20秒間の沈黙の後、アクションは親切にも我々にチェックされる。さて、どうする?
この記事では、BBコーラーに対する様々なIPからのCbet戦略を見ていく。どんな要素がベット頻度とベットサイズに影響するかを学び、その過程でいくつかのフロップを検証する。




レンジを理解する


プリフロップのレンジが異なるボードでどのように相関するかをしっかり理解することは、ポストフロップの効果的な戦略を構築する上で極めて重要である。では、自分と相手のレンジがフロップでどのような関係があるのかを分析する場合、私たちはまずどんなステップを踏むべきなのだろうか?

Andrew Brokosの記事「Flop Heuristics: IP C-Betting in MTTs’」をそのまま引用する: 彼は、プリフロップレイザーとして行動するとき、"私と相手、どちらがこのフロップをヒットする可能性が高いか?"という質問に集中するのではなく、"このフロップは相手をどのように向上させるか?"と自問すべきであると述べている。

この小さな、しかし重要な違いが、プリフロップのアグレッサーとしての正しい考え方を育む。相手はプリフロップで3ベットを断り、レンジの一番上の強いハンドの多くをそのレンジ内から逃しているだけでなく、ブラインドのためにレンジも広い。この2つの要素が組み合わさることで、怖いボードであっても、ほぼすべてのボードでこちらが相手より有利になる!

オープンポジションが早くなり、レンジが狭くなるほど、ブラインドに対するアドバンテージは大きくなる。


テクスチャーを理解する


ポーカーには多種多様なフロップがあり、正確には1755種類の戦略的なフロップがある!経験豊富なプレイヤーでさえ、この数には圧倒されることでだろう。GTOウィザードの集計レポートでは、フロップを分類し、共通のパターンを探すことができるため、このような状況も管理しやすくなる。


フロップをグループ分けする

GTOウィザードのフロップグルーピングツールを使ってみよう!この分析では、最も一般的なポストフロップの形であるBTN対BBを使用する。次の図は、ハイカード別にグループ分けされた様々なボードにおけるBTNのCbet頻度を示している。これはシンプルソリューションであり、BBがドンクすることは許されないことを意味する。


注意すること

すぐにわかることは、2ハイフロップが最も多くベットされるということだ。騙されてはいけない!これは2が必ずしも有利だからではなく、2ハイフロップの可能性が222しかないからである。同様に、ボードが少なくとも一組はペアにならない限り、3ハイのフロップはありえない。Aハイのフロップが最も起こりやすく、Kハイのフロップがそれに続く。


なぜハイカードが高くなるほどベット頻度は上がるのか

プリフロップのレイザーは、エース、キング、クイーンなどのハイカードを含むハンドをオープンすることが多い。逆に5や6のような低いカードはあまり使わない。BBも高いカードを好むが、プリフロップでブラインドによるディスカウントを受けるため、レンジの大部分は低いカードで構成される。


意外な発見

ハイカードによるグループ分けをもう一度見てみると、Aハイのフロップは8からキングハイのフロップよりもベットされる頻度が低いようだ。

なぜだろう?

答えはいくつかの要因に行き着く:

フォールドエクイティの価値の減少

K73やQ73のボードでは、ギリギリのトップペア(例えばK8やQ9)をベットして、相手のオーバーカードからプロテクトしたりバリューを得たりするインセンティブがある。しかし、Aハイのボードでは、Axはオーバーカードから守る必要はない。この緊急性のなさにより、せいぜい1度か2度のストリートでのベットしか出来ないようなギリギリのAxのようなハンドは、安全なランアウトを期待してターンやリバーまでベットを遅らせる。

さらに、ビッグブラインドはAxを大量にレンジに入れているため、KKやQQのようなハンドでのベットはエクイティをより早く削ることになる。

AはBBのレンジをポラライズさせる

エースハイのボードでは、ビッグブラインドはしばしば中間の強さのハンドを欠落させる。この極性により、チェックコールではなく、チェックレイズとしてのコンティニューする割合が比例して多くなる。OOPはしばしば2ペア以上やブラフで大きなチェックレイズサイズを使うので、これはIPにとって問題となる。このチェックレイズは、IPの強いトップペアでさえもフロップで即座にインディファレントにさせることが多い。

では、Aハイのフロップの知見を増やしていこう。


ケーススタディ:A73レインボー


常にベットを見るのではなく、チェックをするハンドを見てフロップを分析するのも良い方法である。


トップペアウィークキッカーのAxとKK-JJは、レンジ内の他のハンドよりもかなり高い頻度でフロップをチェックバックする。これらのタイプのハンドは、ターン以降で逆転される可能性が低いため、フロップでベットをするインセンティブが低い。この手のクラスで頻繁にベットすると、IPはチェックレイズに弱くなる、IPがこのようなマージナルのハンドをベットしすぎると、ますます頻繁にチェックレイズが起こるようになる。


良いキッカーを持つKxもよくチェックされるハンドの一つである。このことを理解するために、KJのようなハンドをベットすることが何を意味するかを考えてみよう。K8やJTのようにベットにフォールドするハンドのほとんどは、KJに対してほとんどエクイティを持っていない。また、ターンでKやJが落ちた場合もこれらのハンドから後のストリートでバリューを得ることも出来なくなる。ベットすることで、AJやKQのような強いハンドがOOPのレンジに入る割合も増え、KJがコールされた後のエクイティも減少する。

フロップのCベットに対するBBの反応を見てみよう。


OOPはこのフロップでは2ペア以上のバリューからなる大きなチェックレイズサイジングしか使わない。ブラフのほとんどはストレートドローと弱いボードペア(7ヒットと4ヒット)である。


レイズに直面すると、AQのような強いハンドですらインディファレントになる。面白いことに、強いポケットペアはAxよりもコールを好むことが多い。これは、OOPのタイトなバリューレンジをクーラーにするための明確なアウツがAxよりも多いからである(セットへの2アウツ)
注)ただしフロップのベット頻度自体も非常に低い。


ペアフロップかアンペアフロップか


ペアフロップはアンペアフロップよりもベットされる頻度が高い。しかし、スモールサイズでしかベットされない傾向がある。これは主にプリフロップのエクイティアドバンテージによるものだが、トリップスが両プレイヤーのレンジにあることによるナッツアドバンテージの減少によるものでもある。ペアボードの場合、ドローも難しくなる。このため、スモールベットに対してエクイティを実現し続けるのは非常に難しくなる。ペアのカードが大きいほど、またボードがバラバラであるほど、プリフロップのアグレッサーとしてのベット頻度とEQアドバンテージは大きくなる。


コネクトフロップか否か


GTOウィザードは、ストレートの可能性がある場合、フロップをコネクテッドと分類する。

ディスコネクト
ディスコネクトボードはどちらのプレイヤーにとっても最もコネクトしにくいボードである。これは他のボードタイプよりもIPのプリフロップのアドバンテージを保つことができる。このテクスチャーでは33%のサイジングがよく使われるが、130%のサイジングもよく使われる。

OESDの可能性
OESDの可能性のあるボード(Open-Ended Straight Draw)で何が強いハンドに分類されるかは、後のストリートで変わる可能性が高い。このボードのテクスチャーでは、66%ポットベットサイズの使用が増えるが、新しく発見された極性により、ベット回数は減少する。

コネクテッド
コネクテッドボードは、フロップでのストレートがBBのレンジに入ることが多いという特殊なケースである。これを尊重するため、サイズダウンする。コネクテッドボードでは133%ポットサイジングが使われる事が最も少ない。


フロップのスーツ


フロップのスーツはコネクテッドフロップと似た傾向がある。レインボーフロップはどちらのプレイヤーにとっても最もコネクトしにくく、最も頻繁にベットされる。フラッシュドローのフロップは全体的なベット頻度は減少しているが、極性はわずかに増加している。最後に、モノトーンボードはベット頻度とサイジングが大幅に減少する。


モノトーンボードの概要

モノトーンボードはIPプレーヤーのナッツアドバンテージを著しく低下させる。これはEVでソートすることでわかる。


これは、プリフロップの強いハンドよりも、相手のレンジ内のフラッシュがすべて先行しているためだが、フロップのベット頻度を下げるそれ以外の要因もいくつかある。

モノトーンのフロップでは、フラッシュを持っていると相手のコールレンジがブロックされる:

K♥9♥5♥の場合、A♥T♥を持っていると相手のコンティニューレンジのかなりの部分がブロックされ、バリューを得るのが難しくなる。ボードのフラッシュにより、相手はハートの無いJTやQTのようなハンドをディフェンスできなくなる。ダブルバレルに直面すると、相手はハートのないトップペアのような強いハンドをフォールドし始めるだろう!

これは、フロップのチェックレイズ頻度が他のボードのテクスチャーに比べて非常に低いことの説明となる。バリューのためにレイズしたがる主なハンドはフラッシュであり、これはレイザーのコールレンジをブロックする!


フロップのスーツによる⅓ポットベットに対するチェックレイズの頻度。

さらに、ベットは必ずしも様々なフラッシュドローからのプロテクションにはならない。上手なプレイヤーはK♥9♥5♥のハートをスモールベットでフォールドしないし、サイズアップは相手のレンジのトップに対して直ちに自分のレンジのEQを下げさせるだけである。

ローフラッシュは4枚目のハートに弱い。

フロップでローフラッシュをチェックバックするのは非常に合理的である。クリーンなランアウトで3ストリートのベットを狙えるほど強いのは間違いないが、すべてのランアウトがクリーンであるとは限らない。

レイズでバリューを得たい主なハンドはフラッシュであり、フラッシュはコーリングレンジをブロックする!これはまた、後のストリートでの戦略を考える上でも役に立つ。IPはOOPのフロップをコールしたレンジにフラッシュが大量に残っているため、ターンでのサイズアップに苦労することが多い。

  • 一般的なローフラッシュの戦略は、フロップでチェックバックし、ターンでポットの半分程度をベットし、クリーンなリバーが確認されたらリバーで2xポットすることである。

  • ハイカード2枚のフラッシュも、継続するレンジの多くをブロックするため、フロップのチェックバックとしては合理的である。

  • ハイカードとローカードのフラッシュ(A2s、K6sなど)はベットがベストのプレイになることが多い。4枚目のハートでも強さを維持できるため、多くのコールレンジをブロックすることはなく、安全なランアウトを待つ必要もない。


まとめ


シングルレイズドポットでのCbet戦略のポイントをいくつかまとめてみよう。

  1. プリフロップのアグレッサーとしてのアドバンテージを維持されるハイカードのフロップには高頻度でCbetする。

  2. ペアのフロップやコネクトしないフロップでは高頻度でCbetする。

  3. ドローがあるがまだ完成していないフロップでは、ベット額を大きくし、ベット回数を少なくする。

  4. 相手のレンジ内のストレートやフラッシュが完成しているフロップでは、ベット額を小さくし、ベット回数を少なくする。


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