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【翻訳】フロップヒューリスティクス③MTTにおけるIPcoldcallerの戦略【MTT】GTOWブログ.49
コールドコールとは、プリフロップのレイズに対して、プリフロップのアクションを閉じる事のないプレイヤーが、ポットに資金を投入していない時にコールする行為を指す。この記事では、MTTでエフェクティブスタック40bbのEPのオープンをコールした後の、ポストフロップでのBTNのプレイに焦点を当てる。コールドコーラーのレンジは一般的にコンデンスドされており、トラッシュやナッツクラスのハンドは少ない。コールをするためには、ギャップコンセプトのためにオープンをするよりも強いハンドが必要である。インポジションのコールドコーラーは、ブラインドからコールするプレイヤーよりも強いレンジを持っている事になる。
これには2つの理由がある:
まだアクションしていないプレイヤーが多いため、コールドコーラーはコールした後に後ろのプレイヤーからコールやレイ ズを受けるリスクが高い。
コールドコーラーはブラインドをポス トしていないため、コールする事に、より高い価格を支払う。
その結果、プリフロップのレイザーは通常、ブラインドからのコーラーに対するようなエクイティアドバンテージを享受できず、ブラインドに対するように頻繁にベットし続けることができない。これは特にダイナミックなボードで顕著であり、ポジションの不利はより大きくなる。
40bbのUTG対BTNのSRPでは、UTGの平均Cbet頻度は51%に過ぎず、そのほとんどはポットの20%か33%である。つまり、このようなシナリオでは、Cbetは自動的または些細なものとして扱われるべきではない。このようなベットに直面したとき、BTNはタフだが慎重な反応を起こす。MDFより低い頻度ではフォールドするが、めったにレイズはしない(特に大きいベットに対しては)。ポジションの利点から、BTNは一般に、フロップで無理にアクションを起こすよりも、後のストリートでハンドをプレイさせる方が良い。
以下のチャートは、フロップでUTGのベットに直面したときのBTNの反応の頻度を示している。
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UTGのコンティニュエーションベットのサイズが33%が使用される事が圧倒的に大きい、エフェクティブスタック100bbの場合でも、BTNはほとんどコールで対応する:
![](https://assets.st-note.com/img/1710408391286-zQtbNjkRC7.png?width=1200)
UTGがチェックした場合のBTNの反応も同様に慎重で、ベットするのは約半分の頻度だけであり、多くの場合は小さなサイズである。アウトオブポジションのプリフロップレイザーからのチェックは、「あきらめ」の証拠ではないし、好きにブラフをカマして良い、という許可証でもない:
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静的なフロップのケース
コールドコーラーの戦略をよりよく理解するために、静的なフロップの例と動的なフロップの例を詳しく見てみよう。ここで取り上げる静的なフロップはAJ6rである。ボード上に2枚のビッグカードがあり、ドローがほとんどないこのフロップは、ボードテクスチャーや多くのハンドの相対的価値が劇的に変化するターンカードが殆どないフロップである。
また、ナッツアドバンテージと56%のエクイティの両方を享受しているUTGレイザーにとっては非常に良いフロップである:
![](https://assets.st-note.com/img/1710415362947-JdIkVhZgSf.png?width=1200)
その結果、このフロップはUTGのベット頻度の高いフロップの1つであり、均衡時のチェックレンジは30%以下である。彼らのチェックレンジはベットレンジより弱いが、チェックした後でもエクイティとナッツのアドバンテージは僅か(52.4%)に保たれる:
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BTNはチェックに対してほとんどチェックビハインドする。ベットするときは比較的大きなサイズで、ポラーになる。バリューベットを好むようになるのはAT以上の時だけである。ミディアムペアと弱めのエースはほとんどチェックし、UTGのチェックコールレンジの多くをブロックするJJもチェックする。ブラフは、特にバックドアドローを持っている場合の最低ランクのペアでは無いハンドや、ブラフキャッチャーに対するエクイティがあり、UTGの強力なトラップのいくつかをブロックしている6xを使うことが多い。
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動的なフロップのケース
では、より動的なフロップ、986ttでのBTNの戦略を見てみよう。このボードでは、ほとんどのターンカードが、ボードをペアにしたり、新しいハイカードを出したり、何らかのドローを完成させたりと、テクスチャーを変化させる。このボードで最も堅牢なEQを持つハンドはストレート(T7か75)であるが、どちらのプレイヤーもプリフロップのレンジにこれらのハンドを持っていない。
UTGとBTNのレンジはこのボードではほぼ拮抗しており、エクイティはほぼ半々で、どちらも明確なナッツアドバンテージはない:
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動的なボードはUTGのポジションの不利を大きくさせるので、エクイティアドバンテージがない彼らは頻繁に(65%)チェックする。BTNも同様にチェックを多用するが、ポジションの優位性からポットを大きくするインセンティブが少し強い。静的なボードの場合とは異なり、ベッティングレンジがリニアであるため、BTNは小さいベットサイズを好む。強いが脆弱なオーバーペアは最もよくベットされるハンドの一つであり、コールされたときのエクイティが良いだけでなく、UTGのレンジにある弱いハンドのエクイティを否定するメリットもある:
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セットはUTGが最もベットするハンドの1つでもあり、ダイナミックなボードではスロープレーは魅力的ではない。99でさえも、7やダイアモンドのターンカードでは多くのバリューを失う。
まとめ
上述した通り、プリフロップレイザーからのチェックは弱いと見なすべきではない。コールドコーラーは、ボードテクスチャーに関係なく、チェックするかベットするかを慎重に選択すべきである。エクイティの否定があまり重要でない静的なボードでは、中程度の強さのハンドをチェックし、よりポラライズされたレンジで大きなベットをすることが多い。動的なボードでは、強いが脆弱な中程度の強さの手でエクイティを否定できるよう、小さめなベットサイズが好まれる。
UTGレイザーでさえ、インポジションのコールドコーラーに対しては、ブラインドと対戦するときのようなレンジの優位性は享受できない。一般に、彼らはわずかなエクイティアドバンテージを持っているが、それはポジションの不利によって相殺される。つまり、コンティニュエーションベットは自動的なものではなく、インポジションのプレイヤーは慎重に対応しなければならない、 ほとんどの場合、レイズせずにコールをして、プリフロップレイザーにOOPで、後のストリートをプレイさせる事を選択する。
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