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【翻訳】ボードテクスチャーについて皆がまだ知らない事。

Run It Once(RIO)の主宰であるPhil Galfondの2023年9月12日のニュースレターの翻訳になります。

https://newsletter.philgalfond.com/p/dont-get-board-texture

有料記事として投稿してありますが、有料部分には何も書かれていません。
本文は全て無料で読むことが出来ます。


あなたは K♣️7❤️2♠️というフロップがQ❤️T♠️7❤️と違う事は分かるだろう。 前者を "ブラフに適したボード "と見るかもしれない。
ボードのテクスチャーによってベットサイズを使い分けることもあるでしょう。
しかし、本からであれ、ソルバーを研究することによってであれ、あるいは自分自身でであれ、ゲーム中に適用するための大まかなヒューリスティクスを学び、そして、それらがあなたを失敗させている。
今日は、なぜ失敗してしまうのか、そしてその失敗を最小限に抑えるためのフレームワークについてお話ししましょう。


ヒューリスティクス

ヒューリスティクスとは、限られた情報に基づいて素早く判断できるようにすることで、問題解決を単純化する認知戦略や経験則のことである。 もっと簡単に言えば、私たちの脳が素早く決断を下すための近道なのだ。 あなたが積極的にヒューリスティクスを学び、プレーのベースとなるヒューリスティクスを定義しようとしまいと、あなたの脳はあなたのためにヒューリスティクスを作り出しているのだ。

もしK♠️T♠️4❤️ のフロップでポットサイズのベットに直面したとき、あなたはA♠️J♠️ をフォールドしないことを知っている。
あなたは、ストレートやフラッシュを作る確率を計算し、ポットのオッズを調べ、おそらく将来のストリートの可能性を計算し、それに基づいてあなたの期待値を概算することも出来る。
でも、そんなことをしなくても、フォールドしない事と決めることはできる。考えるまでもなく、あなたはそれを知っている。

これがヒューリスティックなのだ。そして、あなたの脳はヒューリスティックをたくさん作り出している!

いくつかのヒューリスティックが失敗しているにもかかわらず、これは悪いことではない。学習プロセスの重要な一部なのだ。

問題点はどこにあるのか


これを読んでいる皆さんは、全員がまったく同じレベルにいるわけではない。この種のミスが少ない人もいるだろう。しかし、私はこのようなミスをしない人と対戦したことはありません。 フロップチェックレイズレンジの構築を見てみましょう。

私たちは$5/$10のノーリミットホールデムをプレイしています。相手はボタンから$25にレイズし、私たちはビッグブラインドでコールした。

フロップ K♣️T❤️6♣️

私はチェックして相手は$25をベットしてきた これから2つ質問するので、すぐに答えてほしい:
① どのようなハンドをバリューとしてレイズしますか?
② どのようなハンドをブラフとしてレイズしますか?

バリュー
セット、ツーペア

ブラフ
フラドロ、オープンエンド、ガットショット

もしかしたら、もっと具体的に考えたかもしれませんし、リストに他の手があるかもしれません。 それでもいいんだ!でも、教えるためにリストはシンプルにしたかった。
もしかしたら、あなたはよりショーダウンバリューが低いドローで高頻度でレイズするかもしれません。
ガットショットのレイズは好きだが、オープンエンダーのレイズは好まないかもしれない。 もちろん、全てのバリューハンドや全てのブラフをレイズするつもりはないでしょう。

いずれにせよ、バリューレンジとブラフレンジの候補があり、ある程度の頻度でレイズすることになります。 フラッシュドローの何パーセントをレイズするか知っていますか?ガットショットをレイズする頻度を知っていますか? おそらく知らないでしょう。そうだと思います。 別のハンドの例に移り、それらを結びつけてみましょう。

2番目のハンド例

ほとんど同じスポットです 私たちは$5/$10のノーリミットホールデムをプレイしています。相手はボタンから$25にレイズし、私たちはビッグブラインドでコールした。

フロップ A❤️6♣️4♦️

私はチェックして相手は$25をベットしてきた すぐに答えてほしい:
① どのようなハンドをバリューとしてレイズしますか?
② どのようなハンドをブラフとしてレイズしますか?

次に進む準備はできていますか? このフロップでは、いくつかの重要な違いがあることにお気づきだろう。
フロップはエースハイ
フラッシュドローがない
ストレートドローが少ない
候補は次のようになる人もいるだろう:

バリュー
セット、ツーペア

ブラフ
オープンエンド、ガットショット

繰り返すが、すべての人のリストがこのようになるわけではない。ソルバーは、このボードにも上のボードにも、低い頻度で他の手をたくさん追加する。 これは、強いプロプレイヤー以外には、実際には難しいことである。
また、もう一度言うが、レイズ候補のすべてをレイズするわけではない。 エースハイのボードを見て、プリフロップのレイザーに対してブラフを仕掛けたくないと思うプレイヤーもいるかもしれない。
また、A6やA4でトラップを仕掛けたいが、セットではレイズするプレイヤーもいるかもしれない。

しかし、どのような頻度でガットショットをレイズするかと聞かれたら、答えがわかるだろうか?それとも単にコールすることもあればレイズすることもあるだろうか?

問題点はそこにある

私たちは、これらのボードが異なることを知っている。
しかし、多くの人は大体同じようなヒューリスティクスを持っているはずだ

"レイズ候補は強いハンドとドロー"。

では、どのようにバランスが崩れているのか見てみよう。

K♣️ T❤️ 6♣️
あなたのレンジはおおよそ以下の通りである:

メイドハンド (4%)
セット1%
ツーペア3%

ドロー (22%)
フラッシュドロー:6%
オープンエンド: 2%
ガットショット14%

一方、A❤️ 6♣️ 4♦️
あなたのレンジは次のようになる:

メイドハンド (5.5%)
セット1.5%
ツーペア4%

ドロー (6%)
フラッシュドロー0%
オープンエンダー: 2%
ガットショット4%

2枚目のボードでは、ブラフとバリューレイズの比率は約1:1です。
最初のボードでは、5.5:1の比率です!

なぜここまで大きく数字が変わるのでしょうか?

A❤️ 6♣️ 4♦️
ストレート・ドローの多くはオフスーツだとプリフロップでフォールドされる上、オフスーツの手札の組み合わせはスーテッドよりもはるかに多いからです。

あなたは頻度を適切に調整していますか?
例えば、最初のボードでドローをレイズする頻度を2番目のボードでレイズする頻度より5倍少なくして出来ていますか?

多くの人は、K♣️ T❤️ 6♣️ のボードではA❤️ 6♣️ 4♦️よりも、Cベットブラフの頻度をずっと少なくするでしょうが、
チェックレイズブラフの頻度もずっとずっと少なくしていますか?

A❤️ 6♣️ 4♦️のフロップでチェックレイズを深く掘り下げるようにしますか?
多くの読者は、このドライなエースハイのフロップでプリフロップレイザーに対してチェックレイズブラフをする勇気がないかもしれない。

しかし、絶対に出来ます!
あなたはKT6よりA64の方が2ペア+のハンドをよりたくさん持っています!

本来の目的は何か


今、あなたはこの2つのボードで、チェックレイズがどのように違うかについて考えているが、この例は単にあなたの「短絡的思考」がどのように失敗するか、を提示しているだけに過ぎません。

通常「短絡的思考」はベットするかコールするかを決める場面で失敗を犯す。
一般的に、ドローの多いボードでは少しルーズになるはずだが、ほとんどのプレイヤーは(誤って)それをやりすぎてしまう。

彼らはトップペア、セカンドペア、そして明らかなドローを持ってターンのCベットをコールする。
あるボードではそれは彼らのレンジの40%になり、別のボードでは65%にもなる。

Q♣️6❤️2♠️
ドローのないエースとキングのハイのほとんどで小さなCbetをコールすべきである。

A♣️T❤️6♣️
Qハイはもちろん、ドローのないキングハイは小さなCbetに対してですらすべてフォールドすべきである。

Q♣️6❤️2♠️ K♦️
あなたはターンの大きいCbetにセカンドペアすべてでコールすべきである。

A♣️T❤️6♣️2❤️
あなたはセカンドペアの手の80%をフォールドすべきである。

なぜですか?
まあ、いろいろな理由があるのだが--私は非常に分かりやすい例となるボードを選んでいる--

主に2つのことが関係している:
①あなたのレンジの構成
②コールしたいハンドの数

チーム選び

学校の校庭でキックボールチームを選抜するようなものだ。
そこでチームに入れるのはクラスの半分の子供達だけだ。

キングハイのケビンが選ばれるかどうかは、そこに誰がいるかによって決まる。
ケヴィンが選ばれるかどうかは、その場にいる他の選手次第だ。普段のケヴィンはあまり選ばれないかもしれないが、フラッシュドローのフランが病気で家にいるときは、彼が選ばれて嬉しいだろう。

A♣️ T❤️ 6♣️のフロップではK♦️9❤️ よりも 7♣️5♣️でコールをしたいだろう。

Q♣️ 6❤️ 2♠️、あなたはフラッシュドローを持っていないので、他の手が候補に上がる

A♣️ T❤️ 6♣️ でチェックコールしてターンで2❤️ のあなたのターンレンジにはトップペアトムが多く含まれる!

7♣️6❤️2♠️のフロップチェックコールの後J❤️ のターンカードが落ちた時、あなたがそれを持っているのは3回に1回である。

これらはすべて同じ点を説明するための例えであり、私はあなたに確実に理解してもらいたい:
ボードに応じてアプローチを調整する必要があるということを。

フレームワーク

脳の配線を変えたり、身についたヒューリスティクスを学習し直したりするのは、それほど簡単なことではない。
また、例え出来たとしても、ヒューリスティクスを完全に取り除こうとするのは良い考えではない。

だから、ある手の価値を瞬時に教えてくれるヒューリスティクスを使って仕事をするのであれば、自分自身を見つめて、これまで話してきたようなバリュー過多やブラフ過多になるような事を防げるようにする必要がある。

私がこれを始めた方法は、決断を下す前に頭の中でチェックリストを確認してみることだ。

ボードはドローが多いか? 私のレンジは強いか?

もしそうなら:ハンドの価値についての認識を下方修正する。

全然違う場合:価値の認識を上方調整する。

中間の場合:どうすればいいかはもうわかっている。

結局、時間が経つにつれて、私はこの作業をする必要が少なくなってきた。 私の脳もこのプロセスをショートカットすることを学んできたからだ。 脳はクールだ!

まとめ

・全てのボードは異なる。

・プリフロップのレンジにドローやペアの可能性が少ないボードでは、(理論的にも実践的にも)深く掘り下げる必要がある。

・ドローが多いボードでは、(理論的にも実践的にも)思ったよりもタイトに攻める必要がある。

最も重要なことは、もしあなたの対戦相手がまだこのニュースレターを購読していないのであれば、 あなたは今、彼らがどこでアンバランスになるのかを知っているということです!



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