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【翻訳】3BP、OOPのCbet戦略【MTT】GTOWブログ.86


ポジションの無いところからのCbetは、SRPでは危険な提案となることがある。コールドコールレンジは、プリフロップのレイザーと同程度のエクイティをフロップで得る傾向があり、平均的なフロップでは、ポジションがある事でコーラーの優位性を後押しする。


しかしながら、これは3BPでは異なる。OOPの3betレンジは、コールレンジよりも強く、SPRが低いため、ポジションの重要性は低くなる。その結果、3BPでポジションが無くても、高いCbet頻度がは一般的に正しいと言える。
それでも、ベットサイズ、スタックの深さ、フロップテクスチャーに関する重要なニュアンスは残っている。この記事ではこれらの点を深掘りしていく。




3ベッターのレンジアドバンテージ


3ベッターのレンジアドバンテージの構造的な理由をよりよく理解するために、40bbの有効スタックで、UTGが2.3bbでオープンし、BBが9.2bbに3betし、UTGがコールするというシナリオを考えてみよう。各プレイヤーはどれだけのリスクを負っているのだろうか?

BBはさらに8.2bbをポットに投資し、アクションをクローズしていない。つまり、彼らは最初のレイザーからのオールインに直面するかもしれない、という追加リスクを負っていることになる。

それに対しUTGはコールに6.9bbを追加投資し、アクションを閉じることが出来る。最初のレイズに投資した2.3bbはブラインドのように機能する。それはすでにポットに入っているため、コールに内在するリスクにはカウントされない。彼らはより良い価格を得てアクションを閉じ、フロップ後のポジションが保証されているのでBBが3betするよりも弱いハンドでコールすることができる。

さらに、UTGは4ベットをしていない。これは文字通り彼らのレンジにキャップを設けることにはならない。GTO WizardはこのシナリオではAAでピュアコールすることを推奨しているからだ。しかしそれでも強いハンドを持ってる可能性は低くなる。例えばAKやQQのようなAAより脆弱だが、他の非常に強いハンドは、フロップを見る前にオールインをする動機が強いからだ。

このことから、BBの3ベッターはUTGのコーラーよりも強いレンジを持っていることになる。この例では、BBのエクイティは54.4%であり、UTGの45.6%である。この数字はスタックサイズやポジションによって異なるが、基本的な論点は同じである。OOPの3ベッターは、IPのコーラーよりも常に強いレンジを持つべきである。以下では、40bb持ちのMTTでBBの3betに対するUTGのコールレンジを示している:


SBからの3betの場合、BBからのcold4betという追加のリスクを負うため、その差はさらに顕著になる。その結果、この同じシナリオでSBの3ベッターのエクイティは56.3%になり、UTGは43.7%になる。


全般的なCbet戦略


3ベッターがフロップで大きなエクイティアドバンテージを持っていることから、特にポジションの不利が顕著でない低いSPRの時には、Cbetが頻繁に見られると予想される。実際のところ、それがデータから明らかになっている。
次の図は、さまざまなスタック構成におけるCbet戦略の集計を示している。

(インタラクティブチャートはnoteに添付出来ないため原文をご覧ください)


傾向やパターンに気付けただろうか?以下でいくつか説明するが、まずは、自分自身でチャートをじっくりと観察してみよう。

BBとSBの戦略はどのシナリオでも似ているが、BBは常にチェックする頻度がやや高い。BBのCbetの頻度は、ほとんどのベットサイズにおいてSBより低いが、BBの「余分な」チェックの大部分は小さなベットの代わりとなっている。これは、SBの方が3betレンジがやや強いという我々の観察からも理にかなっている。その結果、SBは平均してより多くのエクイティをフロップで獲得し、BBよりも弱いハンドでそのエクイティアドバンテージを押し付けるために小さいベットを使うことができる。

どの構成においても、OOPのプレイヤーは、スタックの深さが浅いほどCbetを頻繁に行う。OOPからポットを大きくするリスクの1つは、後のストリートをプレイすることの難しさであるが、スタックが浅ければ、その心配は少ない。また、ポジションの優位性が低下することで、IPのコールの価値が低くなり、小さいフロップベットでも直ちにフォールドエクイティが得られるようになる。

さらに驚くべきことに、オリジナルレイザーがレイトポジションにいる場合、SBもBBもCbetをする頻度は低くなる。重要なことは、オリジナルがアーリーポジションにいるときはより強いレンジでオープンするが、3ベッターはより強いレンジでレイズすることでそれに対応するということである。つまり、レイズがレイトポジションから行われた場合、オープンのレンジ、3betのレンジ、オープンしたプレイヤーのコールレンジは、オープンがアーリーポジションから行われた場合よりも広くなるという事だ。

実際、最初のレイザーのポジションがレイトポジションになるほど、彼らのコールレンジは3ベッターのレンジに対して相対的に強くなる。これが、レイトポジションのオープナーが3betをコールしたときに、ブラインドのプレイヤーがあまり積極的にCbetを打たない理由である。BTNがオープンしてBBの3betをコールする40bbのシナリオでは、47.4%のエクイティでフロップに挑むが、これはUTGからのレイズ時の45.6%に比べて高い数値である。UTGがAA以外のペアでトラップすることはほとんどないが、BTNはAA、KK、QQをピュアコールする:



ローカードフロップのプレイ


654rは、3betポットにおけるブラインドのCbet戦略がスタックの深さによって劇的に変化するフロップの良い例である。40bbの有効スタックの場合、フロップのSPRはおよそ1.5であり、OOPの3ベッターは事実上どのペアもナッツとして扱うことができる。
このため、OOPでのプレイは比較的簡単である。K6のような脆弱なペアはオールインすればよく、後のストリートをプレイする必要は全くなくなる。強いペアは小さくベットして相手をブラフレイズやフロートしてくるように誘い、それに対して複数ストリートをナッツとしてプレイし続けることができる。BTNと対戦する場合でも、このシナリオではBBにチェックレンジは無い:


しかし、100bbのスタックでは、SPRは4より高くなり、弱いペアでスタック全てをポットに入れてしまう事は危険な提案となる。一般的に後のストリートをプレイするのは難しくなるので、BBはポットが大きくならないようにチェックや10%サイズのベットというオプションを大いに活用する:


SBの3ベットレンジはBBよりもリニアであるため、ディープスタックのローカードフロップでは不利になる。100bbのスタックでは79%のハンドをチェックし、10%の頻度でポットサイズをベットする。ベッティングレンジは、強いが脆弱なオーバーペアとバックドアドローを持つオーバーカードにポラライズされる:

しかし、40bbの場合のSBの戦略はBBに似ている。オールインはないがチェックもなく、スモールペアは少ないが、持っているスモールペアのほとんどは大きくベットする:



Aハイフロップのプレイ


より3ベッターに有利なA64rのフロップでは、SB、BBとも40bbスタックではレンジ全体で小さくベットすればよい。例えばSBの戦略は以下である:

100bbでは、SB、BBともにポケットペアと弱いAxハンドを中心に多くのチェックレンジを構築する。

SB

BB



まとめ


3betポットでは、3ベッターはプリフロップで大きなエクイティアドバンテージを持つため、OOPでもほとんどのフロップで積極的にCbetを行うことができる。実際、SPRが低いおかげで、彼らのポジションが不利になることはほとんどない。3ベッターが不利なポジションでチェックをせざるを得なくなるのは、スタックが非常に深い場合だけであり、その場合でも最悪のフロップ以外では積極的にベットすることで利益を得ることができる。


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