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【翻訳】ターンドンクベットへのディフェンスの仕方【MTT】GTOWブログ.98


ターンでのドンクベットに効果的に対応する事は難しい。その事を避けることは出来ない。だからこそ、自分でそのようなベットを使うことを学ぶのが非常に価値がある理由の一つだ。自分のレンジの認識が必要であり、相手が頑固で直感に反するコールやレイズをする意欲があるのかを試すことになる。




汝の敵を知りなさい


ドンクベットに対抗するには、まずドンクベットを理解する必要がある。特に、よく実践されているドンクベッティング戦略には、注意すべき3つの重要な特徴がある:

  • ドンクベットは通常、ポットの20%程度と小さい。レンジの多くをフォールドする余裕はないので、比較的弱いハンドでもコールしなければならない。14%の勝率がどの程度なのかを直感的に理解するのは難しいので、数学的に勉強して考えることは必須となる。

  • うまく構築されたドンクベットレンジには様々なハンドが含まれる、レイズを気に留めない、あるいは歓迎するハンド(低いエクイティのブラフやモンスターハンド)もあれば、レイズされると厳しい状況になるハンド(セミブラフや控えめなペア)もある。このため、コールとレイズの両方が、あなたの対応の重要な要素になる。

  • ドンクベットの大部分は、相手がモンスターを持っている可能性が高い場面で発生する。このことがレイズを不快にさせるので、相手がベットする動機となる、より控えめなハンドが他にどれだけあるかを認識することが重要になる。



ターンでペアになったときのドンクベットへの対応


このシナリオでは、40bbのUTG対BBのシングルレイズポットを例にとる。J♠ 5♣ 3♦のフロップで33%ポットのCbetをチェックコールした後、BBは3♥のターンで20%ポットのドンクベットをした。UTGの反応からどのようなヒューリスティクスを発見出来るだろうか?

  • UTGのバリューレイズの閾値はおおよそKJである。言い換えれば、QJはほとんどコールし、KJやそれ以上のハンドはほとんどレイズをする。トリップに対してレイズするリスクがあるにも関わらず、これらのハンドはBBがターンのレイズをコールした場合、ほとんどのリバーでバリューでオールインをするのに十分な強さを持っている。J9やJTもターンでレイズすることがあるが、これはオーバーカードに対してエクイティを否定することもが出来ることも理由の一つである。レイズ後のリバーがブランクの場合これらのハンドはチェックバックをする。

  • UTGがAハイやKハイをフォールドすることはほとんどない。改善しなかった場合のKハイはリバーでブラフをかけることもあり、チェックされたらベットし、BBが小さくベットしたらレイズするが、Aハイはビハインドチェックするかブロックベットをコールするだけのショーダウンバリューがある。これらのアンペアハンドはブラフレイズに最適なハンドの候補でもある。

  • ペアになっていないカードのランクは重要である。KTはA6よりも良いコールである。何故ならBBは中位のポケットペアでベットすることがあり、その場合Tはアウツになるが、6はアウツにならないからである。

  • UTGはフルハウスをスロープレーするが、唯一のトリップスであるA3sをピュアレイズする。もし相手が低いトリップスでクーラー(圧倒的有利な状況)になっている場合、あなたが何をしても問題無いだろう。レイズする理由は、Jxや5xに対して、怖いリバーがあなたのアクションを殺す前に、より多くのお金をポット入れさせるためである。そのような手をブロックしていたら、スロープレイは理にかなっている。

ターンの3♥はバドゥーギとなるターンカードだが、3♠であってもそれほど変化は無い。UTGはもちろんフラッシュドローをフォールドすることはなく、ほとんどのコンボでレイズとコールを混ぜる。オフスーツのハンドをレイズする場合、彼らは大きなスペードを持っていることを好むが、これはリバーの♠でそのブロッカーを活用してブラフをする為である。


ターンでフラッシュがコンプリートしたときのドンクベットへの対応


このシナリオでは、40bbのUTG対BBのシングルレイズポットを例にとる。K♠Q♥5♥のフロップで33%ポットのCbetをチェックコールした後、BBは8♥のターンで20%のポットをドンクベットした。UTGの反応からどのような発見があるだろうか?


  • UTGのバリューレイズの閾値はトップ2ペアのKQである。KQはコールとレイズを織り交ぜ、とくにK♥を含むとより頻繁にレイズする。UTGはK8をレイズすることはない。彼らはA♥を持っていればAKとAAをレイズすることができるが、改善しない限りブランクリバーでオールインすることはない。セットは高頻度のレイズであり、特にKxやQxをブロックしていないときは顕著である。

  • UTGのオープニングレンジはボード上のブロードウェイカードと多くの自然な繋がりを持つため、このボードではJ53よりも直感的にMDFを達成することが出来る。QやKのペアは簡単にコールできるし、AT、AJ、JTはコールやレイズができる。下のガットショットであるJ9とT9はピュアフォールドである。55のアンダーペアは、♥が含まれていればブラフレイズに最適である。そうでない場合は、レイズとフォールドが混在するが、決してコールはしない。77と66はブラフをブロックしないので、JJとTTよりも利益的なコールとなる。66は♥があるときだけコールするが、77は♥がなくてもミックスする。

  • 最高のブラフハンドは8xである。これらはコールする価値はあまりないが、素晴らしいブロッカー効果がある。BBのドンクベットの最高のバリューハンドは、ターンカードによって改善されたハンドである。これにはフラッシュだけでなく、ターンのセットやツーペアも含まれ、UTGの8xはこれらをブロックする。

  • ほとんどのフラッシュはコールとレイズを混ぜるが、A♥K♥はピュアコールである。ハンドの中の最も大きい2つの♥で、UTGはBBのレイズにコンティニューするレンジをブロックしすぎているからだ。

  • UTGのレイズサイズはJ533のボードよりも小さく、55%ではなく33%のポットサイズである。一般的に3枚フラッシュのボードではベットサイズが小さくなる傾向があり、そこではハンドの価値はより固定され、強いハンドをブロックするのは自分自身が強いハンドを持っていないと難しいからである。手札にA♥があれば、他のカードが何であろうと、あなたはかなり良いハンドを持っていると言える。そうでない場合、相手がA♥を持っている可能性があるため、大きなブラフを実行するのは難しい。


レイトポジションのときのドンクベットへの対応


UTGは簡単なケースだ。あなたがレイトポジションにいる場合、ドンクベットに対応するのはさらに厄介である。あなたのレンジが広いということは、MDFを達成するためにはさらに弱いハンドでもコンティニューしなければならないということである。

幸いなことに、同じヒューリスティクスがほとんどの場合で適用される。両プレイヤーのレンジが広くなった結果、すべてのハンドが「ランクアップ」したと考える必要があるだけである。例えば、以下がJ533のドンクベットに対するBTNの反応である:

BTNはAxを決してフォールドせず(UTGは最悪のコンボをいくつかフォールドした)、さらにKxやQxもディフェンスする。ペアになっていないJ以下の2枚は依然としてフォールドだが。

KKとQQはピュアレイズする。強いJxはコールとレイズを混ぜるが、弱いJxはピュアコールする。BTNはUTGよりも弱いハンドをコールすることが多いので、リバーでより多くのアグレッションに直面することが予想され、ブラフキャッチャーとして弱いJxをプレイするインセンティブが高くなるはずである。

BTNのコールレンジにおけるJxのもう一つの役割は、チェックされたときにリバーにバリューベットすることである。UTGとは異なり、彼らはターンでピュアコールするストレートドローを多く持っている。そのため、BBはブランクリバーをブラフキャッチャーでチェックコールするインセンティブが高くなり、BTNはこのシナリオでバリューベットできるJxを持つインセンティブが高くなる。

BBの均衡戦略では、K♠Q♥5♥のボードでBTNのオープナーに対して♥のターンにドンクベットをすることはあまりない。BTNはUTGよりも多くのフラッシュを持っているので、BBにとってそれほど有利なターンではない。それにもかかわらず、GTO WizardはBTNのエクスプロイト不可能な反応の仕方を提供する:

ここでもおなじみのヒューリスティクスが表れる。K8は依然としてバリューレイズをしないがセットとKQはよりアグレッシブにレイズしている。ナッツフラッシュはほとんどレイズする(AKを除くが、これはまだブロッカー効果が悪いからだ)。BTNはUTGよりローフラッシュが多く、これらはほとんどコールする。8のペアはレイトポジションの対決でショーダウンバリューが高いため、これはもはや魅力的なブラフレイズではない。その代わり、8や5の周辺を抑える低いストレートドローでレイズする。5以下のアンダーペアもブラフレイズ候補であり、特に♥を含む場合はなおさらである。


練習


このドリルのように、UTG対BBのような単純なケースで、ターンドンクベットへの対応を練習することから始めよう。これをマスターしたら、BTNとしてBBと対戦するこのドリルに進もう。その後、設定を変更して、より浅いスタックや深いスタックのドリルを作ることもできる。



まとめ


スケアなターンカードで小さなドンクベットに直面したときは、自分と相手のレンジを注意深く考えなければならない。つまり、相手がベットする可能性のある多くの弱いハンドや中程度の強さのハンドを考慮し、最悪のシナリオのモンスターに過度に固執しないことを意味する。

あなたは最悪のハンドだけをフォールドする事で対応すべきであり、それはボードとの明らかな協調関係がないハイカードのハンドをコールしたりレイズしたりすることを意味するかもしれない。これは特に、レイトポジションからオープンした場合や、フロップがアーリーポジションのオープンレンジとうまく絡まない場合にとくに当てはまる。

積極的なレイズはブラフを意味するだけではない。それはまた、相手が持ちうる最強のハンドに勝っていなくても、良いトップペア以上のハンドをレイズすることも意味する。スロープレイは例外であり、相手の中程度の強さのハンドを大きくブロックするハンドに限られるべきである。


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