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【翻訳】3betにコールドコールすべきか?【MTT、セオリー】GTOWブログ.94

あなたにアクションの前にレイズと3betがあった場合、あなたは非常にタイトにプレイしなければならない。これは自分のポジション、他のプレイヤーのポジション、有効スタックの深さに関係なく言えることである。ほとんどの人はこの部分を正しく理解している。

難しいのは、フォールドしないときにどうするかということだ。4betするにはどの程度強いハンドが必要なのか?ブラフすべきか?コールすべきか?もし4betするのであれば、どの程度の大きさにすべきなのか?

この記事では、それらの疑問に答えるとともに、さらに多くの点について解説する。




BTNでのコールドコール


もしあなたが最初のレイザーでないなら、ごく少数の例外を除いて、3betをコールすべきではない。

例外はディープスタックでBTNにいる場合だが、それでも稀である。もしあなたのハンドが4ベット出来るほど強くないのであれば、そもそもポットを争えるほど強くはないという事だ。

次の図は、様々なスタックの深さにおける、様々なポジションからのレイズと3betに対するBTNの均衡頻度を示している:

最良の状況では、BTNは90%以上のハンドをフォールドする。最悪の状況では、97%弱がフォールドされる。

スタックが非常に深い場合のみこれらの戦略にコールが見られるようになる。このときポジションの価値が最も高くなり、その結果BTNはスタックが浅い時よりも若干多くのハンドをVPIPする。フロップ後のエクイティがオーバーリアライズされるため、プリフロップで少しリスクを取る余裕があるわけだ。

また、オリジナルレイザーが3betとBTNのコールドコールに直面した場合、コンティニューする事は少し困難になる。ほとんどの状況において、BTNが4betする動機の大部分は、オリジナルレイザーを押し出すことであ離、コールは彼らに魅力的なポットオッズを提供する。スタックが深ければ深いほど、レイズしたプレイヤーはポストフロップでアウトポジションでプレイすることになり、コールや5ベットさえも魅力的でなくなる。

BTNのコールドコールのレンジが最も広いのは、HJのオープンとCOの3betの後である:

これはコンデンスドコールレンジである。BTNは最も強いハンド(AAでのトラップはなく、AKsやKKでもほとんどないことに注意)で4betし、かろうじて、あるいはコールするのに十分な強さではない優れたブロッカーを持ついくつかのハンドをレイズする。

最もコールを好むハンドは、Axsと99-QQのポケットペアである。これらのハンドはどちらも単体のエクイティが高く、マルチウェイポットでもそのエクイティを維持できる。

他の低頻度のコールはボードカバレッジとして機能し、BTNは他の場合には弱いボードで強いハンドを作り、逆の場合には強いボードで弱いハンドを作ることができる。

BTNのコールドコールレンジにAAがないのは、トラップがないという意味ではない。これは単に、このスタックの深さでAAが最良のトラップハンドではないことを表している。このスタックの深さでは、COがオールインしたい場合にベッティングを再開することから非常に利益を得るからである。もしBTNがコールし、HJが4betし、COがフォールドした場合、BTNはJJ-KKとAKをバックレイズする。これらがトラップになるのだ。

しかし、HJが4betしてCOがオールインした場合、BTNはKKのみでコールし、8bbの投資で他を全てフォールドする機会を得る。
HJが4betしてCOがコールしても、BTNはほとんど同じように反応する:


BBでのコールドコール


COからもまたコールドコールはよくないアイデアだ。COがBTNよりずっと悪いポジションだということではなく、BTNのコールドコールのほとんどすべてが、最も遅いポジションからのアクションに直面したときに起こるということである。HJのオープンとCOの3betに対してコールドコールをする機会があるのはBTNだけである。レイザーも3ベッター側もより強いレンジを持っているため、アーリーポジションのアクションに対してのコールドコールはあまり魅力的ではない。

ポジションがあって(少なくとも3ベッターに対して)コールドコールする機会があるもう一つの席はBBである。以下はBTNのオープンとSBの3betに直面したBBのスタック深度別の頻度である:

BBはCOやHJがオープンしてSBが3betしたときにも少しだけコールドコールをするが、その頻度はごく僅かである。相手のレンジが強くなるにつれ、BBはコールドコールの恩恵を受けるような控えめなハンドをプレイするインセンティブが少なくなる。
100bbでは、BBのコールドコール戦略はBTNのそれとよく似ており、ビッグスーテッドカードと中位のポケットペアに重点が置かれている

しかし有効スタック60bbでは、彼らのコールドコール戦略はAAを中心に組み立てられている:

これはマージナルなハンドでフロップ後のエクイティを実現するためというよりもむしろ、ナッツを持っている時に相手をポットから追い出さないようにするためである。100bbの時とは違い60bbのスタックでは、コールドコールの後のほとんどのフロップでAAをナッツとして扱うのに十分なほどSPRは低くなる。

BBが30bbでコールドコールし、40bbでコールドコールしない事は奇妙に見えるが、これは3betの大きさによるものである。より浅いスタックでは、BTNのオープンとSBの3betサイズが小さくなり、BBにとってオールインの魅力がやや薄れ、コールの魅力がやや増す。繰り返しになるが、ここでのコールドコールでもAAが最高の候補になる:


ICM


コーチとしての経験では、生徒達が4ベットすべきハンドでコールする理由として最も私に言ってくる説明は、大きなポットを作ってプリフロップでオールインする可能性を作るよりも、より安全で低分散な選択肢を取ろうとしていた、というものである。

しかし、ICMシミュレーションを見直すと、コールは低分散の選択肢ではないことは明らかである。実際、ICMのシミュレーションでは通常、コールは少なくなり、レイズかフォールドの反応が多いことが示されている。これは、ショーダウンが分散の最も大きな原因であり、コールするとショーダウンまで行く可能性が高くなるからである。
あなたがフォールドするときには分散は無い。何も得られないからだ。レイズをすると、相手にフォールドする機会を与えることになり、これも分散が低く確実な結果をもたらす。

分散を減少させることによりトレードオフで失うものは、より多くのチップを蓄積する機会であるが、ICMが要因である場合、これはしばしば価値のあるトレードオフである(得られるチップは失われるチップより価値が低い)。ChipEVモデルにおいて、レイズの代わりにコールする非常に強いハンドは、より大きなポットを獲得する機会と引き換えに、ポットを失うリスクを負うことになる。ChipEVモデルでフォールドの代わりにコールをする弱いハンドは、時折大きな勝利を得る代わりに、小さいポットや中程度のポットをかなりの頻度で失うことが予想され、これはICMが奨励することとは正反対である。


レイズサイジング


人間のプレイヤーの多くが4betを最適より少ない頻度で行なってしまうもう一つの理由は、レイズの大きさについての誤解にある。3betのサイズは最初のレイズの3倍から4倍程度になりがちであるため、多くのプレイヤーは同じテンプレートを4betにも適用したくなる。しかし、4betのサイズ、特にコールド4betのサイズはこれよりずっと小さくても良い。その理由はいくつかある:

  1. たとえ有効スタックが100bbであっても、フロップでSPRを低くする為には小さな4betで十分である。つまり、あなたの最も強いハンドであるビッグポケットペアは、ほとんどのフロップで快適にオールイン出来る為、ポットを大きくするために大きな4betを必要としない。

  2. どんなに小さな4betでも、残りのスタックを活用して不釣り合いなフォールドエクイティを得ることができる。コールド4betに直面した3ベッターは、ポットオッズだけでコールするかを決めることはできない。彼らはフロップ後のベットのリスクも考慮しなければならないし、SPRが低いので、地雷を仕掛けたり、他のロングショットを追いかけたりすることはできない。TTやJJのようなペアであっても、4ベッターのレンジにはより大きなペアが多いため、ローボードでスタックオフするのはあまり良い気分ではないだろう。

  3. オリジナルレイザーからのフォールドエクイティは、コールド4betを補助する。あなたの小さな4betが3ベッターから多くのフォールドを引き出せなかったとしても、あなたはオリジナルレイザーのオープニングレンジの大部分をポットから弾き出すことによるフォールドエクイティから利益を得ることができる。この目的のためには、4ベットの大きさはほとんど関係ない。

  4. コールド4betのレンジはリニアである。コールドコールが全く魅力のないオプションであるため、コールド4betレンジは最もエクイティの高いハンドのみで構成される。比較的小さな4betサイズは、より薄い4bet、つまりあなたがコールしたくなるようなハンドに対応するために不可欠である。これらのハンドで利益を得るためには3ベッターのレンジに弱いハンドを残す必要があり、彼らが5ベットにフォールドすることになった場合の損失を削減するというメリットがあるからである。

100bbのスタックの場合、GTOウィザードはIPのときは8bbの3betに対して20bbに、OOPのときは21bbに4betをする。有効スタックが少なくなると、そこからレイズサイズはさらに小さくなる。40bbのスタックの場合、6.3bbの3betに対してIPでは12bb、OOPは13bbに4betする。

このようなスポットで4betする場合、フォールドエクイティがもっと多ければ良いのだが、実際このサイズが5betオールインに対してフォールド出来る最大のサイズであるということである。もしあなたがこれ以上のチップをポットに入れたら、あなたはオールインをコールするのに非常に良い価格になってしまい、より薄いハンドを4betする余裕がなくなってしまう。このスポットでプレイするハンド全てで40bbを賭けなければならないとしたら、プレイ出来るハンドはさらに少なくなるだろう。

とくにOOPの時にこのような魅力的なオッズを提供することで、他のハンドよりも多くの損失を被るハンドもある。従って、4betレンジの真ん中のハンドでオールインをする一方で、追加アクションを誘発したい強いハンドと、オールインされた時にフォールドする余地を作る弱いハンドが、この小さな4betをするという分割戦略を見ることは珍しくない。例えば、40bbのスタックでHJのオープンとCOの3betに対するSBの反応は以下の通りである:

100ベットでも、IPの3ベッターからコールをされるリスクを冒すより、特にプレイしにくいハンドを4betオールインするケースもある:

この効果はICMモデルではさらに顕著である。25bbのスタックで、フィールドの25%が残っている場合、SBは10bbに4betし、25bbのオールインにフォールドするレンジすらも構築する:

ChipEVモデルでは、ソルバーはこのようなレイズを決してしない。なぜなら、どのようなハンドでもレイズした後にコールすることができると考えるため、単純に自らオールインを選択する事を好む。しかし、ICMモデルでは、プレイヤーのスタックに残っているチップはポットのチップよりも価値がある。そのため、残っているチップを現金価値で測定すると、コールのオッズはそれほど魅力的ではなく、SBにはまだフォールドする余地があるとみなす。

彼らはオールインにはフォールドするだろうが、これらの薄いレイズはブラフではない。これらはすべて、3ベッターが4betをコールした場合に、十分にディフェンス可能なエクイティを見込めるハンドである。これが、レンジがリニアであるということの意味である。ポストフロッププレイの可能性を考えると、自分のベストハンドだけをコールド4betすべきである。相手がオールインしてきたときにそのレンジの底がどうであろうと関係ない、なぜならあなたはそれをフォールドするだろうからだ。もしあなたの4betがコールされたら、あなたは72oではなくAQoを持っていることに感謝するだろう。


まとめ


あなたの前でレイズとリレイズがあった場合、それに対してコンティニュー出来るほど強いハンドはほとんどない。3ベッターに対して自分がそれなりの状態であると思っていても、(キャップされていない)オリジナルレイザーのことも考慮しなければならないからだ。だから、自分のポジションやスタックサイズに関係なく、ほとんど全てのハンドをフォールドすべきである。

フォールドしない場合は、大抵は4betをすべきである。これらのコールド4betのサイズは、特にICMが重要な要素になる場合には、かなり小さいものになる。しかし、もしあなたが多くのアクションを前にして継続する強さを見せようとするならば、一番避けたいことは、相手にあなたの強いハンドを逆転するようなフリーカードや安いカードを与えることである。そして、もしあなたが強いハンドでないのなら、それはすでにマックの中にあるはずだ。



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