わたしを離さないで(日本、ドラマ、2017)

2020.10.14

原作読了済。海外版映画視聴済。
三浦春馬さん出演作品につき鑑賞。

”死”に向き合う作品。

クローンという人間の命を存続させるために作られた存在が、不条理な世界の中をそれでも最大限前向きに生き抜く姿を見て、生きる意味とはなんなのかを考えさせられる。

クローンには、臓器提供という使命があって叶えられる夢や見ることのできる希望、自分の命の使い方が限られている。人間が憲法によって守られている基本的人権を持つこともできず、真実を知れば目の前が真っ暗になることは容易に想像ができる。

その世界の人間は、寿命を延ばしてどうするのか。その命はどのように使われるのか。クローンを作ったとして、それがもし自分と同じように感情を持っていて、与えられた使命に苦しめられることがわかったら、それを止めるのだろうか。自分の命とは何なのだろうか。

生きる希望とか、苦しみとか、根本的すぎて、深く考えたところで正解のないもの。命ってそれ以下でも以上でもない、みんなが持ってるもの。幸せとか夢とか希望とか、自分が生きる意味なんて考えたところで思うようにいかない苦しみを味わうくらいなら、意味なんてなくてもとりあえず生きるって方が健康的。でも、夢とか希望が持てる人生を送れるなら、それを考えて生きることは、苦しいだけじゃなくて活力にもなる。命は有限だからこそ、それぞれ違うからこそ、社会が成り立ってる。生きるために社会が必要で、社会のために生きてる。だから自分の中に生きる目的がなくなったら社会だっていらない。自分は何のために生きるのか。簡単に手に入るそれっぽいものじゃなくて、根源的な何かが欲しい。儚い一生だからこそ。やっぱり愛なのかなぁ。

いつも笑顔の人が必ずしも幸せなんて限らない。元気なふりしながら影で苦しんでるかも知れないし、その苦しみは本人にしかわからないことだから理解はしてあげられないかも知れない。そんな時に自分ができることってやっぱり、未完成でも正直に生きてるしかない気がする。他人を傷つけて自分を守るのは避けたい。だれも傷つけないで生きるなんてできないけど、それが前提になったら悲しい。他人を傷つけちゃダメなように、自分も傷つけちゃいけない。自分に正直に生きたい、他人を傷つけずに。

神秘的な気持ちになりたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?