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仕事と不妊治療

あらゆるSNSで仕事と不妊治療の両立で悩んでいる人を数多く見る。わたしもそのうちのひとりだった。職場の妊婦ラッシュ、マタハラ、業務過多によるストレスで7月末で退職してしまった。上司からしたら子どもいない・妊娠してない中堅なんて使いたい放題。夜勤は際限なく入れられるし、治療中である旨を伝えているのにもかかわらず「自分のタイミングで子ども作っていいんだからね。」「いつでもいいんだよ?」と言われる始末。できてたら不妊治療なんてしてないっつーの!と言いたいのを我慢して苦笑い。妊婦ラッシュの先陣を切った同僚からは「これ以上妊婦増やしてどうするんですかね?」と子どもを欲しいと思っているわたしに言ってくるんだから精神的におかしくなるのも時間の問題だった。子どもがいる人が圧倒的に多い職場だったし、何なら「3人目は事故だった。」「レスだったのにうるさいから1回したらできた」なんて話も飛び交う中でなんでわたしは授かれないんだ?と頭を抱えた。ある日、張り詰めていた糸がぷつんと切れてから「辞めます。」と宣言して辞めるまでの時間はそんなにかからなかった。

あんなに働き続けていたのに、退職してから家でぼーっと過ごしている。時間がありすぎて何をしたらいいのかわからないし何もやりたくないなと思う日が多かった。幸い夫はわたしが家事をしないで1日中寝ていても「たくさん寝れてよかったね!」と言ってくれる。やさしさに甘えると同時に自分が何もしていないことに対して罪悪感も覚えるようになったのは最近のこと。家に居続けるのはだめだ、また働こう!と思ったときにある問題にぶち当たった。


不妊治療中の人を雇ってくれる職場がない

ということだ。仮にも看護師。引く手あまた。どうせなら長く働ける場所を、と思って産休育休の取得率の高い職場・子育て世代の多い職場に問い合わせをするが「働き始めてすぐにお休みが多いのは正直困ります。」「働き始めてすぐに子どもができてしまうとちょっと…」と面接を受ける前に遠回しにお断りをされてしまう。応援しているのは“子どもを産んだ人”であって“子どもを欲しいと思っている人”ではないんだな、と痛感する。辞めたころは「不妊治療してるって内緒にして働けば?」なんて言っていた夫も最近は「不妊治療ってそんなに悪いことなの?そんなこと言う職場は辞めたほうがいい!」と代わりに怒ってくれるようになったのには思わず笑ってしまった。

ハローワークの職員さんも「不妊治療しながらの就職って難しいんだよね。」「こんなこと言うのあれだけど働くことより子どもを授かって無事に産むことのほうが大事だよね。」「不妊治療していても勤務時間の調整をしてくれて子どもを産んだ後も働ける場所ってなかなか見つけるの大変だから直接HPとかから問い合わせして園を見学しながら交渉するのも1つの手だよ!」なんてアドバイスをいただいたので実践している最中だったりする。

不妊治療と仕事の両立、子どもを欲しいと思っている人がみんなどちらかを失わずに済むようになったらいいのにな。

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