「ネット広告運用”打ち手”大全」読んでみた

----------書籍情報----------------

書籍名:ネット広告運用”打ち手”大全
著者:賓 洋平


■はじめに

今週も、戦略をたてられるようになるために、まずは戦術を、と思い本書を選考いたしました。
クライアントワークをするうえで、広告の運用スキルはあまり必要ないといわれることが多々ありますが、
実際に運用ができなくとも、知識を得ておく必要はあると思いますので、しっかりインプットをして、戦略に活かしたり、クライアントからの疑問や不安に答えられるようにしたいと思います。

他のコンサルタントからしたら当たり前のことも、私はまだまだ分かっていないことが多いので、ここの知識の差もうめたいと思います。
新しく入ったりょうくんや青木さんと出来るだけ同じ知識で会話することで、MTGも活発化し、よりチームやクライアントの売上に貢献できると考えます。

■機械学習に適したアカウント構成を意識する

これまで、広告グループをキーワードの数だけ作成するなど、出来る限り細分化しようとする傾向がありました。このような手法がとれられた背景には、キーワードに対して狙い通りの広告文を出せるよう、人間が厳密にコントロールする意図があったと考えられます。
しかし、現在では、広告グループを細分化しすぎると、データが分散してしまい、機械学習に必要な「量」や「バリエーション」が蓄積されにくくなるリスクがあります。

いままで、広告グループの数はどの商材もおおよそ3つくらいなんだな…と漠然と感じていましたが、
それにもちゃんとした理由があったのだなと思いました。

各ツールの機会学習は、人間の考えるはるか上をいっているものも多く、運用ツール問わず、こうしたAI技術にはいい意味で頼り、活用していきたいと思います。


■広告の品質改善で見るべき3つの指標

本書では、広告の品質改善のために注目する指標として「推定クリック率」「広告の関連性」「ランディングページの利便性」の3つがあるといいます。

推定クリック率:広告文の見直しをはかることが必要
広告の関連性:関連性が低いと評価された検索語句を見つけ出し、その語句を含めた広告文をつくる
ランディングページの利便性:関連性の高いページを設定し、モバイルでのページ表示速度に問題がないかを確認する

■「虫の目」と「鳥の目」を使分ける

AIの役割として、本書では、
運用者はマネージャー、機械学習は現場のスタッフである必要がある。自動入札においては、運用者と機械学習の関係を、組織における「マネージャーと現場の関係」におきかえて理解してください、
と書かれています。

マネジメントのスタイルには、大きくわけて「マクロマネジメント」と「マイクロマネジメント」があり、
「マクロマネジメント」は、マネージャーが全体の方針やゴールだけを明確にして、現場は別担当者に任せてしまいます。
「マクロマネジメント」は、マネージャーが、ゴールの達成方法を細かく現場に指示します。

上記のような「マクロマネジメント」だと、現場は独自に動くことができず、指示通りに動くようになります。
しかし、AIの場合(もしくはそれ以外でも)、それでは問題です。

そのため、従来よりも視点をあげた広告運用が求められるといいます。
先ほども記載しましたように、従来では、機械の自動化をあえて細かく設定することで、人間がマイクロマネジメントをしていました。

しかし、自動入札は、イメージとして「AIを現場のスタッフとして扱う」ことが必要になるといいます。
Adwordには、すでにとても細かいレポートが用意されていて、人間が判断可能なレベルを超えた膨大なデータから、コンバージョンを獲得するための必要なデータを導き出して、最適化をかけています。

そのため、私たちが必要になってくるのは、現場を事細かに「虫の目」で管理や分析をすることではなくて、
より大きな視点をもち「鳥の目」で事業拡大のための方向性を示していくことです。

上記のような考え方は、広告運用に限らないと感じました。
今までずっと現場をやってきた人間のため、どうしても思考や視点が現場よりになってしまうことがありますが、
これからは、現場は外注や依頼できるところに任せ、自分は鳥の目をもって全体像をみて方向性などを示していけるようになりたいと思います。

また、細かい運用ばかりに気を捕らわれているクライアントがあれば、上記のような話で説得ができればと思いました。

■まずは週50件のコンバージョンを目指す

・一定数のコンバージョンで機械学習が円滑に働く
最初に50件/週を獲得することで、機械学習が円滑に働き、「どうやったらコンバージョンが効率的に獲得できるか?」という視点で、配信の最適化が行われる。

・「推定アクション率」の向上にも必要
週50件のコンバージョンを獲得することで、機械学習を向上させる以外にも、Facebookでの広告の評価を決める要素の1つ「推定アクション率」を高めるためにも必要。
コンバージョンが取れないと、さらに配信量が減少し、さらにコンバージョンが獲得できなくなる可能性がある。

・達成が難しい場合にはマイクロコンバージョンに切り替える
週50件のコンバージョンが難しい場合には、購入完了ではなく、カスタムコンバージョンをCTAボタンのクリックや、カート投入に切り替えることで達成する。
実際に売り上げが増えるわけではないが、広告の最適化には意味がある。

先日、実案件でも、CTAボタンのクリックのみでコンバージョン計測をしている案件があり、上記の意味を理解しました。
その時も、数値報告の際にクライアントに理由を聞かれましたので、こうしたクライアントが不安に思うようなことについては、しっかり説明ができるようになります。


■動画広告は画像よりも効果的

Facebookは、画像よりも動画広告のほうが成果がいい。
動画というと、CMのような「認知」のための広告と思われがちですが、しっかり「獲得」を狙った広告として機能する。
と本書ではいいます。

コンバージョンまでの流れは、いたって通常の「広告のクリック→ランディングページ→フォームの送信→お申込み完了」というシンプルなものですが、
結果、平気的に動画広告のほうが画像広告よりも成果がよかったといいます。また、スライドショー広告やシネマグラフも、動画並みの威力があるといいます。

その理由として、動画のほうがエンゲージメントが高まりやすいという理由があります。
筆者がテストした際にも、コンバージョン率、クリック率、CPAのいずれも動画のよかったものの、一番差が出たのがエンゲージメントだったといいます。

これからは、誰かの指示で広告を回すというよりかは、
広告運用の裁量も自分の案件として任せていただける部分だと思いますので、
Facebookを行う際には、積極的に動画広告を試していきたいと思います。


■クリエスティブのテストは、4象限でテストする

どのような画像だと広告効果が高いのかは、実際に広告を流してみないとわかりませんが、
クリエイティブのテストをする際には、4象限にわけてテストするといいといいます。

例えば、セミナー案件の場合、
女性的、男性的
堅い、やわらかい
と印象をわけて、写真を4枚選択します。

それぞれの画像で配信し、反応のいい傾向がわかってきたら、その傾向がある画像をまた追加し、テストしていく、という方法ができます。

画像1

ランダムでの画像テストもスピード感として重要ですが、こうした意図をもったテストも行い、次回以降の改善や案件につ流れられるようにしたいと思いました。

■まとめ

細かい運用の設定方法まではまだまだですが、こうしたインプットにより、不安だった広告の部分の話の大枠も理解できますし、答えることができると思いました。

また、印象としては鳥の目と虫の目の話がとても印象的でした。
これは広告が、、というよりも、普段の業務として、私も外注に依頼をしても、とても細かいところまで気にしたり、指示を出してしまいます。
最初は重要かもしれませんが、もっと周りに任せていいこうと思います。また、自分も上から任せてもらえるようになります。

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