「起業の科学」を読んでみた

----------書籍情報----------------

書籍名:起業の科学
著者:田所雅之

■はじめに

今週も、先週同様、経営の本を選考いたしました。
(ご教示いただきました本は先程届きましたので、これから拝読させていただきます。)

本書は経営のスタートアップに必要な知識が書いてあり、経営だけではなく新規事業などにも必要な内容になっています。

経営者が事業を立ち上げる際に、どんなことを考えているかを学ぶと同時に、御社Webのコピーライターという自分の立場だったら、この知識からどんなことができるかを考えました。
下記に、学んだこととや、自分でも出来ることを記載しました。

■他と同じことをしていては、遅い

本書では、スタートアップのサービスとして「誰が聞いてもいいアイデア」というのは、とても危ないことだと書いてあります。

というのも、「誰が聞いてもいいアイデア」は、必ずどこかの誰かも考えたことのあるサービスであり、すでに世の中にあるサービスである可能性や、サービスとしてやらなかった理由があるからだといいます。
「競争は負け犬のすることだ」と、本書ではレッドオーシャンへ参入することへの危険性も記載がされています。

ヒット商品は、「言語化されていなかった人々の悩みを言語化すること」から始まり、実際に数々のヒット商品は、最初は一部の人にとっては何の価値がなかったり、一見価値に気が付きにくくても、
特定のユーザーや環境に合わせて具体的な使用エピソードを語ると、「言われてみれば、そういうのがあったら便利だな」というものが多いといいます。

これは、スタートアップのサービス作成時でも言えることですが、コピーライティングにでも言えることだと思います。
他社と同じ商品でも、決して同じ土俵で戦う必要はありませんので、レッドオーシャンに飛び込むのではなく、別の切り口・訴求で商品を売ったり、ターゲットを変えることで、「言われてみればそういう使い方もある」とか、商品の魅力を見せることができると思います。

また本書では、「現代は、インターネットやSNSの普及から、イノベーションが高速化している」といいます。
その結果、製品やサービスの「旬」が短くなり、「後多いの製品」や「二番煎じの製品」を作っても、追いつけないケースが増えたといいます。

上記のような傾向からも、既製品に既製品と同じ切り口や訴求でいくのは得策ではなく、「ユーザーのニーズに合っていて、他がやっていないこと」を追求する必要があると思いました。

■スタートアップで捨てるべき「会社員の常識」

「嘘の仕事はやるべき仕事に比べて、簡単で楽しめるものだ。」「ビジネスパーソンの多くは、忙しい、と言いながら、取り組むべき難題を脇におき、価値を生み出さない仕事に時間を費やしている。」
という、サム・アルトマン氏の言葉が書かれており、スタートアップ時には、下記のような行動はとるべきではない、本書ではいいます。

◯完璧な計画を練ろうとする
スタートアップが最初に思いつくアイデアは、顧客にヒアリングしていく過程で変わる可能性が高いので、最初から完璧な計画や、予算管理や資金計画まで考えるのは時間の無駄。

また、こうした計画を建てたが故に、最初のビジネスモデルに執着してしまう人もいますが、これは典型的な失敗例。
基本的に、ビジネスは顧客の反応によって左右されるもの。

→最初の準備段階で迷いすぎたり、止まるのではなく、何かしらユーザーの反応がとれる形に早くもっていき、その結果に基づいたPDCAができるように促していく。
また、同じ形にこだわるのではなく、変化が必要だと気がついた時点でこちらから新しい発想の提案などを行い、
もらっている予算内でリスプラで出来ることと、クライアントに準備してもらう必要があることなどを提示してみる。

◯継続的改善にこだわる
PDCAを回すことは重要ですが、限りある資金と時間のもとで結果を出すことを要求される場合、方向性がはっきり見えていない初期の段階では、細かい改善を積み重ねるよりも、計画を大胆にピポットしたほうがいいケースもある。コツコツ改善を積み重ねるのは、方向性が見えた後でも遅くない。

→最初から切り口を狭めたテストをするのではなく、大きく訴求の違うテストから始める。
細かいコピーのテストなどは、その後から行うようにする。

◯ミスをしないことが美徳ではない
日本では学校でも企業でも「以下にミスをしないか」が美徳とされてきて「テストで満点を取る人」が優秀とされてきたが、
スタートアップの世界では、「解答用紙や模範解答がある」と思うこと自体が大きな間違い。
新しい問題の設定と、それに対するユニークな解答方法を自ら作ることがスタートアップの役割。

また、ミスがあったとき、犯人探しに躍起になるのではなく、なぜ失敗したのかを突き詰めて、組織として学びを深めていく必要がある。

→ある程度売れるとされている型があるが、それに沿うだけではなく、こういうことも出来るのではないか?と柔軟な考えをもち、それをチーム内に発信する。一人で考えて、「でも違うかもしれないし…言わないでおこう」としない。
また、ミスがあったときは原因を明確にし、その原因と改善策を共有する。

■事前に、MVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)を使う

MVPは、「実用上最小限の製品」という意味で、商品を正式に販売する前に、「この商品はユーザーがお金を払ってまでほしいと思う商品なのか?」といったことを確認するためのものだといいます。

このMVPの考え方は、商品を作ることが出来なくても、試しに広告を回してみる、という方法でも出来ることだなと思います。
ここでは、ランディングページMVPというものも紹介されていて、たった1時間で作った「◯日から、こんな商品を販売します」という募集を募った簡単なランディングページでも、商品の有効性を見ることができるといいます。

今までは、ローンチパッケージを作っている間に、数十日かけて1枚セールスLPを作って広告直で配信しておく、というやり方をしていましたが、
これは検証のスピードを上げるためにやっていたもので、事前に検証できるというMVPとしての役割は担えていません。

本当に1日や2日で作れてしまうくらい簡素なLPを作って、ユーザーの反応を事前に見てみる、というのもこれからのサービス提供の方法として、試してみてもいいのではないかなと思いました。

■まとめ

本レポートでは、御社Webの動きとして行動に移せるものを中心的に書かせていただいたのですが、
本書を読んで、スタートアップ事業を作るためにはかなりの準備が必要だということを学びました。

正直、自分が想定していたよりもまとめるべき情報や、リサーチすること、商品を販売する前に試してみることがとても多く、驚きました。

クライアントである経営者の方々は、必ずしも本書と同じような準備をしていなかったとしても、それと同様の準備であったり、心構えをして、リスプラに依頼している方ばかりだと思います。

ただ、それでもうまく行かないことも多い、というのが現実なのです。
事業をうまくやっていくためには、これまで準備をしてきたクライアントがもっている情報、リサーチ内容、専門知識と、私たちの持っている知識や経験をしっかりと掛け合わせることが重要で
どちらか一方だけの力では絶対にうまくはいかないなと思いました。
もっとクライアントからの情報をキャッチして、二人三脚で進めていくようにします。

◯事前に簡単なLPを作って広告を回してみる
1,2日くらいで作れるようなLPを作成し、ユーザーの反応を見るために使ってみる
テストをする場合は、大きな訴求のテストなどから入る(細々としたテストは方向性が見えてからする)

◯二番煎じでは遅い
他社がやっている同じことをするのではなく、
ユーザーのニーズに合っていて、他がやっていないことを探す。

◯正しい発想を見つけようとするのではなく
柔軟な考えを持ち、それをチームに共有する。
訴求を考えるときなど、これは違うかもな…。と思い言わないという選択を取らない。





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