成功要因レポート No9

はじめに

今回は、鴨頭嘉人さんのマーケティングについて分析し、考察することとしました。
鴨頭さんは、先日私が行ったLINEセミナーでも、リッチメニューなどの他社事例として一部使わせてもらったのですが、本当にとても作りこみがされていて、もう少し詳細に分析をし、今後に活かせないかと考えました。

今まで御社のWEBは、新しいビジネス展開や、ゼロイチで商品を売っていくような支援も行ってきました。
しかし、今後の御社WEBは、ゼロイチの支援よりも、すでにある程度そのビジネスで売上が立っていて(広告等では一定の成果がでている状態)、そこから”さらにビジネスを拡大していく施策”として、御社WEBが位置するようになります。

そうすると、今まで以上に各種SNSやOM、LINEの施策など、
広告ほど売上に直結はしないが、拡大には必須である、という部分での知見を集める必要があります。
そのため、今回は「YouTube総再生回数は2億回以上」「チャンネル登録者数も100万人以上」、「LINEの友達登録者数約7万人」という実績を誇る鴨頭さんを分析しようと考えました。

すべての媒体を見きることが出来なかったため、今回は「LINE」と「YouTube」に特化して記載します。
LINEは私自身、友達登録して約2週間になり、シナリオが動いている途中なので、またLINEのシナリオが進んだ際には、その行く先も含めて、再度レポートにまとめたいと思います。

鴨頭嘉人さんについて

一部抜粋して、プロフィールを記載します。

鴨頭 嘉人
株式会社東京カモガシラランド 代表取締役社長

話し方の学校 学長/スピーチ研究家/スピーチコンサルタント
かも出版 代表
人間力大学 東京校 校長
練馬区倫理法人会 相談役
茶の湯 東京武士道会 リーダー

19歳で日本マクドナルド株式会社にアルバイトとして入社。30歳で店長に昇進。32歳の時にはマクドナルド3300店舗中、 お客様満足度日本一、従業員満足度日本一、 セールス伸び率日本一を獲得し最優秀店長で表彰される。 その後も最優秀コンサルタント。米国プレジデントアワード。 米国サークルオブエクセレンスと国内のみならずワールドワイドの表彰も 全て受賞する功績を残す。
現在は人材育成・マネジメント・リーダーシップ・顧客満足・セールス獲得・話し方についての講演・研修を行っている日本一熱い想いを伝える炎の講演家として活躍する傍、著者としてもリーダー・経営者向け書籍を中心に15冊(海外2冊)の書籍を出版する作家としても活躍。
さらには「良い情報を撒き散らす」社会変革のリーダーとして毎日発信しているYouTubeは総再生回数は1億回以上再生され、チャンネル登録は100万を超す、日本一のYouTube講演家として世界を変えている。


「鴨LINE」の参考点と考察

それでは、さっそくLINEから見ていきます。

顧客情報の取得
これまで、LINEの1通目は、何か目的にそってどんどん情報を送ったり、セールスステップの1通目を送ったり、というのが私たちがやってきた方法でしたが、
鴨頭さんのLINEは、まずは顧客情報を取るというのから行っています。

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LINEはメールと同じようにメッセージを送るツールとして使うことができますが、大きな違いの1つとして、顧客情報を詳細まで蓄積することができるというのがあります。
その特性を生かして、性別や年齢、ユーザーが出会ってからどれくらいでLINE登録までいってくれているのか(ファン化までの期間)などを調べられています。

後々の分析用に、一番ユーザーの熱量が高いタイミング(登録直後)にアンケート入力などを促しているのがわかります。


■営業に焦らず、信頼関係の構築を”体験”させる

正直、私がLINEの友達登録をしてからまだ日が浅いので、この先どんなフローが組まれているのが全貌は分からないのですが…
友達登録から現在2週間弱が経過していますが、書籍の紹介などはあるものの、がっつりとしたセールスは特段かけられていません。
(もしかしたらそもそもLINEをセールス用として活用していない可能性もあるが…)

ただ、一つシナリオは走っていて、鴨頭さんのこれまでのYouTube動画、約1,500本の中から選ばれた超BEST7の動画を送るというものです。

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上記のように「興味ある」を押すと、翌日から7日連続で動画が1本送られてきます。
(翌日と言いつつも、鴨頭さんのターゲット層ならどんな人でも興味がありそうな動画を当日に送ってくれる。これにより明日からの動画がさらに楽しみになる)

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上記のシナリオが走り始めてから、私は今日現在で7日目で、最後の動画が送られてきたところなのですが、特段セールスとかもかけられていません。
(送られてくる動画内でもセールス要素はありません)

内容は興味深いものばかりですし、下記の画像のように、アウトプットフォームまで用意してくれているので、鴨頭さんがHPや動画内でもいっている「良い情報を撒き散らす」社会変革のリーダーというのを体現されているように感じます。

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こういった本当にいい情報だけを送ってくれる人として、鴨頭さんのアカウントは信頼できるアカウントとなってきます。
(マネタイズの匂いがほとんどしない)

また、こうしたコンテンツだけではなく、
送られてくる文章も本当に鴨頭さんとLINEでやりとりしているような感覚になる言葉が使われています。
上で使っている画像とかを見てもらうとわかるのですが、変にかしこまっていないし、ビジネス感のない、自然なやりとりな感じが、そう思わせると思っています。

こうした、
・自分がほしい優良コンテンツだけが送られてくる
・言葉使いも気軽で、本当に鴨頭さんとやりとりしている感覚になる
といったものにより、

これまでの「権威性をこちらから示して信頼度をあげる」「セールスの間に信頼をあげるコンテンツをいれる」といった方法とは違い、
信頼関係やコミュニケーションが成り立っていく感覚を体験することが出来ると感じました。

ただ言われた情報をインプットするだけの信頼関係より、体験した信頼関係のほうが信頼度が高いと思いますし、
こうした信頼関係が築けることで、後々のセールスがよりしやすくなります。

以前、菊池さんから「ユーチューバーからものが売れる理由は、”普段そういった営業や物売りをしない人が売るから、信頼度があって売れる”」と聞いたことがあります。
芸能人がTVとかで特集をしても「どうせCMでしょ」「お金もらってるんでしょ」と疑いがかかりますが、ユーチューバーはいつもただただ面白かったり、ためになるコンテンツを提供してくれている人たちなので、たまに商品紹介をすると、「本当にいい商品だから紹介してるんだ」と思われて売れる、と聞きました。

鴨頭さんのこのコミュニケーションの取り方というのは、それに近しいなと思いました。


■情報豊富なリッチメニューで、ユーザーのマネタイズ~ファン化が勝手に進む

また、興味深いコンテンツが毎日送られてくるのでちょくちょくLINEは開いてしまうのですが、そこで目につくのがリッチメニューです。

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鴨頭さんのリッチメニューは4面になっていて、
ここから鴨tubeや各種SNSへ飛んでさらに学びを深めたり、ファン化を促すこともできますし、
有料セミナーやオンラインサロンへの入会、書籍の購入を促してマネタイズを進めることもできて、
とにかく網羅性の高いものになっています。

先日のLINEセミナーでも紹介させてもらったのですが、このようにリッチメニューを活かすことで、LINEが一つのプラットフォーム化することができます。
友達登録された人たちから、マネタイズ化~ファン化までが、ユーザーが思い立った時に勝手に促されるようになるからです。

クライアントの中でも、意外とリッチメニューを簡単に4分割の画像1面とかで終われせている方が多いですが、
リッチメニューの作りこみは、自動的にファン化~マネタイズが進むものなので、友達人数が多いアカウントなら尚重要だと思いました。

「鴨Tube」の参考点と考察

ここからは、YouTubeについてです。
(鴨頭さんは何かと「鴨~~」とする)

■膨大なコンテンツと細かいカテゴライズで、ユーザーの囲い込みができる

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上記のリッチメニューがそうであるように、鴨頭さんのYouTubeは、細かくカテゴライズがされていて、ユーザーのニーズに沿った動画がすぐにわかるようになっています。
欲しい情報を見つけるのが簡単というのと同時に、自分のニーズにあったものだけが手に入るというメリットがあります。

チャンネルだけでも、奥様のものも含めて4つ…。

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また、自分のニーズにあったものだけが手に入るというメリット以外にも、そもそも鴨頭さんの動画は、先ほども記載したように1500本以上もの動画が公開されています。
そのため、それだけ多くのターゲットの囲い込みができています。
(この本数でカテゴライズが出来ていなければ欲しい情報も手に入りにくいので、そういう囲い込みは意味でも囲い込みの手助けになっていると思います。)

また、細かいカテゴライズにより、まずは見たい動画だけ見てって、その他の動画やちょっと興味のあるカテゴライズにも手をだしていき、ファン化が進んでいくというのもあると思います。

鴨頭さんの場合、YouTubeが新ユーザー獲得の道になっているので、こうしたアカウントそのものの作りというのも、とても重要だと思いました。


■こだわっているのはサムネイル、動画の出だし、概要欄

鴨頭さんの動画を数本見ているのですが、私たちが御社WEBで作っている動画と違って、
・テロップは特段デザインなし(ただの白文字。アカウント開設当初はテロップもなし)
・動画内のバック音楽なし
・動画内でのタイトルいれ等なし
・結構な割合でYouTube用の動画ではなく、セミナーの録画
など、とにかくシンプルな動画です。

さかのぼってみても、このスタイルはアカウント開設当初の8年前と変わっていないように思います。
正直あまり編集はいれていなくて、動画編集で高いクオリティを出そうという感じではなさそう。

逆にこだわっているように思うのが、
・サムネイル
・動画の出だし
・概要欄
です。
(コンテンツの内容がこだわっている、しっかりしている、というのは言うまでもなくですが…)

・サムネイル
アカウント開設当時のサムネイルはこんな感じですが、

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今のサムネイルはこんな感じです。

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目につくデザイン、ぱっと見で惹かれるキャッチコピーをしっかりと考えて作られているように思います。
サムネイルはかなりこだわる必要性があるというのが見てとれました。

・動画の出だし
また、鴨頭さんの動画を見てから、私たちが普段取り扱う動画を見ると「本編に入るまでが少し長いかも…」と感じます。
鴨頭さんの動画だと、(セミナー動画もですが、)
・話の本題に入るまで
・話に引き込むまで
が本当に一瞬です。

こっちが準備する間もなく話が始まるので、おおってなってどんどん話に引き込まれる感覚がありました。

例えば、これらの動画とかも一瞬で本題に入ります。
https://www.youtube.com/watch?v=EQoEVXb26q0&t=24s
https://youtu.be/rHwmeu3R8VQ

こうした出だしで、動画の続きを見続けるか否かというのは決まりますし、引き込まれ具合というのも変わってくるのではないかと思います。

実際に動画の再生時間などを見たわけではないですが、チャンネル登録者数100万人という実力がありますし、冒頭が大事というのはセールスコピーの中でも同じなので、これは一つ参考になる点なのではないかと思いました。

・概要欄
これはやっている方も多いところにはなりますが、鴨頭さんの概要欄も、1つの動画に対して、これだけの情報を盛り込んでいます。

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こんなに盛り込むのか…と思ったのですが、基本的に概要欄は興味のある人、もっと知りたいと思った人が見るものなので、
ユーザーが欲しい情報をしっかりと見つけれらる状態(分かりやすいように書かれている)であれば、これだけの情報を盛り込んでもいい、遠慮しなくてもいいのかなと思いました。


上記3点を見ると、「動画を見始めてもらうこと」と「動画をみた後の次のステップへいくこと」にこだわっているように感じます。

今回の鴨頭さんの場合、テロップやバックの音楽をつけたり等のこだわりはしていませんが、それは「最初数秒での興味引きができれば話を聞いてもらえる」というスピーカーとしての実力があってこそのことだとも思います。
そのため、クライアントやターゲットによって、仮にテロップやバックの音楽によって視聴時間などが増えるのであればそれらはやったほうがいいのかなとも思いました。

まとめ

今までのレポートでもSNSに全く触れてこなかったわけではないのですが、これまでは、マーケティング全体の中でどういう位置づけになっているか?という視点でしか見てきませんでした。

今回初めてSNSに完全特化してレポート書きましたが、実際の送られてくるメッセージや、動画の中身などまで見ることで、かなり勉強になる部分がありました。
鴨頭さんの場合、スピーチ力、規模間が違うという前提もあるのですが、この施策は「なぜ行っているのか?」という目的を見据えた考え方をすることで、現在やこれからのクライアントにも活かせる点があると思います。

今回のレポート作成で、中でも「なるほどな…」と思ったのは、LINEの「信頼関係を体験させる」という点です。
風の時代という言葉の中でも言われているように、人の価値観が物より「体験」に重きを置くようになったという市場背景にも、沿った視点だと感じました。
マネタイズを急ぎたいクライアントには向かないかもしれないですが、「ビジネスを拡大していきたい」という今後の御社WEBのターゲット層には合う施策だと思いますので、こういった視点はチームでも共有をしていきます。

今回、鴨頭さんの全部の施策をレポートにまとめられたわけではないので、冒頭にも書いたように、LINEのシナリオの進捗とともに、他媒体についてもレポートを再度提出したいと思います。

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