足掻き 藻掻く

私は人。
どこにでもいる、何の変哲もない人間。
世に彩りを添えるためだけに配置された、しがない端役。

俺は黒子。
目立つ事は嫌い、裏方が好きだ。
いいように主役(めんどうごと)を押し付けられる、不名誉な代役。

僕は道化。
人を喜ばせるために、自分も楽しみ喜ぶ。
それは本当にそう思いそう動く、偽りの本心。

自分は騎士。
まだ見ぬ主を求め、彷徨い惑う。
満たされる事を知らない、空っぽの忠誠。

この身は屍。
己を失い、なおも動く屍。
救いを求めるほど、影に沈む。



諦めてはいない。
ただ報われる日は、来るのか。

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