今がいちばん

去年の11月1日、V6は解散した

「V6のファン」というのは自分のアイデンティティーみたいなもので

好きとか嫌いとかを超えていつも当たり前にそこにあるものだった

自分の影みたいに


【解散】

それを考えたことなかった訳じゃない



いつも「今」がいちばんで

毎回新作を発表する度に最高を更新し続ける彼ら

大人になり時間に余裕がなくなったのもあるけれど

いつからか過去の作品を見返す頻度が減っていった

過去よりも最新の彼らを見ていたかった


その裏腹で

ファンになりたての頃は毎日のように同じ作品を何度も何度も繰り返し見たり聴いたりしていたものだけど

年数を重ねる度作品も増えていくわけで

ひとつひとつの作品を飽きるまでじっくり堪能しきるほど

まさに文字通りビデオを擦りきれるほど見ていたあの頃のような楽しみ方を出来ていないことに憤りを感じることもあった



いつかV6が解散したら…

私は、普通ファンなら想像もしたくないであろう出来事を

そうなったら思う存分、過去作品を堪能できる

そんな風に前向きに想像したりしていた



解散すると発表された日

失くして気づくと良く言うけれど

まさにそれを実感した


衝撃だった


V6が解散することに対してじゃなくて、そんなことで動揺している自分に



なぜか涙が溢れた

なんの涙なのかは今でもわからない



人生で一番好きな時間であるVコンがなくなってしまうということ

6人のハーモニーが新たに生まれなくなるということ

いちばん最高の「今」に終わりが来るということ

それはとても悲しくて辛いことだけど


その「今」を終わらせるという決断をしたこと

もっと上を目指そうとする姿

新たな道を切り開いていくその姿は

まさに最高級にカッコ良い


発表の動画からはいつもの大好きな6人の笑顔

彼らの決意とファンに対する愛が痛いほどに伝わって

幸せすぎて辛かった


でも

これから何が待ってるんだろう

どんな景色が見れるんだろうと心からワクワクした


ファンになったばかりの頃と変わらずドキドキさせてくれる

まだ私をこんな気持ちにさせてくれる

まだ楽しませてくれるんだと嬉しかった


悲しみ、嬉しみ、楽しみ、寂しさ、辛さ、幸せ

全ての感情が混ざりあったような

けどどこにも当てはまらない

自分の中で初めての感情だった


自分がこんな気持ちになるなんて想像していなかった


今までに持ったことのない感情を生み出してくれる人たち

ファン冥利に尽きる

あぁ、これでこそV6

だから彼らのことが好きなんだと改めて思った



それからの約半年間、6人も6人のファンも、V6としての最後のひとときを大事に一緒に味わい駆け抜けた

それまで以上に幸せな濃密な半年間だったと思う



2021年11月2日

この日からは

新しいものに追われることなく過去に想いを馳せこれまで手にしてきた数多くの作品を思う存分愛でていける

V6がやりきったと言ってくれたように

私もV6ファンとしてやりきった

これから新しい章が始まる

そんな風に清々しい気持ちで迎えた



あれから1年が経つ

私は今、6人組ではなくなった6人を追いかけるのに忙しい日々を過ごしている

過去作品を楽しむ時間なんてないほど目まぐるしい



V6・カミセンという存在と共に成り立っていたトニセンというグループは、そこに元々あったように、今も変わらずそこにいてくれる

もう歌わないのではないかと思っていた剛くんは、解散後誰よりも先に新しい歌声を聴かせてくれた

健くんはあの曲もこの曲も、最後の思い出にしないでいてくれた

岡田くんのおかげで、6人のために足を運ぶ場所があった



変わらず続いている楽しみもあるし、新しいもの、新しい作品、新しい出会い、新しい楽しみがたくさん増えた




私は、V6のファンになってから、今がいちばん幸せだ




解散して良かった


だって、今の彼らがいちばん素敵

6人とも、今の方が輝いて見える

今の6人がいちばん好き


V6は今、解散していなかったら見れていなかった素晴らしい景色を私に見せてくれている



V6って本当に最高のグループだ

私は一生、胸を張って「V6」のファンだと言う


彼らはまだ未完成

いつか想像してた未来とは違うけど

まさに今は、想像以上の未来



【今がいちばんであること】


彼らはまだ、それを貫いてくれている



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