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ーEAST LOOP物語第11話ー 幸せになる循環


EAST LOOPをスタートするときに掲げた目標

「仕事を通じて精神的なサポートにつなげる」

ただ単に商品を作って販売するだけでなく、被災地の人たちに元気になってもらうためにはどうしたらよいのかと様々な工夫を重ねました。


現地に行くたびに仮設住宅を何軒も訪ね、EAST LOOPに参加しませんかとお声がけをして回りました。

ある日伺った仮設住宅は、内陸部の遠野にありました。
沿岸には仮設住宅を建てる平地が不足しており、被災地から車で二時間近くもかかる場所に建てられていたのです。

訪問した家で、女性Aさんが一人で迎えてくれました。
住宅の中にはほとんどモノがなく、すべてが流されたことを物語っていました。

無口な彼女に、なんと声をかけてよいのかわからなかったのですが、とりあえずEAST LOOPの説明だけして失礼させていただきました。

のちに、現地からAさんも参加するようになったと聞き、ほっと胸をなでおろしました。

数か月後、Aさんに会いに行きました。

玄関から出てきた彼女は

「ハート楽しくってさぁ。今後はどんな商品編むのかみんなで楽しみにまっているよ」

満面の笑みを浮かべて、迎えてくれました。
まるで別人のようでした。



「ここの仮設の人たち、家に籠っている人多いからさぁ、誘っているのよ。
一緒にやろうって、楽しいべって」


EAST LOOPを始めてよかったなと、改めて実感した瞬間でした。


ハートのブローチを「製品」ではなく、「作品」として私たちは組み立てました。

一人一人が自分のペースでできること、
そして編み物なので、何度でもやり直しができること。
そうした工夫が、周りに声をかけやすくしたのかもしれません。


EAST LOOPではFacebookを通じて、購入した人が作った人にメッセージを送ることができる仕組みを作りました。

といっても、被災地の人たちがSNSを使える環境ではなかったため
私たちが一つずつメッセージを出力して、名前ごとに仕分けをして、封筒に入れて届けました。

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「私がつくったものなんか売れない」と思っていた方が、

「◯◯さんがつくったハートブローチ使ってます!」
というメッセージを読んで自信をつけたり、
自分が作ったものに誰かがありがとうと言ってくれたことで、涙している姿に何度も出会いました。

商品を購入してくれた小学生から手紙が届いて、そこからつくり手さんと文通が始まったこともありました。

「なんて書いてあるんですか」と聞いたら
「見せねえ、読んだら泣いちゃうから見せねえ、家帰ってから読む」と。

「東北がんばれ」という漠然とした次元ではなく
直接自分に向けての応援の気持ちが届くことで、自分のことを思ってくれている人がいるそれが、彼女たちの力につながったのでした。


そして、EAST LOOPを通じてそれぞれの地域で新たなコミュニティが生まれました。

おしゃべりしながら、一緒につくる。
上手な人は、新しく入った人に教える。
そして、自分で作った作品を人に見せて、自慢大会を繰り広げる。

EAST LOOPで集まると、いつしか笑顔と笑いが溢れる場になっていました。

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「人間の究極の幸せは4つ。
愛されること、褒められること、役に立つこと、必要とされること。
働くことで、このうち3つが満たされる」


EAST LOOPに参加することで、

購入してくれた人から褒めてもらい
誰かの役に立っていることが実感でき
お互いが教え合うことで、必要とされる

そんな好循環が知らぬ間に生まれていました。


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