#30 金と称賛 ~無職転生より~

読んでいただきありがとうございます!

 今回は無職転生第2シーズン1話
「失意の魔術師」
 の1シーンが印象的だったので、少し書きます。

 1話では、主人公ルーデウスが「カウンターアロー」という新興パーティーに所属します。
 パーティーの誰もが新しい町では馴染みの無い、いわば「よそ者パーティー」です。ギルド内では、そう位置付けられていました。
 1話終盤、パーティーが最初の仕事を終え、ギルドに帰ります。

 その時、彼らパーティーはギルドにいる人々(酒場のような空間で酒を嗜んでいる)から、罵声を浴びます。
 つまり、新入りに対する非歓迎ムードが構築されてました。
 パーティーのリーダーは機転を利かせ、その場にいる人のお酒のお代を無条件で全て払うと宣言し、副リーダーが改めて「カウンターアロー」「ルーデウス」の存在を強調しました。 
 これにより、彼らはギルドに受け入れられるという描写に繋がります。

 ここでリーダーが行ったのは、経済力の行使です。奢ることで人々との融和を図りました。ここには、「よそ者」が「身内」になるステップとして、集団に贈与するのが存在するように見えます。
 つまり、与える人は喜ばれる、社会に受け入れられるということです。
 反対で考えてみると、与えない者(作中ではリーダーの奢る宣言をする前のカウンターアロー)
は、利益をもたらさないものとして、非歓迎に置かれるということになります。

 新しい人や社会に良い方向で関わっていく。それにはたくさんのアプローチがありますが、無条件で譲渡も、効果的であると学びました。

 しかし、物語ではパーティーに経済力がありましたが、もしなかった場合、あるいは自己の利益を守るために何もしなかった場合、彼らはどうなっていたのでしょうか…

 そして、現代に住む私たちも、社会の一員になったり、のけ者にされたりします。もしかしたら、その原因は何かを譲渡するという行為にあるかもしれません…示唆深いですね

 ではまた

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