行動基準〜ハッピー・ママ
母の行動基準は正しいかどうかではなく楽しいかどうかでした。
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仕事の関係で近所の論語教室に行くことになった。月一回、半年ぐらい通えばいいだろうと思っていたけれど、良いことだからと頑張って続けて通っていた。
論語は簡単に言えば、人としての正しい生き方を教えてくれて道徳学ともいわれる。
教室は平日の夜なので、会社から戻って荷物を置いて、軽く食事をしてすぐ出かける。
ある時、私が論語教室に出かけようと忙しく支度をしていると、ママが真顔で聞いてきた。
「りえちゃん、論語教室へ行って楽しいの?」
私は一瞬、何を言っているのだろうと立ち止まった。ママの言葉は「楽しくないのに頑張るのは違うよ」と聞こえた。
こうして頑張って正しい教えを学びに行くことは褒められて当然のことだ思っていたけれど、違うのかもしれない。
「うーん、わからないけど、いい教えらしいから。それに先生の話は面白いよ。」
と答えて急いで玄関のドアを開けた。
そしてママは、出かけようとする私の背中に
「楽しんでいらっしゃい!」
と明るく大きな声をかけてくれた。
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母は私が出かける時は、いつも「楽しんでいらっしゃい!」と言いました。
今でも出かけるときには、その明るく元気な声が心に聞こえてきて、私は大きな声で「はーい!」と返事をして出かけます。
ハッピー・ママのハッピー娘
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