初コロナ。その2
80代の母に私のコロナが感染するのに3日かからなかった。
症状がつらく、水分も摂れなくなってしまった母に、もう自分のコロナどころではなかった。
もう限界だと感じ、「#7119」に電話。救急搬送を勧められ、119番にかけた。
つながらない。
かけなおす。
つながらない、
え?119番て、誰も出てくれないことなんてあるの???
・・・どうしよう・・・。母は苦しそうだ。
もう一度「#7119」にかけ、そのことを伝えたら手配してくれた。
救急車に乗ってからなかなか病院が決まらない。
その時、「またコロナがこんなに増えているのか」それを実感させられることになった。また、熱中症の人の搬送も増えていることも原因らしかった。
コロナにすでにり患している私は当然救急車への同乗はかなわず、母を一人で行かせることになった。こんな、つらいことはなかった。
救急病院では点滴や薬の処方をしてくれたが、入院はさせてもらえなかった。
「もっと重症の人」がベッド満員になっているというのだ。
しかたなく、タクシーで帰宅した母は点滴によりすこし元気を取り戻していた。脱水症状を起こしていたようだ。私はネットでゲル状の補水液とミネラルウォーターをまとめて注文した。
母を寝かせて、洗面台に行って手洗いとうがいをした。
その時、ふと違和感を感じた。
愛用しているハンドソープの「ジャスミンの香り」が、
まったくしなかったのだ。
「あれ?」
ボトルごと鼻に近づける。
まったく、なにも、におわなくなっていた。
(つづく)
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