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「ボンのがま口は漢氣の証でもある。」


〜久々のボン登場。



お休みが奇跡的に合ったので
久しぶりに出かけているの。

ここは、東京の臍なんだってさ。

ボンたら得意げに話すのよ。




ボンはがま口に小銭を貯めている。

少しづつ
少しづつ
貯めている。

お買い物のとき清算時に端数を出すため。 

そおね、スーパーでだって何だって
自分も何か貢献している風味を味わいたいのだわ。




あ、そうそう、
あたしとボンは目出たく六年目に突入致しましたのですが、

あたし、ボンが何やってもる人かよく知らないの。

転職も何度かしてるみたいよ。

そのたんびに
こんなことする仕事だよーて
言ってるような氣もするけど、

あたし、正確には知らないのよ。


みんなは驚くのだけんど
あたしにとっちゃボンが何をしてても
ボンはボンなのよね。 

そいや、ボンが仕事の愚痴言ったの
あんまり聞いたことないわねぇ。

何でも淡々とこなすのだと本人が言ってたわ。

で、何か思う所あれば
シレっと転職してますでんす。


全く氣にならないのよ。

あたしたちは二人の暮らしが
楽しく豊かであればいいのよね。


豊かってのは何も経済的な面ばかりでもないの、誰よりもあたしが一番知ってるの。

あたし、一度結婚してた時、
お金持ちの奥さんをやっておりました。

オフィシャル元(もと)旦ディズムは
あ、前の旦さんのことね。

ややこしくしてるの。
理由などないけんどわざとよ。

「元」と「旦」の間を開けたのは
元旦(がんたん)と読まないようによ、奥さま。

そう、だから元 旦ディズムは
それはそれは素敵で誠実な人だった。
お金もしこたま稼いで参りましたが

でも、お金がお家にどれだけあっても
あたしは毎日を怠惰に生きてたわ。

いや、お金があるから怠惰だったのだわ。

毎日退屈で仕方なかったのよ。

それが原因でのお別れではないけんど、その時思ったの。


お金があるってだけでは満足出来ない人間なんだわ、あたしって。




それからの人生はまさにアドベンチャーよ。

あたしって根っからの冒険家なのね、きっと。

秘境に突入するほど
エクスタスィーを感じるの。

危ない橋も渡りに渡って

今は途中の向日葵畑におるよな感じね。

これから新しい航海に舟を漕ぎ出すために
しばしの休息といった感じ。



前回のエゲツない荒波から解放されて
げぇーげぇーしてた時にボンと出逢った。

それから六年の歳月が流れている。


何も変わらないのよ。

あたしたちは何も変わらない。


取り巻く環境は音速で変化してゆくのだけんど、

あたしたち二人になれば
何も変わってないの。


朝起きて
夜寝る。

その間にオモロいことをして、
ゲラゲラ笑って眠りにつく。

 
ボンは永遠と言うけど
あたしはどちらでも良いと思う。

変わっちまっても
そのまんまでも

一緒でも
別々でも


今はこの瞬間があれば
それで良いのだと心から思うのよ。


あたしたちが幸せだと
あたしやボンに触れる人は幸せなんではないのかななんて漠然と思う....


あらやだ、あたしも焼きがまわっちまったわね。


大きなことはなくてもいいわよね。

あたしとボンの
家族とか
友達とか
知り合いとか

電車で一緒になった人とか

そんな誰かが幸せだったら良いなと思う。



今日の御賽銭係は
もちろんボンよ。

がま口の中から
イキって あたしに御賽銭を渡してくるわ。

賽銭箱に入れて祈りまするは
いつも決まってます。

あたしとボンと
家族と
仲間と

どこかの誰かが豊かで幸せでありますようにと。


ボン、今日も元氣にがま口をパクつかせております。

これ、この中に小銭入れてって催促よ。
そして、そのお金をレジで得意げに出すボン。


........我が家は今日も平和でんす。

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