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「いつもは勝つけど たまに負けるのは悪くない。」その6.


〜心が死んだ。

そう書いたの、あたし。


みんなに心配させちまって....良くないわね。
本当に申し訳ない氣餅でいっぱいです。


確かに一度、心がしんだの。

出口の無いトンネルも
明けない夜も
存在するのじゃないかしらと思うほど
感情が戻ってこなかったのよ。


風邪のせい?

違うと思う。

それはきっかけに過ぎない。


何かが入ってきたのよね。

ぶっ壊れていく あの感覚は忘れないだろうな。


やがて身体の修繕が始まり
あたしはすっかりトランスフォームしたのだけど、

心の修繕は中々進まなかった。

必要の無い、本当に必要の無いところは
容赦無く破壊された。


その間、
ずっと側にいるボンは、ひたすら側に居て
ただ側に居て、側に居てくれた。

口も聞けなかったのよ、あたし。
酷いわよ、全く。

気がつきゃ10日が過ぎていたのだもの....


あたしを心配してくださるかたからの
メッセージもあったりした。

有り難いと思っているのだけど、
心が重く動かない。

差し障りのないお返事をさせて頂くばかりだった不義理をお許しください。

不用意に不愉快にさせてしまいそうで怖かったの。

はじめてよ、こんなの。

無難なお返事なんて、あたし。

いつだって
あたしと関わる人は楽しいと思ってもらいたいの。

ずっと覚えてていて欲しかった。

凄いさびしんぼだってことに気づいたわ、あたし。


でも、こんな状態で気の利いた言葉など浮かぶはずもなく....


容赦なく埋まってゆく予定と裏腹に
とてつもなくしんどかったのは心だけが戻って無かったこと。

何故そうなっちまうのか
はっきりとは分からないけんど。

それで、あたし
堪らなくなって

やっとボンに打ち明けたの。

「心が戻らない。」て。


「俺が治す。」

ボンらしい答えかたね。

何の根拠もないのに
いつだって自信たっぷりだわ。

それについも救われているのだけんど....




それからまず、
泣いた。 

泣けるって中々よね。

やっと泣けた。

 
 
泣きたかったのね、あたし。

〜続く。

 

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