◆作品No.185 映画 平成狸合戦ぽんぽこ
🔴作品紹介🔴
放送期
1994年7月16日 夏
上映時間 191分
character
▼多摩丘陵のたぬき
影森の正吉(しょうきち):野々村真
縁切り寺のおキヨ(正吉妻):石田ゆり子
鶴亀和尚(つるかめおしょう):柳家小さん
火の球のおろく:清川虹子
鷹ヶ森の権太(げんた):泉谷しげる
青左衛門(あおざえもん):三木のり平
ぽん吉:林家こぶ平
水呑み沢の文太(ぶんた):村田雄浩
佐助(さすけ):林原めぐみ
お玉(たま):山下容莉枝
鬼ヶ森の玉三郎(たまさぶろう):神谷明
小春(こはる):黒田由美
花子(はなこ):永衣志帆
お福(ふく):水原リン
林(はやし):加藤治
▼他県のたぬき
六代目金長(金長神社神/きんちょう):桂米朝
太三朗禿狸(たさぶろうたぬき):桂文枝
隠神刑部(いぬがみぎょうぶ):芦屋雁之助
二つ岩団三郎狸(だんざぶろうたぬき)
▼その他たぬき
吟う女タヌキ:佐久間レイ
女たぬき:鈴木弘子
男たぬき:坂東尚樹、関智一
化け子供:稲葉祐貴、江崎玲菜
▼その他
語り:古今亭志ん朝
竜太郎(変化キツネ/りゅうたろう):福澤朗
水木先生:藤本譲
警官:森川智之
年上の警官:岸野一彦
屋台の客:矢田稔、中庸助
土地の人:北村弘
用心棒:江川央生
飯場の人:小関一
女族長:峰あつ子
族長:西村智博
親衛隊:菅原淳一、石川ひろあき
兄:林勇
妹:児玉英子
アナウンサー:舛方勝宏、芦沢俊美、石川牧子、保坂昌宏、永井美奈子、岩隅政信
キャスター:阿川佐和子、井口成人
★推し様出演 : 森川智之氏
オープニングテーマ
『アジアのこの街で』-上々颱風
エンディングテーマ
「いつでも誰かが」-上々颱風
監督
高畑 勲
脚本
高畑 勲
キャラデザ
大塚伸治
アニメーション制作
スタジオジブリ
★あらすじ★
自然の恵み多き、東京は多摩丘陵。そこに住むタヌキたちはのんびりとひそやかに暮していた。しかし、宅地造成による自然破壊によって、タヌキたちのエサ場は次第に少なくなっていた。自分たちの住処を守るため、タヌキたちは先祖より伝わる「化学 (ばけがく)」で人間たちに対抗しようと立ち上がる。
🔶感想🔶
<評価:S>
◆管理再視聴2024.4.22
●過去視聴済年月日不明
<感想>
見終わりました~。
何ですかね~。こう感情の沈みと言いますかそんな余韻が残っています。
ではざっくりあらすじです!
〝昭和40年代頃の東京。多摩丘陵の山が舞台。そこには狸たちが住んでいた。ある年、開発により山が破壊され始める。住処を守る狸たちの人間相手の化かし合い、里を守る合戦の始まり、始まり。〟
全然落語知らんのですが、本作ナレーションが落語家の古今亭志ん朝さんが遣られていて雰囲気でつられました笑
過去に見たと言っても映画放送をふわっと見ただけなので、内容もほぼ把握してないし未視聴と言ってもいいです。覚えているのが「たぬき変化するのよね色々」位しか覚えてないw感想を残すことを決めてからちゃんと向き合って観たのでこんなに重いとは思わなんだ・・・。とは言ってもコミカルに仕上がっているので映像的にはそこまで重くはないです。
評価は面白かったです。かなり社会派作品でしたので同時に物凄い考える。
高畑さんの作品は、正直「ほたるの墓」しか繰り返し見てないので、作風が分かっていませんでした。凄く深くドシッとくるなと感じます。
宮崎氏もと言うよりジブリ作品は、自然との共存と戦争この2大テーマが必ず入っているのでメッセージ性が高いんですが、個人的に高畑さんの方がより重厚的に感情がズシッと来ますね。本作からは悲しみと恐怖と笑いが混在しているので感情がどこにあるのかが分からない様な感覚です。言っていう自分が一番分からないですwwww
<感じたテーマ>
今回感じたテーマは「共存」・「戦(戦争)」です。
結構ストレートに表現していたので解りやすいテーマだったと思います。
◆テーマ:共存
・ジブリには多く出てくる自然との共存。本作でも自然や土地、住処とは人間だけのものなのか?どこまでも強欲の人間への警告にも思える。最後のシーンのイタチやウサギは姿を消す事は出来ないと言うポン吉の台詞も視聴者側への問いになっている。現実は上記の2種だけじゃなくタヌキもキツネも姿は自分で消す事は出来ない。作品の中では人間の社会に溶け込む事で姿を消しているだけだし、消えて行ったのは自分達だけじゃない。そして化けれない生物たちの姿を消しているのは人間よねと言う痛烈な問いになっているなと感じた。これは本当にぐうの音も出ない事実。近代社会の前は、きっと共存出来ていたと思う。それが開発前の古き良き日本って風景に現れている。そして生活が豊かになる代わりに何か失うものも大きいぞといつも言われている気がする。
頭では共存するって理想を掲げても実際は便利で大きな社会の渦にのまれてしまう。
行動を移している人だけが環境問題について言及していいものだと思っています。
◆テーマ:戦(戦争)
・本作はたぬき目線のお話になっている。食事場、ねぐらを侵略してきた人間に急に奪われた。最初の頃は、化け学で脅かし開発を辞めさせようとしていた狸たちだが、人間が一向に辞めない為、暴力的な行為に出る。人の死者が出た事も驚きだけど、人間の立場からすると死者への対応が恐怖を感じた。葬式を行うが弔うどころか笑いだす狸たち。残酷に映るけど、敵と認定されたものに対しては実際の戦争もこの感じなのだろうなとそこに本作の恐怖を感じた。そして逆もまた然りで、最後の方特攻隊まで作った権太組。人間相手に体当り戦だった。数匹は殺され残ったもので最後の力を振り絞りもう一度妖怪に化けるがトラックに轢かれ死んでしまう。狸たちの死体の山のシーンも悲しくで胸がギュッとする。互いに歩み寄ろうとしないと戦は止まらないんだなと。
そして内部分裂と敗者も分かりやすく出ていたと思う。
●沸点が低い権太組は、殺す一点張りなので固執した考えで、クーデターを起こす。団結心が崩れると組織の崩壊は早いなと。体当り組なのでいたたまれない。
●状況判断派の正吉等は、おろくも和尚もポン吉とかも攻撃の意志はあるものの無理をした事を薄々気が付いている。化け組が多い事から最後は人間の社会に自分達が溶け込む事を選んだ。
●宗教を開いた禿狸は、隠神狸の死のショックから化けれない狸を引き連れ宗教的な輪を作り最後宝船を自分のきんたまで作り自決する死の旅に出る。戦争でもこれ以上勝ち目がない他に殺されるよりは自決すると言う話も聞くので戦は何も生まず失う方が多いなと思う。宝船最後位幸せな夢を見ようと言う事なのだろう。悲しい。。
結局巨大な力には勝てなかった意味を言うシーンは悲しい。3師匠の力を借りて妖怪大作戦をしたがそれすら人間に取られ自分達の存在自体をないものにされてしまう。訴えも届かない哀しみと怒りが湧くたぬきたちのやり場のなさも辛い。
<気になった事(良し悪し)>
・情報内容を作る時に放送禁止の文字があって、内容は観ず作品先に観たら、「ああ、これは今の時代、地上波で放送できないね。だって人間殺して大喜び、葬式上げてくすくす笑って宴を上げてぶっ殺せなんてクレームの対照過ぎるw」・「多摩ニュータウンへの批判とか?」と思ってそれなのかと思ったけど、放送時期が開いたからとか色々と都市伝説になっていたらしい。あとはキンタマ問題?ww
・政治の部分では頭の悪い自分には語れるものはないんですが、社会への風刺も感じた。何がって聞かないでくださいね(ニコ笑
・最後にTVクルーが来た時のシーンで和尚が自分達の山を壊さないでくれと言う訴え。動物は言えないもんね。だからちゃんと保全する事も考えてあげないといけないんだよね。あれは良かった。
・狸たち基本ゆるい性格なのか、直ぐ宴しちゃうから怒っているのも忘れちゃうのよねwそれは面白かった。その分可哀想でもあって、人がいい狸たちだし日本固有種だからより良い作品なのかも。
・負けを認めた正吉たちが最後に力を使って、故郷の姿を化かしたのは感動する。そして人間社会にでは正吉がゴル上でポン吉と出会い身に着けていた物を全て捨てて宴に参加するシーンも本当はこうして平和に生きたいよねと感動する。
・キツネが先に滅ぼされてると思わなかった。
・他の方の考察とか拝見して、本作の都市伝説として、日本対アメリカの戦争を表しているっていうのを拝見した。たぬきは日本で人間はアメリカ。ああなるほどそうも見えるなと皆さんの考察本当に凄いなと!!
<謎、疑問>
◆なぜ落語家が多かったのか?
→日本の文化の素晴らしさを見せたかった?落語は日本の歴史で文化だもんね。昔の生活とか昔の日本の精神や暮らしそういうものを無くさない様にってメッセージもあるのかな?あとは重い内容だけど娯楽で和らげたとか?
<映像、音楽>
・作画はもうジブリさんですから文句のつけようはないです。やはり背景の美しさが最高。デフォルメしてない狸とか流石よね。絵が描けるから当たり前だけどww百鬼夜行と勝手に呼びますが、中にジブリのキャラが隠れてるので見つけてみてくださいね!!
あと、下手絵のたぬき達が可愛くてお気に入り♡
・音楽は、狸たちが歌う昔からの歌が良かった。
<声優及びキャラ>
・ジブリは基本声優を中心キャラに使わないので、今回は芸能人、落語家が多くてでも違和感なくて皆さんお上手でした。でも私の推しの森川さんが警官役で名前見ないと解らない声色だった!!貴重でした!!!!