◆作品No.214 映画 夜は短し歩けよ乙女
🔴作品紹介🔴
放送期
2017年4月7日 春
上映時間 93分
character
▼大学(京都)
先 輩:星野源
黒髪の乙女:花澤香菜
●学園祭事務局
局 長:神谷浩史
副 長、オウム:コカドケンタロウ(ロッチ)
局長もどき:須田祐介
局員:今村一誌洋、榛地良行
●詭弁論部
高 坂(たかさか):中岡創一(ロッチ)
詭弁論部員:広瀬裕也、島田岳洋
●その他
パンツ総番長:秋山竜次(ロバート)
京福電鉄研究会学生:原田大輔
●ゲリラ演劇
須田 紀子(すだのりこ):新妻聖子
ニセ城ヶ崎(じょうがさき):諏訪部順一
プリンセスダルマ:悠木碧
▼大学OB
東堂奈緒子(とうどうなおこ):小清水亜美
赤川 康夫(あかがわやすお)
●詭弁論部
OB、OG:堀越富三郎、豊富満、安田カナ、れいみ
▼先斗町(ぽんどちょう)
樋口清太郎(師匠/ひぐちきょうたろう):中井和哉
羽貫涼子(はぬききょうこ):甲斐田裕子
李 白(金貸し):麦人
客引き男:落合福嗣
▼閨房調査団
●東堂錦鯉センター
東 堂(奈緒子父/とうどう):山路和弘
●京料理千歳屋
若旦那:家中宏
●閨房調査団
団員:阿部竜一、ハゼヤマ俊介
▼下鴨納涼古本祭り
古本市の神様:吉野裕行
蛾眉書房店主:本多力
▼その他
ジョニー(先輩の心):檜山修之
赤川社長:中博史
老学者:石原辰己
案内人:濱野大輝
給仕:内田紳一郎
学生:虎島貴明
劇団員女子:菊地美香
劇団員男子:近松孝丞
女子学生:内藤有海、のぐちゆり
男子学生:浜田洋平
★推し様出演 : 諏訪部順一氏
主題歌
「荒野を歩け」-ASIAN KUNG-FU GENERATION
監督
湯浅政明
脚本
上田 誠(ヨーロッパ企画)
キャラデザ
伊東伸高
アニメーション制作
サイエンス SARU
★あらすじ★
クラブの後輩である”黒髪の乙女”に思いを寄せる”先輩”は、今日も「なるべく彼女の目にとまる」ようナカメ作戦を実行する。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて… 京都の町で、個性豊かな仲間たちが次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。 外堀を埋めることしかできない”先輩”の思いはどこへ向かうのか!?
🔶感想🔶
<評価:A>
視聴2024.6.19
<感想>
見終わりました~!
でわざっくりあらすじ
〝大学の後輩に思いを寄せる先輩は、ある作戦を密かに実行していた。同学の結婚式に出席した先輩と後輩。先輩は距離を縮める為に更なる策を進める。先輩と後輩の長い長い夜がはじまる。〟
評価は面白かったです。四畳半神話大係の制作陣が再集結。まさに語り部アニメ。作品の空気感は先に神話を見ていたので、すんなり入ってきました。かなり独特な雰囲気なので先に神話見ておくと良いと思います。(神話はだいぶ前に観ているので正直忘れてます笑)神話に出て来たキャラも登場するのでその部分も楽しめるかと!!
タイトルが夜は短しと書いてあるのに長い長いって「はて?」ってなりますが、その対義語がピタリと当てはまる作品。
全てはひとつなり摩訶不思議な一夜が四季となって過ぎてゆく。
原作者:森見登美彦氏×アニメ監督:湯浅政明氏の世界を楽しんでください!!
<感じた伝えたい事・テーマ>
本作で感じたテーマは「縁」です。
◆テーマ:「縁」
・キャッチコピーも「こうして出逢ったのも、何かのご縁」。まさにテーマそのもの。伏線回収でもあるんですが、本作に関しては伏線回収の言葉よりも全ては縁で繋がっておりそれが全てになる。そんな感覚になりました。ダブル主人公ではありますが個人的には後輩が主軸になっていると思うので後輩が主人公かなと思います。その後輩の周りで起きる様々な事柄やアイテムが点として散布されており後輩によって線になって面になる。そして物語は紡がれ完成する。
点は恋、幻の酒、春画、古本、火鍋、演劇、風邪、孤独。このワード達が繋がって行く。
繋がりの部分では古本市のシーンが印象に残っていて、古本市の神様の少年が本に付いての知識を後輩に言うところで、一見バラバラに見える本も1冊の作品を読んだ小説家がそれに影響され自分の作品を作る。それをまた他の小説家が同じようにして作品を作っていく。関係なさそうな本でも全ての本は繋がっていてこの古本市は1つの大きな本なんだというシーンが本作を物語っている。登場人物も実際関わりがないものだとしても巡り巡ってそれは繋がっている。なにひとつ欠けても完成されない物語。それは幸も不幸も同じ。
もうひとつ縁に関しての印象的なシーンは、風邪の幕で金貸しの李白は、資金はあるものの心がなにひとつ埋まらない、病気で弱っていても誰も来ない。孤独で死んでしまうんだと嘆いているシーン。それに対して後輩が返した言葉。
『李白さんが孤独でいたくてもどうしても繋がっていて、李白さんから始まったご縁は否応(いやおう)なくみんなに繋がっています。李白さんは孤独ではありません。今宵は李白さんがくれた素敵な長い一夜です。』
これに感激して李白は泣くんだけど、金貸しの李白は基本悪い事しかしてないように見える。いや悪い事なんだけど、それも結局めぐると人を繋ぐ縁で最終的に人を幸せに導くスパイスなんだと。幸も不幸もそれは縁。後ろ向きにならず後輩のように前向きに行こうというメッセージにも思える。悪い事や不幸はやっぱり無いにこしたことはないし、嬉しくない。でも、それも未来に繋がる自分の人生の糧・経験と思えば成長できそうだしね。生きる時間が長くなるほど感じる。「縁」って本当にあるよね~笑
色々なものがつながるので一つ一つは書きませんが見て縁を感じてください。
<気になった事(良し悪し)>
・アニメでは一夜で繰り広げられる出来事ですが、原作未読なので各期になっているのかは分からない。実際これが一夜で起きたら濃すぎてもう普通の日々が退屈になってしまうw
・冒頭のナカメ作戦のガッツポーズの先輩の顔が腹立つwww
・結局先輩のカナメ作戦もサブリミナル効果的に効き目があったって事だったね。偶然を通り越して運命を思うほどの偶然を装う。ほぼストーカーなんじゃないかという率(笑。恋に関しては個人的には先輩&後輩より、パンツ&須田&リンゴの君。同じ事を経験した事で共通する心から恋に落ちたパンツ。ずっと思いを伝え続ける事に選んだのは演劇。ゲリラ的に起こる演劇も仕掛けられたものだった。最後に密かにパンツを支えていた須田。そんな須田の恋心を救ったのは鯉(恋)だった。この鯉も繋がっています!!うーんロマンティック!!w
・東堂の持っていた江戸の春画なんかおかしいの。。男性の下半身が捻ってあるのか尻が前に来ている。そんな人体ないだろと突っ込んでしまった。案外エロスが多く入っている。正直エロスを入れなくてもいい作品だと思ったが、入れてる事に感心が高まった。先輩は尻を出し、股間にアイスを付けられる。東堂のおやじは後輩の胸を揉み、春画はドーーーーンと出て来る。必要なのか?これは?と思いつつ、これも点アイテム。春画とはエロ本ではなく芸術の域で、思い出してほしい。先輩は後輩と恋仲になりたいのだ。それは最終的に体まで結ばれる事だ。そう最終的には好みの女性との性行為を望む。これが本能。だから必要なんだと辿り着いた。笑)最後の風邪の幕では「もし彼女が乳を揉めと言ってきたら拒めるのか?拒みはしない。そら見た事かこの筋金入りのスケベ野郎。」と言われている。どんなに理性を働かし、知的にロマンティックにしたとしても最終的に本能には勝てない。エロスは人と切っても切り離せないもので、二次元はフィクションな世界だがむしろ入れない事の方が非現実的なのかもしれない。ライトだろうがヘビーだろうが、男も女も人間も動物も植物も頭の中はエロスでいっぱいなのかもしれない。それが生命の根幹で生き物らしいから。抱かない方が可笑しいのかもしれないと訳の分からない事を思い浮かべていたww
<謎、疑問>
◆先輩は後輩の詭弁踊りを見てもまだ好きでいるのか?
→まあまあ変な格好で変顔で詭弁踊りを踊るからこれは今流行のカエル化にならんかの~?ww
<タイトルについて>
【夜は短し歩けよ乙女】
以下のように考えてみました。※全て憶測です。
・命短し恋せよ乙女
→大正に発表された吉井勇さんのゴンドラの唄の歌詞。ここから引用したものと思われる。乙女と言える時間は短いからその間に沢山恋もいろんな事も経験しなさいって意味に思えるのでこの、短い時間と言う所に掛かっていて一夜に沢山の出来事を経験する事は人生の糧になり積極的に歩いて行こうって意味を込められているのかもしれない。
<映像、音楽>
・何と言っても特徴的なキャラデザ。この奇妙奇天烈な世界に逢っている。
<声優及びキャラ>
・湯浅政明監督、諏訪部さん好きだな~♡(誠にぃぃい!!ありがとうございまぁす!!土下座)
・芸人さんが多く声を当てている。皆さんコント職人なので演技が上手い。ロバートの秋山さんは最初に名前見てないと解らないほど。
・ニセずっときゃわいーーんって言っている。
・小津が神様になっていた。w