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但馬牛アンバサダーになってみた


但馬牛について

但馬牛はちゃんと有名・・・?

但馬牛って知っていますか?たじまうし?たじまぎゅう?
私は但馬牛の郷・兵庫の出身ですが、地元を離れるとそんな名前を聞くことは一度もなかった。正直すぎましたかね?
長野県では飛騨牛がダントツ有名だったし、茨城県では常陸牛が至高とされていた。旅するのが好きだと日本全国に有名な牛のブランドに出会うわけで、近江牛も伊賀牛も山形牛もみんな美味しいと思ったし、熊本あか牛も好きだし、なんて素敵なオージービーフ!!とさえ思っていた。

けれど、日本の牛の99.9%に但馬牛の血が入っていると聞いて、認識を改めることになった。

但馬牛=兵庫の牛

但馬牛(たじまうし)

但馬牛と呼ばれるにはルールが多くある。
まず、但馬牛に関して、結構な誤解があることを知った。
但馬牛は、決して但馬地域の牛のみを指すのではない。純・兵庫県の牛を但馬牛という。兵庫県で生まれ、育ち、肉になる…先祖代々みんな兵庫の牛、それが但馬牛。めちゃくちゃ厳しいルールのもと生産されている。他の地域の牛と一線画している、すごすぎる。
もちろん新温泉町やお隣の香美町は但馬牛の本拠地のようなもの(?)だが、淡路島も但馬牛の一大産地であることには驚いた。

神戸ビーフは但馬牛

同じように、神戸ビーフは神戸市の牛というわけではない。
但馬牛のうち、歩留まりや肉質評価で基準をクリアした高品質なお肉が、神戸ビーフと認定される。

ここ数年、但馬牛として生産される牛肉の、なんと9割以上が神戸ビーフとして認定されていると聞いた!!おそるべし技術・・・!!

たじまうし?たじまぎゅう?

そしてもう一つ大事なポイントが、但馬牛の呼び方。
『たじまうし』というと、生きている牛さん。
『たじまぎゅう』というと、おにく。
これだけ覚えていれば、何の問題もない。
たった2択だが、されど2択。たじまぎゅうぬいぐるみ なんてものがあれば、サシの入ったシュールなお肉のぬいぐるみになってしまうので、気を付けてほしい。

これは、たじまぎゅう(ランプ肉)

但馬牛アンバサダー育成講習会

但馬牛は兵庫県の牛!ということで、但馬牛の知識を持つ人をもっと増やそう~!
…と兵庫県が行っている講習会であると認識している。面白いと聞いて参加してみた。

神戸ビーフの飲食店の方、宿泊施設の方、但馬牛農家の方、研究者…などなど、場違いなのかとも思ったが、頑張って勉強をしてきたので報告しておく。

講習終了後にバッジをもらった

世界農業遺産に認定

ここ新温泉町と、お隣の香美町を、合わせて美方郡という。
但馬牛は兵庫の牛というのは上で話したが、ここ美方郡の但馬牛は、先祖代々どこまで遡っても、先祖様に美方郡の牛しか出てこないという特徴があるらしい。箱入り娘たちをどれだけ大事に育ててきたかが分かる。

この、地理的な特徴を生かした但馬牛育成システムと環境が、今年の7月に世界農業遺産に認定されたということで、盛り上がっている。但馬牛の知名度が向上を願うばかり。(新温泉町に来るまで但馬牛のことを知らなかったとは言えない)

実食(食味評価)

但馬牛アンバサダー講習では、以下の4つの実食テストを行った。

  • 五味識別テスト

  • 食味評価(焼肉)

  • 食味評価(煮肉)

  • 部位別 食べ比べ

食味評価に関しては、長くなりそうなので、また詳しく記事を書くこともあるかもしれない。今回は割愛させていただく。

実際の但馬牛を見てみた

講習の一環で、但馬牛と実際に触れあったり作業の体験をさせてもらった。
実際に見ながら、牛コンテスト(分かりやすくこう呼ばせていただく)で上位になるには、身体のどの部位がどういう形だと美しいかなどを、実際に見ながら教えていただいた。
個体によって、めちゃくちゃ違う。面白い。

牛のお世話体験

但馬牛さんにブラシかけ体験!

ブラシを上下すると、毛が立つ方向と寝る方向があることが分かる。
慣れている人は上手くて、牛さんも気持ちよさそう。
初挑戦の私は…力加減が分からず。くすぐったかったのか、おとなしくしてくれませんでした。ごめんね牛さん。

他にも、牛の胴回りを測ったり、体高を図ったり、牛車で牛につける器具など、もうめちゃくちゃ面白い。
鼻紋を取る様子も見せてもらった。鼻紋(鼻の印)は人間の拇印のようなイメージで、個体によって模様が違うらしい。面白い。

牛舎見学

牛車の中も見せてもらうことが出来た。

こちらは生まれて間もない子牛さん
牛さんには上の歯がありません

そう、ここは但馬牧場公園

今年度の但馬牛アンバサダー講習は終わってしまったけれど、但馬牛のことを知りたいならば但馬牛博物館に行けば、研究に勤しまれてきた方々の面白いお話が聞ける。フラっと行ってもなんと1対1でマンツーマンで教えてもらえたりする。
但馬牧場公園はいつだって開放されているし、但馬牛博物館も絶賛 元気に営業中!(定休日:木曜日)
夏は牛さんたちが放牧されているし、冬はスキー場になっている。レストランも宿泊施設もある。一度は来てもらいたい。オススメ。

終わりに

最後に、理解度確認テストというものを受けて、講習は終了。
全10問。なんと満点が取れた!嬉しい!だが満点が2人だけだったらしく思いがけず目立ってしまったww
協力隊の面接の前に案内してもらって1時間、今回のアンバサダー講習で1時間、ローカルクエストの但馬牛博物館訪問で1時間、そう考えると、同じ説明を何度もしてもらっているなんて、あまりにも恵まれすぎている(笑)半年で3回も基礎を教わる人がそう多いとは思わないので、私はきっと特殊な存在なんだろうなと思った。

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