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7色のウロコ 童話、物語

金色のウロコが1枚落ちていた。
フワフワの草の上に落ちていた。
誰が落としたの?
ネズミはキョロキョロ見回した。
そこには誰も居ない。
ネズミは安心したのか、
その1枚のウロコを手に取った。
思ったよりも重かった。
ずっしりと感じた。
ネズミの細い腕は、ポキリと
折れそうだった。

「ドツコイショ」と声を上げて
ネズミはその1枚のウロコを、
テーブルの上に置いた。
しげしげと、それを見ていたら、
何と!7色に輝いています!
ネズミは、「これは、きっとお宝物だ!」
と心の中で思いました。
右へ傾け左へ傾け、しげしげと眺めては
ウットリするネズミさんでした。
食べられるのか?と思ったネズミは、
7色に光るウロコをガブリ!
かじってみました。
しかし、何とも、固い!
もう一回ガブリ!
あらっ!ポキっ!
キランキランの前歯がーー!
折れてしまいました…。
あー!やばい!と思ったネズミさんは、
折れた歯を抱えて右往左往!
見つけたのは、チーズのカケラ。
「よし!これで歯をくっつけよう!」
と思ったのです!
チマチマとチーズをボンド代わりにして
折れた歯をくっつけました。
おー!なんと素晴らしい!
キランキランの歯が蘇りました。
そんな事に夢中に成っていたネズミさんは、
7色のウロコの事は、すっかり忘れていました。
もう、外は暗くなっていました。
ネズミさんは、眠くなりました。
ウトウト…。
すると、7色のウロコは、ますます
キラキラと輝き始め、部屋一面を7色に
照らしておりました…。
そして、グッスリ眠ってしまったネズミを
ボスッ!と…、

吸い込んでしまいました…。

ななんと!
ネズミさんを吸い込んだ7色のウロコは、
一瞬で、宇宙の果てへと、
消えてしまいました…。

それは…7色をしたウロコ型のUFO
だったのでありました…。

何も知らず、目覚めたネズミさんは、
7色に輝く、ネズミさんに似た方々と
一緒に楽しく暮らしました…。

          おしまい。

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