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『あなたは神を信じますか?』青山美智子作品をあれこれを読んで 


青山美智子の本『お探しものは図書室で』を読んだことがきっかけで小説を読むことが増えたと、前に書いたけれど、
凝り性の私は気に入るともっと極めたくなる
韓国ドラマにおいても
好きな俳優のドラマは全て制覇したい(笑)

今回は、そんな風にハマって読んだ
「青山美智子」作品を語る回

なんて大袈裟。今回もnstagramに投稿をまとめもの(笑)


『赤と青とエスキース』


メルボルンに交換留学で訪れたレイ。そこであった青年ブーとの期間限定の恋。エスキースとは本番の絵を描く前の下絵のことらしい。
画家志望の男が描きあげたレイのエスキース。そこから綴られていく物語

淡いパステルカラーで描かれたような恋愛小説 そんな1章
章ごとに主人公や時代背景は変わって行くけれど最後は謎解きのミステリー小説を読み終えた時のよう。
そして、もう一度ページをめくり
読み返したくなる1冊

あ~色々と言いたい。
でも、ネタバレになっちゃうのはこれから楽しもうとする人に失礼。

なぜなら私も読みたい本のあらすじや総評などは読み終えてから見るタイプなので。遠慮しておきますね。


『鎌倉うずまき案内所』


さてこのお話の面白さを簡単に
道に迷ったときにす~っと現れる
鎌倉うずまき案内所の看板
地下に進む螺旋階段を降りると小さな部屋に
グレーのスーツを来た小柄な双子のお爺さんがふたりが「はぐれましたか?」と言葉をかけてくる
学校、仕事、やりたいこと、息子、結婚など それぞれこれでいいのかと 悩んでいるとき、無意識レベルのことでさえ

「はぐれましたか?」と言われて気がつく

そう、自分ははぐれてしまったんだと

そこで案内所の不思議な所長が導きだす手助けをするアイテムを告げられどう変わっていくのか
1章、1章が過去にさかのぼる形で進んでいく2019→2013 → 2007 → 2001 → 1995 →1989ちょっと混乱はするけれど
過去と過去が繋がった瞬間の面白さがある

章ごとに変わる主人公と、うずまき案内所で繰り返されるパターン化された会話はピカイチ(笑)

それぞれの章に出てくる時代背景も楽しめる
台風とか竜巻とか鳴子海峡、銀河とかの渦
「うずまきっていうのはそれ自体がエネルギーなんだ」
「ふたつの異なった質のものが接触するとき必ず渦ができるその回転の運動が起こってパワーが生まれる」さて、この本を読んでその言葉の意味を深く味わってみてはいかがでしょうか なんてね🎵


『猫のお告げは 樹の下なで』

    

なんとも不思議な
そしてそのものズバリな題名
とある神社の拝殿のそばには
タラヨウという樹がある
葉っぱを引っ掻くと茶色く残る文字  
その昔は文のやり取りや占いに使われ
今も神社を訪れた人びとの願いが書き込まれている

失恋から立ち直れない女中学生の娘と仲良くなりたい父
夢を諦めた主婦
有名な占い師
妻がいなくなり嫁と孫と暮らす男・・・
彼らが神社を訪れたとき
不思議な猫に出会う
黒くお尻には星のマークの
なぜか笑ってみえる猫 
その猫が去るとき彼らの前に
葉っぱが舞い落ちる
そこには短い言葉
猫はミクジ
葉っぱの言葉はお告げだと
神社の宮司から聞かされる
その言葉の意味を探す小さな旅
人との繋がりや想い、夢を叶える力、優しさ 人が何を考え自分はどう思い違いをしていたのか
自分と向き合うことで見えてくること
悩みやこれからあるかもしれない未来、
人間関係などに自分に重ねて読んで良し
青山美智子ワールドに嵌まってしまう1冊

『ただいま神様当番』


ぬふある日、目を覚ますと腕に大きく
「神様当番」という文字が・・・
目の前に突然えんじ色のジャージ姿の小柄なお爺さんが現れ自分は神様だと名乗る

「お当番さんみーつけた」
「願いごと、ときいて」ではじまる

一心同体共同生活

勾玉になって左の手のひらから入り込んだ
神様の描写はかなり漫画チック

その存在感は昔好きだったアニメ
「うる星やつら」のチェリーを想像させる(笑)

勝手に動き出す左手
お願いごとを叶えないと消えない文字に
翻弄されながらも自分の望む姿にたどり着く 
OLには「幸せ」
小学生の女の子には「最高の弟」
男子高校生には 「リア充」
外国人教師には「美しい言葉で話すこと」
ワンマン社長には「偉くして欲しい」

叶える願いはそれぞれ違うけれど
自分の近くにある青い鳥を探し出すように

人の暖かさに気がつけるちょっと泣ける5つの物語です


最後に赤と青のエスキース以外は
不思議な神様の存在が
『あなたは神を信じますか?』

それでは、またのお越しをお待ちしています。

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