とある会話から生まれた物語ー05

『背中に大剣を背おったやつ』

剣士と村人(商人)

とある村の露天商にて。

村人:いらっしゃい、いらっしゃーい!
剣士:しつれい
村人:はい、いらしゃいませ
剣士:こいつを二つ貰おうか
村人:はい、ありがとうございます。二つで銅貨二枚です
剣士:ほら
村人:ありがとうございます。では、袋に入れますね
剣士:あぁ
村人:それにしてもえらいねー
剣士:?
村人:小さいのにお使いしてえらいねー
剣士:む!背は低いが私はもう大人だ!
村人:そうでしたか、でも見たかんじ・・・
剣士:お前私の背中の剣が見えないのか!?表へ出ろ!
村人:すでに外ですけど?
剣士:こちらの道の方に出てこいという意味だ!
村人:え?何でですか?
剣士:お前に私の剣技を見せてやる!
村人:あーそういう事ですか。こっちを切らないでくださいよ
剣士:また私を侮辱するのか?ウッカリ切ってやろうか
村人:冗談ですよ
剣士:では、まず。私の自慢の剣を見よ!
剣士:ん!ん?ふん!んんんん!!!
(剣士の剣が長くて背中から抜けない)
村人:あー。背が低いのに大きい剣を背中に背負うからぜんっぜん抜けない
剣士:ちょ、店員さん剣出すの手伝ってくれる?
村人:良いですけど、そもそもどうやって刺したんですか?
剣士:鞘に入れた状態で地面に置いて、横になって背負った
村人:それで立てたんですか?
剣士:お母さんに手伝ってもらって
村人:・・・
剣士:だから、ほら!
村人:じゃあ私が引っ張りますから、あなたはお辞儀の姿勢で止まってください
剣士:わ、わかった。お願いします(お辞儀する)
村人:よいしょ。抜きましたよ
剣士:ありがとうございます
村人:いえいえ。さすが大剣だけあって重たいですねー。おっと!
剣士:うわぁ!危ないじゃないですか、ちゃんと持っててくださいよ
村人:重たくて、すいません。はい、お返しします
剣士:ありがとうございます。おっも!
村人:え?
剣士:背負うのと手で持つのとでは全然重さ違うじゃん!こんなの振れないよ!
村人:えー。自分の剣じゃないの?重さ知ってるでしょ?
剣士:いつもは背負っててちゃんと振るの初めてだったんだよ
村人:えー
剣士:・・・昨日おかあさんが買ってきたから
村人:えー
剣士:もう重たいし帰るー
村人:ちょ!お客さん商品!忘れてますよー!


おわり。

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